日本の知識人はパクルことによって生計をたててきた。
明治以来ずっと世界を翻訳して輸入してきた。
いや、それは何も明治時代にはじまったわけではない。
古代からずっと、中国からパクッてきたのである。西欧の近代学問の立場では、出典は出典として銘記する。
それが近代人である。
この点でカレル・ヴァン・ウォルフレンは日本の知識人達とは異なる。
故に、この内容は世界基準の学問の世界ではどうやら事実のことであると言える。
カレル・ヴァン・ウォルフレンの最新刊を読んでいくことにする。
まず、グローバリゼーションの持つ意味から整理していくことにする。
ウォルフレンは以下のように二つの意味を指摘している。
(引用はじめ)
すでに明らかになったように、グローバリゼーションは基本的に二つのことを意味する。
一つはアメリカ政府やウォールストリートの権力者を中心とする勢力が計画し、彼らが後押しする超国家組織が推進する政治的ミッション、すなわち宗教の世界的伝道に似た使命であり、もう一つはテクノロジーの発達によって、地球を舞台としたあらゆる類の新しいビジネスが可能とした、強大なパワーである。「アジア危機はより優れた経済秩序を普及させる絶交のチャンスである。」というIMF(国際通貨基金)専務理事の数回にわたる発言によって、グローバリゼーションの持つ政治的ミッションが紛れもなく明らかになったのである。
「アメリカを幸福にし世界を不幸にする不条理なしくみ カレル・ヴァン・ウォルフレン ダイヤモンド社 2000年12月 P.110」
(引用おわり)
以上を整理すると
@アメリカ政府やウォールストリートの権力者を中心とする勢力が計画し、彼らが後押しする超国家組織が推進する政治的ミッション
Aテクノロジーの発達によって、地球を舞台としたあらゆる類の新しいビジネスが可能とした、強大なパワー
となる。
グローバリゼーションには上記の二つの意味があるとウォルフレンは言う。
ここで問題になってくるのは@の政治的ミッションの事である。
この政治的ミッションとは誰によって実行されてきたのか?
(引用はじめ)
政治的意図をもったプログラムとしてのグローバリゼーションは、特にアメリカの利益集団の指示に従って、一群の国家政府や国際機関の手で、さらに多くの金融報道の解説者によって推進されている。したがって、グローバリゼーションとはほぼアメリカニゼーションに等しいという非難は、日本でもよく聞かれるが、あながち的はずれではない(この問題は、第5章のテーマである。)問題は、政治的戦略プログラムが適応を強要していることである。他の国はとにかくグローバル化しなければならない、という。
政府はもっと市場を開放し、金融システムを自由化すべきだと主張する。いわば、ワシントンがこうすべきだと定める標準を導入すべきだというのである。
「アメリカを幸福にし世界を不幸にする不条理なしくみ カレル・ヴァン・ウォルフレン ダイヤモンド社 2000年12月 P.26」
(引用おわり)
(引用はじめ)
グローバリゼーションの推進派であるアメリカ政府やウォール・ストリートの利害関係者、金融報道機関、IMF、世界銀行、ヨーロッパ諸国の財務省、そして多国籍企業、こぞってグローバリゼーション以外には今後世界が進むべき道はないと、口を揃えて唱え続けた。
「アメリカを幸福にし世界を不幸にする不条理なしくみ カレル・ヴァン・ウォルフレン ダイヤモンド社 2000年12月 P.47」
(引用おわり)
このグローバリゼーション、政治的戦略プログラムを推進する存在。
「アメリカの利益集団の指示に従って、一群の国家政府や国際機関の手で、さらに多くの金融報道の解説者によって推進されている。」存在。
これらを総称して何というか?
そう、答えは「グローバリスト」である。
このグローバリスト(globalists)によって、政治的意図をもったプログラム(政治的ミッション)としてのグローバリゼーションは推進されている。
それでは何故、グローバリスト(globalists)がグローバリゼーションを推進するのか?
(引用はじめ)
民主党系の政財界人は世界各国に金融資産を持っている。この勢力の人々が多国籍企業(マルチ・ナショナルズ)として国際的なビジネスを行ない、世界に分散して保有している自分たちの金融資産と、石油やウラニウムやその他の鉱物資源の利権を守るためにこそ、アメリカの軍隊を外国に駐留させ、いざというときに使うのである。この立場をグローバリズム(globalism)と言い、こういう考え方を持つ人々をグローバリストというのである。
逆襲する「日本経済」 副島隆彦著 祥伝社 1999年7月 P.223
(引用おわり)
以上の理由による。
2001/01/06(Sat) No.01