[481] 気になるマレーシア政界 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/19(Fri) 17:35:05 岐丸です。３本目は，マレーシアです。どういう状態になっているだろう。
世界週報のホームページでは，(転載はじめ)
マハティール首相の唐突な辞意表明
時事通信クアラルンプール特派員
舟橋 良治
２１年間にわたってマレーシアの政治の安定と経済発展を支えたマハティール首相が来年１０月に辞任する道筋が示された。後継にアブドラ副首相を指名し、１年６カ月の移行期間を通じてスムーズな政権委譲を目指すが、マハティール首相は時に強権的な手法を使ってでも政権を安定させてきたカリスマ的指導者。これに対し、アブドラ副首相の指導力には疑問符も付くだけに、政界が流動化するのは必至で、今後を不安視する向きは多い。
(転載終わり)
誰か，この記事を持っている人はおりませんか。それと，選挙が行なわれて，以下の結果になりました。
(転載はじめ)
マレーシア選挙：
下院補選で与党が議席確保
【クアラルンプール井田純】マレーシア北部ケダ州で、下院と州議会それぞれの補選が１８日行われ、与党・統一マレー国民組織（ＵＭＮＯ）は州議会選で敗れたが、下院で最大野党の全マレーシア・イスラム党（ＰＡＳ）候補に勝利した。マハティール首相の辞任表明直後の国政選挙で議席を奪ったことで、ＵＭＮＯはアブドラ副首相への後継体制固めを果たした。
両補選はＰＡＳ総裁の死去に伴って行われた。「イスラム的価値」を訴える野党側に対し、マハティール首相は自ら現地遊説し、与党政権下の経済発展を強調した。
［毎日新聞７月１９日］ ( 2002-07-19-02:19 )
(転載終わり)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20020719k0000m030198000c.html
[480] 中国とロシア 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/19(Fri) 17:31:36 岐丸です。２本目の記事です。中国とロシアはどういう関係だろう。まずは，東亜日報から(転載はじめ)
ロシア・中国 安保協力強化に合意
JULY 18, 2002 22:28
中国とロシアが、テロとの戦いなど、国際問題での米国の独走をけん制するために、両国の協力と安保関係を強化することで認識をともにした。
中国の錢其琛副首相は１７日、中露国境条約調印１周年を記念して訪中したロシアのブラディミール・ルシャイルロ国家安保会議書記との会談で「国際安保問題は、一国だけで解決することはできず、国際的な協力が必要だ」と強調したと、中国の英字紙チャイナ・デイリーが、１８日報じた。
錢副首相はまた「反テロリズムに関するすべての問題は、国連憲章や国際慣習に従って解決されなければならない。中国とロシアは、安保分野で広範囲な共同の利益があり、両国の協力強化が必要だ」とつけ加えた。
ルシャイロ書記はこれに対し「中国とロシア両国はテロの犠牲者だ。反テロに向けた努力は、国際的ガイドライン（指針）に従い、国連の承認を受けなければならない」と応じた。
さらに、反テロ闘争に向けて上海協力機構（ＳＣＯ）の役割を強化することでも合意した。ＳＣＯは、１９９６年に中国、ロシア、中央アジアのカザフスタン、キルギスタン、タジキスタンの５カ国体制で発足した。昨年、ウズベキスタンが加入して６カ国になり、今年６月にサンクペテルブルクで開かれた首脳会談で、反テロ闘争に向けた地域間協力に合意した。
中国の唐家璇外相も、同日ルシャイロ書記と会い、国際経済の不当な慣習を漸進的に変化させ、不安要因の減少に向けて両国が協力することを求めた。
両国のこのような立場は、米国がテロ根絶を大義名分に、△「先制攻撃戦略」導入△イラクへの戦争拡大推進△北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の役割強化などを通じて、国際安保秩序を再編しようとする動きへの懸念によるものと解釈される。
(転載終わり)
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2002071981308
もう一本，朝日新聞から取り寄せた人民日報ニュースから
(転載はじめ)
【人民日報ニュース】
李嵐清副総理、ロシア首相と会談
李嵐清国務院副総理は17日、ロシアのカシヤノフ首相とモスクワで会談した。
この中で李嵐清副総理は「中ロ両国は現在、高官レベルの交流が緊密で、非常に効果的な協力メカニズムができている。このメカニズムの効果により、中ロ間の戦略的パートナーシップは深まり、発展し続けている」と強調した。 これに対し、カシヤノフ首相は、締結1周年を迎えた中ロ善隣友好協力条約の役割を高く評価、「同条約が両国関係発展の成果をもたらし、両国関係は新たな段階に入った」と表明した。
(転載終わり)
http://www.asahi.com/international/jc/jinmin/K2002071801039.html
[479] 韓国から見た日本経済３ 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/19(Fri) 17:26:39 岐丸です。Rss-Kさんと、キヨシさんの中国論議の最中，いいのかこれでという記事を載せている気がします。中国論議のほうは，私も，読んで、話についていけるようにしていきます。２人とも頑張ってください。 私のほうは，韓国から見た日本経済。中央日報が連載している記事を載せます。
(転載はじめ)
【日本経済特集】１０．終身雇用の信仰
「職員を追い出したいと考えたことはたったの１度もない」ある計測機メーカーの社長は、１０年以上にわたって「不況との戦争」を行っている。一部の株主と取引銀行は人員削減を督促したが、同社長は経費節減で対抗した。営業費の削減は基本で、数人の幹部は子会社に「出向」させた。
同社長は「日本は技術で発展し、技術は人間の指先から出る。数十年にわたって１つのことだけに専念してきた、もっと言えば代を受け継いできた匠人らの指先からだ。それらの知識、技術が日本を大きくした。 企業が終生を保障してくれなければ、いったい誰がそうしたことをしてくれるだろうか」。
日本でこのような社長は、決して特別な企業家ではない。財界を代表する日本経団連の奥田碩会長（トヨタ自動車会長）も同社長に劣らない。機会ある度に「解雇は企業家にとって最悪の選択」「株価のため雇用を犠牲にしてはならない」と語っている。
失業率が５％を超えた昨年１０月同会長は、連合（日本労働者総連合）と欧州式のワークシェアリング（Ｗｏｒｋ Ｓｈａｒｉｎｇ）制度の導入に電撃的に合意した。
日本で雇用は法を通じても保護される。解雇はもちろん、希望退職の場合も法的条件が非常にややこしい。国民の情緒は言うまでもない。共同体を強調する「村社会」の文化のためだ。
日本労働研究院のオ・ハクス主任研究員は「日本の終身雇用は文化や法に基づいたもので、それだけ破れにくい」と話す。多くの勤労者にとって終身雇用は信仰だ。１５年キャノンで働いているフジワラ（３３）さんは「退職時まで働くこと」を疑っていない。
しかしここ２〜３年の間、これらの信仰にひびが入り始めた。
３年間にわたって２万１０００人の人員を削減した日産、２０００年以降、半導体景気の不振を理由に８５００人の人員削減を進めている東芝が代表選手だ。富士通、日立、日本航空など経営状態が悪化している大手企業らがその後を追っている。財界の推定によると、大手企業の２０〜３０％がすでに人員削減を始めているだろうという。
年功序列式の賃金制度も揺れている。雇用を動かしづらい企業が、積極的に賃金調整に出ている。雇用を強調する奥田会長さえ「賃金制度は今後変えるべきだ」との考えを強調している。毎年、賃上げを要求していた労組も、今年の春闘では賃金の引き上げ案を取り上げず、白旗を揚げた。
しかし、依然として日本では「和風経営の優越論」が優勢だ。「西洋の新薬は効果は早くても副作用が大きいが、東洋の補薬には時間がかかっても大きな利き目がある」(東京三菱銀行不動産管理会社・佐藤代表）ということだ。日本労働研究院が２０００年調べたところ、大手企業の８０％は終身雇用を維持したり、少しだけ手を入れたいと回答している。
しかしこれをめぐって帝国データバンクの熊谷勝行情報部長は「口では国内雇用を保ち続けるというが、海外生産構造に変えつつある」と指摘する。終身雇用は動かさないまま、産業空洞化の恐怖に震えているおかしな国が日本なのだ。
2002.07.19 12:36
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0719/20020719123602300.html
(転載はじめ)
【日本経済特集】９．「ＩＴ遅刻生」
福岡に住む会社員サトウマミ(３０）さんは、非対称デジタル加入者回線(ＡＤＳＬ）の話となると、怒りを抑えきれない。ヤフージャパンにＡＤＳＬを申し込んでから４カ月が過ぎたのに、いまだにサービスが開通しないためだ。
韓国に比べ、一歩遅れてＡＤＳＬブームが真っ盛りとなった日本。だが、サトウさんのようにＡＤＳＬを申し込んで待ち続ける人々が大多数で、「ヤフー難民」という新造語も登場した。昨年初め、公企業ＮＴＴが政府の圧力に勝てず、回線の開放をするにはしたが、他社のＡＤＳＬ開通工事をのろのろと遅らせているためだ。
日本のＡＤＳＬブームは、ヤフージャパンが６０００〜７０００円としていた１カ月の使用料を、昨年秋に２０００円台に値下げしたのを機に火がついた。その結果、ＡＤＳＬ加入者数が１年で３３倍となった。
ＮＴＴが従来のＩＳＤＮ(狭帯域通信網、６４Ｋｂｐｓ速度）から光ファイバ−(１００Ｍｂｐｓ）へと一気に移行すると豪語せずとも十分起こり得ることだ。
日本が一歩遅れて開始し、追いつこうと熱を上げるのは、ＡＤＳＬだけではない。広域通信網の整備の遅れを受けてインターネット関連基盤の整備が列をなして遅れ、その結果日本は「情報技術(ＩＴ）遅刻生」というレッテルを貼られることとなった。
世界第一の競争力を有する煙突産業への安住、変化を嫌う国民性、規制やＮＴＴの独占などが、原因に挙げられる。ＩＴ分野でも特有の「日本式」にこだわっていたのだ。
だとすれば、「ＩＴ遅刻生」日本は結局落第生へと転落するのか。取材チームが会った専門家らは、簡単に断定することはできない、と首を横に振った。
昨年初め、森喜朗前首相が出した「Ｅ−ジャパン」構想の中には、各家庭に光ファイバーを設置するという「ＦＴＴＨ(ｆｉｂｅｒ ｔｏ ｔｈｅ Ｈｏｍｅ）」計画が盛り込まれている。一部からは、森首相がＩＴを「イット」と言ったことを遠回しに「イット首相」らしい非現実的な発想だという批判も出ている。
だが三星（サムソン）ジャパンのキム・ジョンシン事業本部長は「日本の光ファイバー基幹網は世界最高レベルだ。家庭ネットワークの構築に光ファイバーは必須で、ＦＴＴＨも時間の問題だ」と話す。日本が最も遅れているネットワークさえ、世界に間もなく追いつくだろうとの主張だ。
日本は、次世代インターネットではむしろ世界を先導するという野心を抱いている。現在使用中のＩＰｖ４(インターネットプロトコル・バージョン４）体系は、最大で４０億のインターネット・アドレスが可能だが、次世代インターネットの「ＩＰｖ６」は、住所が無限に作れるというのが特徴だ。
ＩＰｖ４のアドレスがやがて枯渇し、今後家電製品にもインターネット・アドレスを付ける傾向を考慮すれば、ＩＰｖ６への転換は避けられない。
日本は、早くから政府と企業が一丸となってＩＰｖ６の商用化に拍車をかけている。ホームネットワークのサーバーとなる冷蔵庫にＩＰｖ６のアドレスを付けてみたり、インターネットが可能な自動車の実験が盛んに行われている。 政府は、税制をもってこの後ろ楯となる。
ＩＴ遅刻生が模範生へと急変する可能性は、依然として大きく開かれているといえる。
2002.07.16 22:11
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0716/20020716221158900.html
(転載はじめ)
【日本経済特集】８．変化もイヤ、ベンチャーもイヤ
「雑誌天国」の日本で、見当たらない雑誌は何だろう。
答えは、ベンチャー雑誌だ。１９９３年から東洋経済新報社で発行してきた日本唯一のベンチャー雑誌『ベンチャークラブ』が、５月号をもって廃刊したためだ。
８年間同誌の編集長を務めた田北浩章氏は「ベンチャーとは、人々の生活や価値観を根こそぎ変えるビジネスだ」とし、「変化を嫌う日本人の属性上、ベンチャーが根づくのは難しい。だからベンチャー雑誌が成功するはずがない」と悲しそうに語った。
日本でベンチャーを取材しながら、何度も聞いた言葉に「出る杭は打たれる」ということわざがある。変化の忌避、関係重視、個人より集団を優先する雰囲気…。こうした日本社会で、ベンチャーをやろうというのは「出る杭」を自任するのと同じ、というわけだ。
２００１年３月から光ファイバーを利用したインターネットアクセスサービスを開始した有線ブロードネットワークスの宇野康秀社長。
父親が大阪で有線放送事業をしていたおかげで、保有していた光ファイバー回線を利用して一早く高速通信網事業に参入し、３９歳の若さで、３２５億円台の株式を持つ大富豪へと一躍浮上した。
「だが、成功したベンチャー企業家に選ばれる彼を見て、多くの日本人は『結局は、成り上がりに過ぎない』と卑下する」（田北浩章編集長）
「ソフトバンクの孫正義氏が、日本で良い評価を得られないのも、在日韓国人であるからではなく、成り上がりだからだ」（玉置直司・日本経済新聞ソウル支局長）とも言われている。
こんな状況では、金と人がなかなか集まらない。多くのベンチャーキャピタル企業は、いまだ日本国内への投資よりは海外投資に、先端ベンチャーよりは収益性が保証された既存の産業に投資する傾向が強い。
だが、１０年来の不況の末に、日本も変化の必要性を痛感している。政府が、若いベンチャーやハイテクベンチャーの重要性を力説して出た。
平沼赳夫経済産業相は昨年、予算支援を通じて「数年内に、１０００校の大学ベンチャーを育てる」と発表した。実際、日本の大学ベンチャーは昨年末、２６３と１年で２倍以上増えた。
また、渋谷のベンチャー団地「ビットバレー」など東京一帯で９０年以降に旗揚げしたインターネット関連ベンチャーが、１０００余りに達する。三菱総合研究所の内海和夫ベンチャー支援事業部長は「これら企業の中から成功例が多く出てくれば、日本にもベンチャーブームが起きるかもしれない」と展望した。
2002.07.16 11:32
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0716/20020716113227900.html
(転載はじめ)
【日本経済特集】７、中国は機会…構造調整が不可避
北嶋絞製作所で、小泉首相が部品づくりに挑戦している。
今年４月、小泉首相が東京大田区の町工場を訪れた。北嶋絞製作所とインクスの中小企業２社を視察した。
北嶋絞製作所では自ら製品を作り、贈り物を受けて帰った。首相は工場の門を出ながら「元気が出てきた」と語った。
２日後、同じ工業団地産業会館、全国の中小企業工業団地代表３５人が集まった。
「首相は好調な企業しか見ていないため、まだ対策が出ていない…」。
誰もが大企業の中国進出によって倒産する中小企業を憂慮した。仕事が減っているうえ、中小企業が苦心して制作した設計図を大企業が海外に持ち出し、安い部品を製造していると指摘した。
大企業を中心に１９７０年代から始まった海外進出は、「輸出増加のため生産施設の一部を移す」というレベルだった。しかしいまや高い人件費と生産費用に絶えられず「脱出」という形で、中堅・中小企業もこれに加わっている。
数年前までは中国を警戒していたが、いまでは市場と機会で見て飛び込んでいる。企業らはこれまで「生産は中国、研究開発は日本」としてきたが、昨年からは研究開発も中国現地に変えた。
ホンダは中国合弁会社で製造した５０ＣＣのスクーターを日本で売る。国内では採算が合わないため、中国を生産基地に選んだのだ。
昨年史上最高の純益を記録した日産も、中国企業との合弁に向けて交渉を進めている。カラーテレビはすでに９０％以上が海外に移転している。家電製品の中国生産比率は日々高まっている。
昨年、工産品や繊維類など日本の完成品輸入額は２１５７億ドル（輸入全体の６１．４％）。ついに中国（４８８億ドル）が米国（４６１億ドル）を抜いて最大貿易相手国となった。
日本企業が生産拠点を中国に移し、中国が「世界の工場」に急成長していることを表している。
問題は中小企業だ。地方に行くほど仕事が減り、中国製品に押され、企業倒産と失業者が増加している。
最近『チャイナショック』という本を書いた三井物産中国経済センター長の沈才彬氏は、中国のことわざ「揚長避短」（長所を生かして短所は避ける）戦略を強調している。
「日本企業の長所は技術力、短所は高費用だ。日本は付加価値が高い新製品を開発し、中国・韓国企業と分業体制を構築しなければならない」。
特別取材チーム < jeri@joongang.co.kr >
2002.07.15 14:23
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0715/20020715142357900.html
[478] Re[477]: 田中 宇さんの『米中論』 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/19(Fri) 07:34:11☆Rss-K様お返事、ありがとうございました。
回答させていただきたいところですが、
私が横着をして、礼儀を欠いたまま、
図に乗ってここに好き勝手なことを書いてしまい、
大変失礼を働いてしまいました。
それゆえ、もう、お話することもできません。
これまで私のような馬鹿者にわざわざお付き合い下さいまして、
ありがとうございました。
管理人の皆様にもご迷惑をお掛け致しました。
失礼いたします。
[477] 田中 宇さんの『米中論』 投稿者：Rss-K 投稿日：2002/07/18(Thu) 22:20:31キヨシさんからご紹介頂いた本のうち、
『人脈で読む中国の真実』に引き続き、
『米中論‐何も知らない日本』もようやく読了することができました。こちらも興味惹かれる記述が満載で大満足でした。(^^)
キヨシさんには本当に感謝しております。
その、田中 宇さんの『米中論』の最終ページ付近に、
現下の米中日間の情勢に関する気になる分析がありましたので、転載させて頂きます。
このような分析は、副島先生の分析とも、一部、相通じる所があるのではないでしょうか。
（転載開始）
『米中論‐何も知らない日本』光文社新書 田中 宇 (著)P.246〜P.250
911事件後、中国はアメリカ政府から「敵」にされて国際的に孤立してしまうのを防ごうと、いろいろな手を打っている。たとえば二〇〇二年になって江沢民主席ら中国の首脳が中東のイスラム諸国を歴訪し、訪問先でパレスチナ問題に関してイスラム諸国の肩を持つ発言を連発したのも、その一例だ。そして、日本に対して接近してきたのも、その一環だった。
二〇〇二年四月二〜九日には、保守派の重鎮である李鵬・全人代常委会委員長が訪日し、日本政府要人と親密な雰囲気を醸し出して帰っていった。彼は前年、台湾の李登輝前総統（大統領）の訪日に抗議して自らの訪日を延期し、反日感情を露にしていただけに、李鵬訪日は、中国が日本との関係を好転させたいという意思表示だったと受け取れる。さらに中国は、四月一二日に海南島で開いた「博鰲アジアフォーラム」の首脳会談に小泉首相を招待し、日中間の経済関係を緊密化しようとした。
ところが、こうした中国側からの接近に対し、日本側は「お断り」の姿勢をとった。四月十六日小泉内閣は有事法制関連3法案を国会に提出することを閣議決定した。この有事法制関連3法案は、沖縄県など米軍基地を抱える自治体のトップが、有事の際に米軍が基地の利用を拡大することに反対した場合、政府がその動きを封じることができるよう、首相が自治体への指示権を持つことになる点がポイントだった。この法案は、周りの国が日本を攻撃してくると予測された時点で、有事体制が発動できることになっている。日本は、国防情報をアメリカに頼っているので、中国が日本を攻撃しそうだとアメリカが言いさえすれば日本の有事体制が発動され、たとえ沖縄県の知事らが反対しても、東京の政府はそれを無視できるようになる。
さらに四月二十一日には小泉首相が靖国神杜を突然参拝した。そして五月八日には、中国・落陽の日本領事館に五人の北朝鮮人が亡命しようと駆け込んだ際、警備中の中国の警察官が領事館の敷地内に入って亡命者を拘束し、連行していく事件が起きた。日本政府は中国の警察官が勝手に領事館に侵入したとして中国政府を厳しく批判し、中国側は日本側の了承があったから警察官が入ったのだと反論して対立した。
この事件の裏には、北朝鮮人の亡命を支援する国際NGOの存在があった。ドイツ人の医師らが率いるこのNGOは、二〇〇二年四月には北京のスペイン大使館に二十五人の北朝鮮人を亡命させることに成功し、その第二弾として、瀋陽にある日本、アメリカ、カナダの領事館に五月七日〜十二日に相次いで北朝鮮人が亡命を試みたのだった。
NGO側は自分たちが信用できる欧米や韓国の一部のマスコミに、事前に亡命計画を漏らし、四月のスペイン大使館や五月の日本領事館では、亡命者が駆け込むシーンが物陰からテレビ撮影され、世界に報じられている。日本領事館では、敷地内に入り込んだ中国の警察官が落としていった帽子を、日本側の大使館員が拾って警察官に返すシーンも映されてしまっていた。日本側が中国の警察官の立ち入りを容認していた可能性が高いことが、この映像から判明したが、日本政府は中国批判を止めなかった。
この事件の本質は「NGOによる亡命作戦」だったのだが、日本ではそうした本質がほとんど報じられず「中国政府の失礼な態度」だけが喧伝された。ここでも、前月の有事法制や靖国参拝と並んで、日本政府の側から中国との関係を悪化させるためと思われる作戦が採られた。
アメリカのブッシュ政権が中国包囲網を強化していることを思えば、日本政府が中国との関係を悪化させようとしたことは、アメリカの対中政策の一環だったということになる。
日本政府が、アメリカの対中包囲網の一翼を担って積極的に中国敵視政策をとることは、日米関係の強化という点では意味があるかもしれない。だが私が不安を感じるのは、日本の世論が「アメリカが中国を敵視しているから日本も敵視するのだ」ということに気づかず、無意識に対米従属と反中国の傾向を強めているように見えることである。
十九世紀に朝鮮の人々は、政治的に中国ばかりを見ていたため、欧米列強が中国を破り、東アジアを植民地化し始めたことの重大さに気づくのが遅れ、新事態に素早く適応した隣国日本によって蹂躙され、植民地にされてしまった。それから百五十年、今の日本を見ると、政治的にアメリカばかりを見ているため、今後アジアで起こりそうな世界的な変化を見落としているのではないか、と懸念される。
昨今のアメリカの強大さを考えれば「対米従属」は必ずしも悪いことではないとも思うが、それしか見えない状態に陥っている日本の現状は、百五十年前に世界の動きを敏感に感じ取って明治維新を成し遂げたころの日本と比べると、ずいぶんお粗末な状態だと感じられる。われわれはもっと国際的な「事件の裏側」に関心を持つべきだと思う。
この本はそうした問題意識に基づき、私なりの仮説を含む国際情勢論として展開した。読者の方々が国際問題の裏側について考える際の一助になれば幸いと思う。
（転載終了）
[476] 訂正版：六韜文伐篇その五・・・『決断の条件』（会田雄次） 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/18(Thu) 20:31:39 すみません。[473] に掲載した文章に誤字・脱字が随分あったようで、みなさんが読まれたときにかなり分かりづらかったのではないかと思います。訂正版を再掲載させて頂きます。（転載開始）
忠臣の使いを係留し、その事を聴くなく、すみやかに代をおくをなさしめ、おくるに誠事をもってし、親しみてこれを信ずれば、その君まさにまたこれに合わんとす。まことによくこれを厳にせば、国すなわち謀るべし。
六韜文伐篇その五
（略）
さてこの文章はなかなか難しい。この文章は文伐篇から引いたものだが、文伐というのは戦わないで、つまり外交や謀略などで敵国をやっつける方法で、その十二法の中のこれは第五の方法である。
敵国から忠臣・賢臣が外交使者としてやって来たときは、相手の意見をきかず、のんべんだらりと交渉を長びかせ、敵国をイライラさせて交代の使者を来させるようにする。この交代の使者に対しては、友好的態度をとって交渉を成立させる。敵国の君主は、前の使者より、この使者を信頼するようになるだろう。これを厳密にやっていると敵国を見事に謀略にかけ、やっつけることができる。そういう内容だ。
ところで、この文章の意味を理解するためには、もうすこしつっこんで考えねばならないところがある。あとで来た交代の使者というのは、何の形容もついていないが、あせって送り込むような使者は忠臣の意見に反対する不忠臣か、あまり賢くないか、巧妙にあせったり、権力欲にとりつかれた小人か、ともかく上等のものではないということは自明の前提になっている。その点を読み込まねばならない。君主がこんな安物を信頼し、賢臣忠臣をしりぞけるようになったら、占めたものだということである。
ついでながらいっておくと、中国の指導者たちにとっては、そのイデオロギーのいかんにかかわらず、古今を通じ、この『六韜三略』というのは、『孫子』などとならんで常に手を離さぬ座右の銘であり書である。したがって、その内容など一言一句暗記できるほど知り尽くし、研究し抜いているのである。現在の中国の日本に対する取り扱いも、こういう角度からも考えねばならない。ところで、有難い民主国である日本の「君主」は、タレントなどという空っぽ人間に数百万票を投じて国会に送り込む「民衆」である。そういう外交折衝、外交官の評価などをどのような基準によって下すつもりであろうか。
こうなって来ると、スターリンと不可侵条約を結んで意気揚揚と帰国した松岡外相がはたしてどうだったろうという疑問が出て来る。松岡外相は日本の外相としては出色の人間だったけれど格のちがいというか、その役割は日本に致命傷をもたらすことにしかならなかったのだ。何しろソ連は、これでみごとに日独伊の鉾先（ほこさき）を英米に向けさせうまく死闘させた。もっともすこしやりすぎてドイツ軍の主力を自分の敵としてよびこむという失敗をやったものの、対日本に関しては最高に有利に、日本には最高に不利に事をはこぶ結果になったからだ。アメリカに叩きのめされた日本が完全に無力になったのを見こし、松岡との条約を一方的に破棄して満州を侵略、自軍は全く無傷のまま濡れ手に粟のごとく南カラフトから千島の全部を手に入れてしまった。あの不可侵条約は日本に損害だけをもたらしたのである。スターリンはモスクワの駅まで松岡外相を見送りに来るという異例の待遇をやり、外相を有頂天にさせたけれど、そのとき胸中で何を考えていたことだろうか。外相とくらべ、冷静そのものであったことはたしかなのだが。
新聞の「命令」により中国へのりこんだ田中首相が、松岡のような鉄をふまぬことになれば幸いである。（※本書が書かれたのは1975年−キヨシ）
この『六韜』の教えは、もう一つ、相手国の賢臣・忠臣と腹を割って事を断じてはならないという教訓にもなる。そんな人間が自国に不利で、こちらに有利なことをしてくれるはずがないからだ。そんな人と腹を割って何もかも話し合い、事を処理したと思っている場合は、大抵相手の術中に陥ったので、自分が自国に対する「裏切り者」となっているのである。相手は自分を「悪臣」とは思わないまでも、「賢臣」ではないと断じていることは確かであろう。
日露戦争のとき、海軍の戦略を担当した秋山真之参謀のやり方は、いつも一枚上手で行くというやり方だった。相手が桂馬を出してきたら銀で、金なら飛車を向けるという風に。初期の仁川沖の海戦から、ウラジオ艦隊をやっつけた尉山沖の海戦から、すべて、その伝で勝つべくして勝った。人間関係の戦略でも同じことをやるべきなのだ。ただ、軍艦とちがう、戦争とちがう。えらい奴が出て来たとて、おいそれとうまく対応できない。ここでは、えらい奴が出てこないよう、出て来ても機能しないようにさせるべきなのである。それが外交交渉に入る前の外交計略なのだ。この百年間日本は、そんなことを考える能力が全くなかった。日米繊維交渉だって日中交渉だって、策略は一切されなかった。こちらは向こうの望む人を出し、しかもあちら側はこちらの意向を無視して代表を出して来る。日本に外交なしといわれる所以である。
二国間の交渉とか、取引とか、そんな大問題は一応さしおくとする。対他企業、対官庁、対圧力団体、ともかく相手を「やっつけ」ねばならぬ場合、私たちは当然この問題を考えねばならぬ。私たち日本人の一番の欠陥は、相手の人間性にほれこんだり、参ってしまうという所にある。エライ人が胸襟を開いてくれたり、真情を吐露したり、へりくだって対応してくれたりすると、いっぺんに感激してしまう。そして無意識のうちに裏切り者の役割を果たしてしまうことになるのだ。相手が心からの誠意で来ているのか、途方もない大物でそんな芝居をやっているかは、別問題としても。
もっともこういう感激性は日本人の欠点であり、同時に良さでもある。強いて矯正する必要はない。ただ、その欠点をさらけ出さぬため、大物、偉材とは決して腹をわってつき合わないこと、そのことだけは、肝に銘じてほしい。自分は決して大物ではないのだから。その反省を欠き自分でそう思ったとき万事が終わっているのだ。それも自分だけなら失敗してもよいが、自分の属する組織、民族、国家に大きな損害をもたらすことになろう。小物政治家たちが大物気分で出かけて行って手玉に取られ、日本にずい分損を与えている情況に私たちはもういい加減に癇を立ててもよさそうなものである。
（転載終了）
『決断の条件』(115-p.120)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106001748/qid=1026894581/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/249-5970626-2525160
☆Rss-Kさんへ
例の本、Rss-Kさんのおめがねにも適いましたか。そう言って頂ければ私も嬉しいです。私こそ、いつも沢山の、大変貴重な情報を頂いておりますので、私のほうからもまた何か面白いものがあれば、ここに書き込ませて頂きたいと思います。
以前にも一応ここに書き込みさせて頂きましたが、勿論、『決断の条件』、その他の会田雄次先生の著作はお勧めできます。実に含蓄が深く、味わい深いので、私は非常に好んでおります。
[474] 不満を呼ぶ農業改革 投稿者：Rss-K 投稿日：2002/07/17(Wed) 19:52:09（貼り付け開始）『東京新聞』７月１７日付 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20020717/mng_____kok_____003.shtml
熱風中国 脈打つ「世界の工場」＜５＞
不満を呼ぶ農業改革
■離農生む「民工潮」
農民たちが手にする真新しいＴシャツは、背中に大きく「納税光栄」とプリントされていた。水田に囲まれた中国内陸の安徽省和県の税務署。Ｔシャツは納税を済ませた農民への地方政府からのプレゼントだ。
中国政府は二〇〇〇年から農村の税制改革を本格的に進めている。農民の実収入を増やすため、税負担を減らすのが目的だ。農村では数年前まで、地元有力者が私腹を肥やすでたらめな徴税がまかり通っていた。我慢し続けた農民たちが、各地で役所を取り囲む抗議行動に打って出たのが発端で、改革が始まった。
「（納税額は）改革前の半分になり、（生活が）少しは楽になった」。和県大全村の許祥斌さん（７８）は納税証明書を見てほほ笑む。税金は六人家族で年千十三元（約一万五千円）に減った。
しかし、同県の何大銀さん（５３）のように「実感としては税制改革をやっても、大して生活水準は変わらない」との声は依然として多い。
この税制改革で、安徽省は全国のモデル地区に選ばれた。中国屈指の農業地帯で、かつ歴史的にもこれまで農業改革で常に先進地だった経緯からだ。その同省でさえ、農民一人当たりの平均年収は二千元（約三万円）に届かず、厳しい暮らしが続いている。
（貼り付け終了）
この記事を読んで、思い出したのが以下の記述です。
（転載開始）
『人脈で読む中国の真実―食い込むアメリカ食われる日本』青木 直人 (著)
P.120〜P.121
私はＷＴＯ加盟で、中国の農業は壊滅的な痛手を受けると見ている。あの朱鎔基ですら「農業を守る自信はない」ともらしたのだ。生産性は低く、その技術レベルはお話にならない。しかも近年でも生産性は向上していないのである。内陸はいうまでもなく、豊かな北京、上海近郊の農家といえども、外国資本に都市のマーケットを侵食されることは間違いない。
すでにカーギルやコンチネンタルという国際的なアグリビジネス企業が中国に展開中である。もちろん、キッシンジャーを顧問にしたコンチネンタル・グレインも含まれている。
（転載終了）
★キヨシさんへ。
繰り返しになってしまいますが、
この『人脈で読む中国の真実』は本当に面白かったです。
この掲示板はもちろんですが、【アメ政】の閲覧者の皆さんには、特にオススメです。
キヨシさんの推薦がなければ、私はこの本を見逃しているところでした。
素晴らしい情報提供ありがとうございました。
＊『米中論』も読み進めております。こちらもかなり面白いです。(^^)
[473] 六韜文伐篇その五・・・『決断の条件』（会田雄次） 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/17(Wed) 18:30:46最近は、何かと副島先生に随分失礼な態度を取る人がいるようなので、副島先生のアメリカ政治分析に実際に大変敬意を抱いている私まで、変に勘違いされはしないか、要らぬ憤激を買ってしまうのではないかと、正直、投稿するのに気が引けているのですが、ご参考になるかどうか分かりませんが、今日は、一つ、私が日中関係を考える際に、いつも思い出す文章を転載させて頂きます。（転載開始）
忠臣の使いを係留し、その事を聴くなく、すみやかに代をおくをなさしめ、おくるに誠事をもってし、親しみてこれを信ずれば、その君まさにまたこれに合わんとす。まことによくこれを厳にせば、国すなわち謀るべし。
六韜文伐篇その五
（略）
さてこの文章はなかなか難しい。この文章は文伐篇から引いたものだが、文伐というのは戦わないで、つまり外交や謀略などで敵国をやっつける方法で、その十二法の中野これは第五の方法である。
敵国から忠臣・賢臣が外交使者としてやって来たときは、相手の意見をきかず、のんべんだらりと交渉を長びかせ、敵国をイライラさせて交代の使者を来させるようにする。この交代の使者に対しては、友好的態度をとって交渉を成立させる。敵国の君主は、前の使者より、この使者を信頼するようになるだろう。これを厳密にやっていると敵国を見事に謀略にかけ、やっつけることができる。そういう内容だ。
ところで、この文章の意味を理解するためには、もうすこしつっこんで考えねばならないところがある。あとで来た交代の使者というのは、何の形容もついていないが、あせって送り込むような使者は中心の意見に反対する不忠臣か、あまり賢くないか、巧妙にあせったり、権力欲にとりつかれた小人か、ともかく上等のものではないということは自明の前提になっている。その点を読み込まねばならない。君主がこんな安物を信頼し、賢臣忠臣をしりぞけるようになったら、占めたものだということである。
ついでながらいっておくと、中国の指導者たちにとっては、そのイデオロギーのいかんにかかわらず、古今を通じ、この『六韜三略』というのは、『孫子』などとならんで常に手を離さぬ座右の銘であり書である。したがって、その内容など一言一句暗記できるほど知り尽くし、研究し抜いているのである。現在の中国の日本に対する取り扱いも、こういう角度からも考えねばならない。ところで、有難い民主国である日本の「君主」は、タレントなどという空っぽ人間に数百万票を投じて国会に送り込む「民衆」である。そういう外交折衝、外交官の評価などをどのような基準によって下すつもりであろうか。
こうなって来ると、スターリンと不可侵条約を結んで意気揚揚と帰国した松岡外相がはたしてどうだったろうという疑問が出て来る。松岡外相は日本の外相としては出色の人間だったけれど格のちがいというか、その役割は日本に致命傷をもたらすことにしかならなかったのだ。何しろソ連は、これでみごとに日独伊の先方を英米に向けさせうまく死闘させた。もっともすこしやりすぎてドイツ軍の主力を自分の敵としてよびこむという失敗をやったものの、対日本に関しては最高に有利に、日本には最高に不利に事をはこぶ結果になったからだ。アメリカに叩きのめされた日本が完全に無力になったのを見こし、松岡との条約を一方的に破棄して満州を侵略、自軍は全く無傷のまま濡れ手に粟のごとく南カラフトから千島の全部を手に入れてしまった。あの不可侵条約は日本に損害だけをもたらしたのである。スターリンはモスクワの駅まで松岡外相を見送りに来るという異例の待遇をやり、外相を有頂天にさせたけれど、そのとき胸中で何を考えていたことだろうか。外相とくらべ、冷静そのものであったことはたしかなのだが。
新聞の「命令」により中国へのりこんだ田中首相が、松岡のような鉄をふまぬことになれば幸いである。（※本書が書かれたのは1975年−キヨシ）
この『六韜』の教えは、もう一つ、相手国の賢臣・忠臣と腹を割って事を断じてはならないという教訓にもなる。そんな人間が自国に不利で、こちらに有利なことをしてくれるはずがないからだ。そんな人と腹を割って何もかも話し合い、事を処理したと思っている場合は、大抵相手の術中に陥ったので、自分が自国に対する「裏切り者」となっているのである。
日露戦争のとき、海軍の戦略を担当した秋山真之参謀のやり方は、いつも一枚上手で行くというやり方だった。相手が桂馬を出してきたら銀で、金なら飛車を向けるという風に。初期の仁川沖の海戦から、すべて、その伝で勝つべくして勝った。人間関係の戦略でも同じことをやるべきなのだ。ただ、軍艦とちがう、先頭とちがう。えらい奴が出て来たとて、おいそれとうまく対応できない。ここでは、えらい奴が出てこないよう、出て来ても機能しないようにさせるべきなのである。それが外交交渉に入る前の外交計略なのだ。この百年間日本は、そんなことを考える能力が全くなかった。日米繊維交渉だって日中交渉だって、策略は一切されなかった。こちらは向こうの望む人を出し、しかもあちら側はこちらの意向を無視して代表を出して来る。日本に外交なしといわれる所以である。
二国間の交渉とか、取引とか、そんな大問題は一応さしおくとする。対他企業、対官庁、対圧力団体、ともかく相手を「やっつけ」ねばならぬ場合、私たちは当然この問題を考えねばならぬ。私たち日本人の一番の欠陥は、相手の人間性にほれこんだり、参ってしまうという所にある。エライ人が胸襟を開いてくれたり、真情を吐露したり、へりくだって対応してくれたりすると、いっぺんに感激してしまう。そして無意識のうちに裏切り者の役割を果たしてしまうことになるのだ。相手が心からの誠意で来ているのか、途方もない大物でそんな芝居をやっているかは、別問題としても。
もっともこういう感激性は日本人の欠点であり、同時に良さでもある。強いて矯正する必要はない。ただ、その欠点をさらけ出さぬため、大物、偉材とは決して腹をわってつき合わないこと、そのことだけは、肝に銘じてほしい。自分は決して大物ではないのだから。その反省を欠き自分でそう思ったとき万事が終わっているのだ。それも自分だけなら失敗してもよいが、自分の属する組織、民族、国家に大きな損害をもたらすことになろう。小物政治家たちが大物気分で出かけて行って手玉に取られ、日本にずい分損を与えている情況に私たちはもういい加減に癇を立ててもよさそうなものである。
（転載終了）
『決断の条件』(115-p.120)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106001748/qid=1026894581/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/249-5970626-2525160
[470] サハリンの天然ガス 投稿者：Rss-K 投稿日：2002/07/16(Tue) 19:08:56（貼り付け開始）『東京新聞』７月１６日付 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20020716/mng_____kei_____002.shtml
サハリン天然ガス輸送 船かパイプラインか ＬＮＧ供給 開始にめど
米欧メジャー（国際石油資本）や日本の総合商社などの企業連合が進める極東ロシア・サハリン沖の天然ガス開発で、パイプラインと船による日本への供給ルートを競い合う“売り込み”合戦が本格化してきた。米エクソンモービルと伊藤忠商事などのパイプライン連合は、二〇〇八年をめどに首都圏までの敷設を計画。欧州シェルグループ、三菱商事、三井物産などの液化天然ガス（ＬＮＧ）連合も、液化プラントの建設を経て、専用船による〇七年からの供給開始にめどをつけ、電力会社など大口需要先との契約締結に向けてそれぞれ動きだした。（中沢幸彦）
パイプライン連合には、エクソンなどのほか、石油公団や石油資源開発が参加。サハリン北部に三カ所のガス田を開発済みで、可採埋蔵量はカスピ海などに次ぐ世界最大級の計四千八百五十億立方メートルに上る。パイプラインの敷設計画は、〇五年末までに北海道に通して、〇六年には道内への供給を開始。その後、札幌を経由して、本州への供給を目指す。
現在、太平洋の海底を通り、仙台と首都圏につなげるルートと日本海を通り、新潟まで供給する計画があるが、大口需要先が首都圏に集中していることから「太平洋ルートが最優先」（伊藤忠幹部）という。
太平洋ルートは〇八年までに千葉の九十九里浜に取り付ける案が有力で、企業連合は、そこを起点に首都圏内のパイプライン整備にも直結できる利点を売り込んでいる。
だが、数千億円かかるといわれる建設資金の民間側での調達や、海底を通すため漁業権交渉など解決すべき問題が多い。需要側も「コストや供給の安定性を見極める必要がある」（東京電力）などと慎重な姿勢で、実現までの見通しはまだ不透明だ。
これに対し、ＬＮＧ連合は〇六年末までに、サハリン島南端に年間生産量四百八十万トンと世界最大級のＬＮＧプラントやＬＮＧ輸出ターミナル基地を建設。〇七年から日本を中心に供給を開始する予定で、需要先でも、既存の船によるＬＮＧ受け入れ施設を活用できることなどに、関心が高まっている。
（貼り付け終了）
[469] インドの需要に対応 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2002/07/16(Tue) 08:40:22キヨシさんが紹介していたサイトからhttp://www.ipsnihongo.org/a06/13.html
（転載開始）
天然ガス輸送管敷設計画で合意
長年の夢実現に第１歩踏み出す
アフガニスタンに貴重な現金収入も
パキスタンは経済効果に大きな期待
カギ握るのは輸出市場開拓の行方
世界を震撼させた昨年９月１１日の米同時多発テロ事件を機に、イスラム原理主義のタリバン政権が崩壊したアフガニスタンでは新たな国造りが進み、民族融和を目指す国民大会議も開幕した。治安状態も落ち着きを見せ始めた今、国民が期待するのが経済分野での復興だ。その第１歩となる天然ガス輸送管敷設計画がアフガニスタン、トルクメニスタン，パキスタンの３カ国の間で合意され、長年の夢の実現へ大きく踏み出した。完成までには紆余曲折が予想されるが、実現すれば、経済基盤の弱いアフガニスタンに貴重な収入をもたらすほか、エネルギー不足に悩むパキスタンの経済発展への起爆剤になると期待されている。同計画の実現への見通しに加え、政治対立を続けるインド，パキスタン両国のエネルギー確保の思惑などを報告する。
【イスラマバードＩＰＳ（ナディーム・イクバル記者）】
アフガニスタンを含む西アジア地域で今、同国の政情不安定を理由にいったんは中止となった天然ガス輸送用パイプラインが再び脚光を浴びることになった。この輸送管敷設計画が実現すれば、アフガニスタンだけでなくトルクメニスタン、パキスタンに貴重な現金収入をもたらすことになる。パキスタン政府の天然資源事務局のアブドラ・ユスフ氏は「この計画は３カ国の経済開発に向けたそれぞれの思惑が一致した成果だ。特に、パキスタンでは天然ガスの供給を受けて、国内産業の活発化が期待される」と、この計画を早くも手放しで歓迎している。
同国のカイダイアザム大学地域研究所のラスル・バクシュ・ライス所長もユスフ氏の見方に賛意を示し、さらに「この計画の実現で雇用増大、輸送手数料収入、技術開発の促進などが見込まれるが、好影響はそれだけにとどまらない」と、同計画が経済分野に幅広く利益をもたらす可能性を強調する。
それ以上に、同計画による恩恵は経済分野の枠を超え、西アジア地域でのエネルギー分野協力により、域内３カ国に政治的安定とそれに伴う平和をもたらす効果もある、と期待されている。
▽ 年間３億ドルの収入見込むアフガン
今回の計画の総工費は２０億ドル−３０億ドルと見積もられ、完成すれば、ガス輸送管が領土内を通過するアフガニスタンには年間３億ドル（約３７５億円）にも上る領土使用料が国庫に入ると予測される。
ムシャラフ・パキスタン大統領とカルザイ・アフガニスタン暫定行政機構議長、さらにニヤゾフ・トルクメニスタン大統領の３カ国首脳は先月３０日、イスラマバードで、全長１５００キロの天然ガス輸送管敷設計画に合意、調印し
た。
３カ国の領土を走る輸送管の起点はトルクメニスタンのカスピ海沿岸、ダウラタバド・ガス田。このガス田では２３兆立方フィートに上る埋蔵量が既に確認されている。同国領土を通過した輸送管は次にはアフガニスタン、そしてパキスタン領内を通り、最終的にパキスタン南西部のグワダル港にまで達する。天然ガスは同港地区に建設される施設で液化天然ガスに精製され、日本を中心とする極東諸国に輸出されることが期待されている。
ムシャラフ大統領は調印式で、国際入札と世界銀行やアジア開発銀行などの国際融資機関への資金援助要請を行う前に、３カ国が計画の実行可能性をあらためて調査すると確約した。
▽米石油会社が敷設計画の中心か
関係者らによると、前回の計画に参加予定だったユノカル（米石油会社）主体の国際コンソーシアム（企業連合体）が戻り、計画を遂行することになりそうだという。この計画は元々、米国のユノカルが１９９６年に、エネルギー不足に悩むインド市場に天然ガスを売却する目的で考えられた。当初計画では、ガス輸送管はアフガニスタン中部のムルタンを抜け、さらに５８０キロのパイプラインを敷設して、インド国内に送り込むことになっていた。
また、それより１年前の９５年には、アルゼンチンの企業ブリダスがトルクメニスタンのヤシュラル・ガス田から、アフガニスタン南部のガス田経由でパキスタン西部のバルチスタン州へ至る輸送管敷設計画を提案していた。計画では、同州がパキスタンの天然ガス貯蔵基地とパイプライン網の基地になる予定だった。
しかし、ブリダスの提案は採用されず、ユノカルも２０００年にアフガニスタンの治安悪化を理由に計画から撤退してしまった。昨年９月の米同時多発テロ事件をきっかけに、アフガニスタンを支配していたタリバン政権が崩壊したことで、アフガニスタンは今、ようやく落ち着きを取り戻し始めているが、依然、民族間の勢力争いが再燃し、治安悪化を再び招く可能性が付きまとっている。
これに対しカルザイ暫定行政機構議長は調印式での演説で、国内は落ち着き治安状態も良好だと強調するとともに、今月１０日にカブールで開幕のロヤ・ジルガ（国民大会議）が、内戦に明け暮れていた同国に安定と治安を回復させることになろう、との自信を示した。
▽インドも天然ガス確保を模索
しかし、輸送管敷設計画の関係者たちにとってアフガニスタンでの最大の課題は治安ではなく経済なのだ。即ち、計画が完成したとしても、問題は天然ガスの市場をどこに定めるかだ。極東アジアといってもひとつの輸出市場にすぎない。
パキスタンの戦略研究所中央アジア研究部のアドナン・アリ・シャー研究員は、巨大な市場を持つインドが主要な輸出先となり、パキスタンがそれに次げば、輸送管敷設計画は十分に成り立つ、との見通しを明かにした。
今回の計画でも輸送管はムルタンを経由してグワダルへ向うが、そこから先のインドにまで輸送管を伸ばすのは第３段階に入ってからの話だ。しかも、インドとパキスタンの政治関係が改善するのが前提となっている。
もうひとつのイラン−パキスタン−インドの３カ国を結ぶ敷設計画は忘れられたも同然だ。だが、以上の２つの敷設計画が実現すれば、パキスタンは領土通過使用料だけで年間１０億ドル（約１２５０億円）の収入となり、しかも深刻化しているエネルギー不足を補うこともできる。ムシャラフ・パキスタン大統領はこうした点に関し、イランあるいは他の国からにしても、インドに対する輸送管での天然ガス供給は確実に行うことを約束する、と言い切るのも理解できる。
▽中央アジアは天然ガスの宝庫
パキスタン第２の主要港グワダルはペルシャ湾への玄関口に位置し、産油地帯の中東と世界の人口の６分の１を占める南アジア、さらにエネルギー資源が豊富な中央アジア諸国の交差する所でもある。
天然ガスの需要は今後伸びる傾向にあり、２０１０年までにインドの天然ガス消費量は今の４倍、また、パキスタンの同量は２倍に増えると見られる。現行の生産量から推定すると、両国の天然ガス埋蔵量は４０年以内で枯渇してしまう。このため両国は過去に幾度となく、天然ガスをどこから輸入するかを調査したことがある。
パキスタンはイラン、カタール、トルクメニスタンの３カ国と覚書を調印し、一方、インドは輸送管を敷設し、液化天然ガスをオマーンかイランから輸入する可能性を検討した。オマーンからだと海底深くに敷設する輸送管で輸入することになるが、３０００メートルもの深さに輸送管を敷設するのは技術的に難しく、この計画は立ち消えとなった。
インドにとっては中央アジアからの天然ガス輸入が最も容易で、しかも費用も一番安く済む。トルクメニスタンの天然ガス埋蔵量は１５９兆立方フィートにも達し、世界第１１位の量を誇っている。また、他の中央アジア諸国の天然ガス埋蔵量はウズベキスタン１１０兆立方フィート、カザフスタン８８兆立方フィート、アゼルバイジャン、ウズベキスタン各３５兆立方フィートとされる。
しかし、インドとパキスタンが政治的に対立を続けていることから、パキスタンが中央アジアから送られる天然ガスの受け入れ口役を果たせないままになっている。専門家たちは天然ガスの供給ルートとしてはトルクメニスタン−南アジア、あるいは、イラン−南アジアが経費の面から最も現実的と見ており、今後、インドとパキスタン両国政府はこのことをよく認識し、それぞれの国民の経済向上を優先させるのため、政治的対立を緩和させることになるだろうと見ている。とはいえ、そうした事態がすぐに起きる可能性はない。
【メモ】インドとパキスタンの対立
インドとパキスタンの政治対立状態は、第２次世界大戦終結以降、実に半世紀以上にも及ぶ。その間に起きた大きな軍事衝突は３回にも達している。最大の対立原因はカシミール地方の帰属問題。１９４９年１月の国連仲介によってカシミール停戦ラインが確定され、７１年１２月の第３次印パ戦争後の７２年７月には同停戦ラインを事実上の国境とする「実効支配線」と決めた協定を締結。しかし、同ラインを挟み、砲撃の応酬やイスラム過激派などの越境テロが絶えず、緊張状態は一向に解消されていない。今回の緊張状態が、両国が核・ミサイル開発を進める中で起きているだけに、国際社会はこれまでになく懸念を強めている。米国、英国、ロシアなどによる調停工作の行方が注目される
（転載終わり）
戦争が終わって、復興ビジネスに欧米系資本が参入して、アフガニスタンが食うための富を得る、という如何にも世界覇権国の考えそうな筋書きです。
この結果オーライのグローバリズム正当化論に付いてはまだ書くことが出来ません。
[468] 中央アジア帝国軍ルポ 投稿者：Rss-K 投稿日：2002/07/15(Mon) 19:32:13この田中さんという方は、おもしろい肩書きをお持ちですよね。（転載開始）
『世界週報』２００２．７．２３
【ルポ】
中央アジアの駐留米軍
曖昧になる反テロ基地の性格
定例出張で五カ月ぶりに中央アジアを巡ってきた。そこには、主に米口両国の世界戦略の変更にもみくちゃになりながらも、その変化を何とか上手く利用しようと努力する独立後一〇年の中小国の姿があった。
キルギス共和国大統領顧問
タシケント国立経済大学名誉教授
国立政策研究犬学院大学客員教授
田中 哲二
たなか・てつじ：九四二年生まれ。東京外国語大学卒。日本銀行入行、外国局調査役、国際局参事などを経て九三年にキルギス中央銀行最高顧問。キルギス名誉市民。専門は日本ならびに国際金融論、開発経済論。著書「お金の履歴書」「キルギス大統領顧問日記」など。
中央アジア諸国独立後10年の流れ
昨年秋、中央アジア諸国はソ連邦からの独立一〇周年を祝った。一〇年間比較的平穏に過ごしたということもできるが、こと経済に関する限り、先進国の景気の低迷や一九九八年のロシアの金融危機の影響もあって、所期の成果を上げているとは言い難い。
また、こうした経済的苦境も大きな要因となり、独立以来の長期政権(そのほとんどが旧共産党トップの横すべり)に対する批判が高まっているのが現状である。これに対して、政権側では頻繁な内閣更迭で国会に対する責任問題を切り抜けつつ、大統領の座については概して強権的に長期政権維持の方向に動いている。
例えば、終身大統領制の決定(トルクメニスタン)、「初代大統領法」制定による大統領辞任後の影響力維持(カザフスタン)、大統領任期の五年から七年への延長(ウズベキスタン)、息子への政権委譲工作(アゼルバイジャン)などの動きがそれである。独立直後、最も開明的かつ民主的と評価され、国際機関への早期加盟、西側からの多額の援助の円滑な導入を果たしてきたアカエフ・キルギス大統領でさえも残念ながらこうした傾向から免れることはできていない。
9・11事件以降の米英軍駐留
こうした状況下で、米国同時多発テロ(いわゆる9・11事件）とこれに続く米英軍のアフガン攻撃(一〇月七日)が起こった。アフガニスタンに隣接する中央アジア三カ国のうち、永世中立国(宣言九五年)のトルクメニスタンを除くウズベキスタンとタジキスタン、それに国境は接していないがキルギスには、年末から年が替わる頃には米軍などの駐留が開始された。ウズベキスタンの米英軍への協力によって得られるミクロ的な期待、思惑は、（１）タリバン軍の先頭部隊にいるタシケント政権の転覆を図るウズベキスタン・イスラム運動(IMU)の米英軍による短期壊滅（２）各種の経済的支援、特に数年来関係がギクシャクしていて資金供与の得られない国際通貨基金（IMF)との関係修復の仲介‐の二点が現実的に大きかった模様である。
二月一九日のジュマ・ホッジェフ（ナマンガニー)司令官の空爆死に象徴されるIMUの壊滅に伴い、ウズベキスタンも経済的問題解決への期待度の方が格段に大きくなったといえる。実際、昨年三月にタシケント事務所を事実上閉鎖していたIMFが一一月には調査団を派遣し、二〇〇二年一〜六月の間に履行されるべきスタッフ・モニタード・プログラムを示し、その結果が良好ならば初めての借款もあり得るとの態度を示した。
三〇項目に及ぶ要履行項目の中で最大のものは、これまで何回も失敗している複数為替レートの一本化の問題である。〇二年三月末までに商業銀行レートとcurbレートないしparrarelレート(かつてのブラックマーケットレート)の差を五〇%以内とし、六月末にはこれを二〇%以内に収めるとしていた。現在のところ三月末の条件をクリアできていない上に、六月末のターゲットも二〜三カ月ズレ込むと見られているが、見通しは比較的明るいということであった。
マナス空港の米軍は駐留長期化か
六月一日、キルギス大統領府の高官と一緒にマナス空港と隣接する米軍などの駐留キャンプを見学する機会を得た。
既にキルギス政府は、昨年一二月六日に国会の承認を得て首都ビシケク郊外三〇キロメートルのマナス国際空港(その改修は九〇年代後半に日本の政府開発援助＝ODA＝四六〇〇万ドルで完成済み)の米軍使用と、これに隣接するキャンプ地の設営について正式に協定を結んでいる。
その時点で現地から東京に送られてきた情報は、（１）マナス国際空港の一年間の使用(ただし交渉により延長可)（２）一日の最大航空機着陸四機、一機の着陸料七〇〇〇ドル（３）空港コントロールタワー内に米軍専用室の供与（４）米第八六緊急展開師団を中心に最大駐留要員三〇〇〇人、最大駐機四〇機（５）空港隣接地に専用キャンプを設置(三七エーカー、一〇人用テント三〇〇〜四〇〇張)と周囲三マイルまでの完全治外法権設定というものであった。
つまり、ここで米軍を中心とする西側の正規軍が最低一年間は中央アジアのキルギスに駐在を続けることと、空港の使用目的も例えば後方支援目的や人道支援目的に限定したモノでないことが明らかになっていた。
米軍の広報担当将校(中佐)とキルギス軍の連絡将校に伴われてキャンプ内を見学しながら受けた説明と筆者の目撃では、前述の協定内容がほぼ現実のものになりつつあるという印象を受けた。六月初頭の段階では、駐在人員八カ国で一九〇〇人(うち米軍約一〇〇〇人)、常駐航空機は米空軍F16一二機、フランス空軍ミラージュ六機、空中給油機がフランス軍、オーストラリア軍各一、貨物輸送機はスペイン軍、オランダ軍、デンマーク軍、ノルウェー軍各一ということであった。見学中も迷彩をほどこした米軍の大型貨物機が発着していた。国別の担当としては司令部と航空管制は米軍、航空燃料調達・確保はフランス軍、病院運営は韓国軍ということであった。
さらに、マナス空港域内では星条旗を掲げた米軍の工兵隊が一〇台以上の大型ブルドーザーを使用してエプロンや駐機場の拡張工事を行っており、とてもあと半年で撤収するという感じではなかった。これらの工事はアフガニスタンで昨年一二月にタリバン政権が崩壊し、年が改まってからむしろ活発になったということである。筆者の受けた説明によれば、タジキスタン(クリャブ基地)にはロシア軍が駐在していることと、ウズベキスタン（ハナバード基地)は現地政府の協力姿勢が弱いこと‐時々ハナバードは「後方支援基地」との原則論を持ち出す‐から、勢いマナスキャンプが強化される方向にあるようであったが、時間の経過とともにマナス空港の反テロリズム連合軍基地としての性格がやや曖昧になってきていることは否めない。つまり、国境を接していないアフガニスタン空爆地までは一〇〇〇キロメートル以上もある半面、最も近い中国国境まではわずか二五〇キロメートル程度（F16戦闘機なら一〇数分)という現実があり、それが当初からの狙いであったか否かは定かでないにしても、マナス基地が次第に中国にプレッシャーをかける存在になりつつあることは間違いない。
米軍が国際的な反テロ協調のもとスタートした、アフガンにおけるアルカイダの掃討とウサマ・ビンラディン追及作戦の完了についてなかなか正式に声明を出さず、時間を稼いでいる形になっていることも現地の疑念を強めている。つまりアフガニスタンを巡るテロ勢力が少しでも残存する間は、この中国国境に近いマナスキャンプを維持できる理屈になっているからである。
米軍などの駐留に伴うキルギス市民の受け止め方は比較的平静で反対運動もない。多くの人は「最初はどうなるかと思ったがすっかりなれた」という言い方をしている。アカエフ夫統領がカザフスタン・アルマトイのアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)出席などのため国外出張中ということで、筆者を訪ねてきてくれた大統領の後見役で、外交官でもある文豪チンギス・アイトマトフ氏も、米軍の駐留をどう受け止めているかと尋ねると、あっさり「歴史の必然だから」という言い方をした。キルギスは、さらにカント空軍基地も提供の予定という。
こうした背景には駐留に当たり米軍の慎重な対応があり、当面そのプレゼンスをテロ撲滅作戦に絞ることで、キルギス側と無用の衝突の発生を極力押さえようと努力している点が大きい。兵員の生活も原則的にキャンプ内の自給自足であり、市中に出るときには平服ということにしている。
もっとも、一方で、こうしたキャンプ外活動の自粛のためにキルギス側が当初期待していた米軍などの駐留費支出が期待ほどではないほか、国境地帯におけるイスラム過激派の活動およびアフガン産の麻薬密輸ルートの抑止機能はほとんど果たしておらず、特にアフガン国内の麻薬生産再開の影響もあってキルギス国内を通過する密輸量は一向に減っていないとの見方であった。
変質した上海協力機構
中国、ロシアと中央アジア四カ国によって構成される上海協力機構（SCO）の前身である「上海ファイブ」は、もともと中国と国境を接するロシアおよび旧ソ連圏中央アジア諸国三カ国との国境画定と国境地帯の軍隊の削減を中心とする信頼醸成を目的として結成された。その後、民族的分離主義、宗教的過激主義、国際的テロリズムのいわゆる中国側のいう「三悪」の撲滅が中心テーマとなり、さらに九六年六月ウズベキスタンを加えてSCOに格上げするとともに経済協力問題が次第に大きなテーマとなった。
しかしながら、当初から潜在的かつ本質的に反米国一極主義への対抗的地域組織という性格を持っていた以上、9・11を機にロシアの米国、北大西洋条約機構(NATO)への歴史的な接近と、米軍などの中央アジアヘの駐留実現によってSCOの性格が大きく変化せざるを得ないことは明らかである。この六月七日にロシア・サンクトペテルブルクで開催された通算第八回目の首脳会議では「SCO憲章」を採択したが、反米国一極主義は大幅に後退し、むしろ反テロ協調と経済協力の強化を打ち出すことによりSCOの統一を保っていく方向が比較的鮮明になってきた。
その一つの動きとして、直前の五月二八日には、上海で初めての「SCO経済貿易大臣会議」が開催され、加盟六カ国に自由貿易地域を設立する方針が公表された。また、こうしたSCOの経済協力組織化の傾向を見て、サンクトペテルブルク会議の直後にかつての非同盟諸国の中心国インドが参加の意思表明をしたほか、近隣のモンゴル、トルクメニスタン、パキスタンといった国々の加盟にも現実味が出てきたと見る向きが多い。
SCOとの関連で六月四日にカザフスタンのアルマトイで開催されたCICAについても触れておかねばならない。
既に、中央アジアにおける盟主をウズベキスタンと争う立場にあるカザフスタンのナザルバエフ大統領は九二年一〇月の第四七回国連総会において、全欧安保協力機構(OSCE)のアジア版とでも言うべきCICAの設立を主唱し、これまで準備期間としてきた。正式メンバーは全SCO加盟国を含む一五カ国（アフガニスタン・アゼルバイジャン・中国・エジプト・インド・イラン・イスラエル・カザフスタン・キルギス・モンゴル・パキスタン・ロシア・タジキスタン・トルコ・ウズベキスタン）とパレスチナで、日本、米国、オーストラリアなど一四カ国がオブザーバーである。9・11事件後のSCOの変質は、全SC0加盟国を含めたトータルな安全保障会議としてのCICA第一回首脳会議を開催する絶好の機会を与えたことになる。また、折から緊張の度を高めていたカシミール問題の当事国インドとパキスタンの両首脳がメンバーとして同席することもこの第一回首脳会議の存在感を高めることになり、議長のナザルバエフ大統領は大いに満足感を示した。
今後、特にSCO加盟国は、SCOとCICAの機能の切り分けや距離のとり方にかなり頭を悩ます局面も出てこよう。
（転載終了）
[467] 製造業について 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/15(Mon) 13:28:29 中央日報より(転載はじめ)
「韓中台」企業、日本を猛追
韓国や台湾などのアジア企業が、主要工業品目の世界シェアを着実に伸ばしていくなかで、日本企業の強力なライバルとして浮上していることが分かった。
日本経済新聞が１２日、主要１６品目の２００１年の世界シェアを調査した結果、粗鋼ではポスコ（３．５％）が、ＤＲＡＭでは三星（サムソン）電子（２２％）がそれぞれ１位となった。
特に三星電子は、液晶表示装置（ＬＣＤ）とＤＶＤプレーヤーでもそれぞれ世界５位内に入った。３品目にわたって「世界上位５社」に入った企業は、三星電子を含む、ソニー、シャープ、松下電器の４社。
１９９９年以来３度目の実施となる今回の調査では、多くの日本企業の世界シェアが下がった反面、韓国、中国、台湾企業の順位が大きく上昇した。例えば、品目別「世界上位５社」に含まれた日本企業４０社（重複を含む）のうち、２６社のシェアが前年に比べ下がっている。
また、ＤＶＤプレーヤーなどの電子製品でも、中国企業が６〜１０位入りを果たして上位の日本企業を猛追しており、来年以降はかなりの順位変動が予想される。
東京＝南潤昊（ナム・ユンホ）特派員
2002.07.12 17:52
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0712/20020712175257300.html
[466] 中曽根発言 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/15(Mon) 13:27:33 グローバリストの手先代表のねらいはいかに？(転載はじめ)
「ＡＳＥＡＮ＋韓・日・中の経済機構設立を」中曽根元日本首相
中央（チュンアン）日報創立者、維民・洪ジン基（ユミン、ホン・ジンギ）会長の１６周忌を迎え、中央日報・維民文化財団が主催した「維民記念講演会」が１２日、ソウル・プレスセンター国際会議場で行われた。
洪錫��（ホン・ソクヒョン）中央日報会長と姜英勳（カン・ヨンフン）元首相、趙錫來（チョ・ソクレ）暁星（ヒョソン）グループ会長など３００余人が参加した講演会には、日本の中曽根康弘元首相が招請され「日本の現状と東アジア経済協力の将来」をテーマに講演した。
中曽根元首相は「欧州と米国に経済ブロックがあるように、アジアにも共同体が必要だ」とし、「ＡＳＥＡＮと韓国、日本、中国の３国を１つの経済圏にする東アジア経済協力機構設立が急務」と主張した。
さらに、問題になっている日本の有事法制と関連、「日本の軍事力で国際社会に貢献するために法改正はやむを得ない」と前提した後、「日本は敏感な周辺国のため、透明性を保障しなければならない」と強調した。
朴素ヨン（パク・ソヨン）記者 < olive@joongang.co.kr >
2002.07.12 21:14
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/html/2002/0712/20020712211413300.html
[465] 韓国から見た日本経済２ 投稿者：岐丸 投稿日：2002/07/15(Mon) 13:13:22 久々の投稿になります。(転載はじめ)
【日本経済特集】６．１０年不況で中小企業の倒産相次ぐ
ディーゼルエンジンとプラント技術で名高い新潟鉄工所は、好況に沸いた１９９２年、１８０５億円の売り上げを記録した。
以後、バブルがはじけ、景気低迷が長期化したことで、売り上げは減少していった。２０００年の売り上げは１１４５億円へと大幅に下落、赤字が膨らんだ。不採算事業を打ち切り、負債（２２７０億円）を減らすため必死に努力したが、結局昨年１１月に倒産した。
９１年の歴史とその技術力が水泡に帰した。その余波で、７００社余りの中小の関連会社が経営危機を迎えた。
◇１００年以上になる１４社も破たん
昨年、日本では、１日平均５６社の企業が破たんした。それも、相当数が歴史のある企業だ。
１０年以上に及んだ不況に耐えられず、「過去最大」「戦後最悪」などの記録を更新している。設立１００年以上になる１４社が昨年看板を下ろした。
日本の中小企業の代名詞ともいえる「町工場」はさらに深刻だ。経営不振に陥っているうえ、人員確保もままならず、資金繰りも悪化しているためだ。
◇７カ月・１０カ月物の手形も
手形は日本と韓国のみにある独特の決済方式。韓国でも、ときおり数カ月単位の手形が問題になることもある。
ところが最近の日本では、ひどいものでは７カ月、１０カ月物の手形も発行される。２１０日物は「台風手形」と呼ばれ、３１０日物は、気をもみながら子供の出産を待つようなものであるため、「出産手形」と呼ばれる。昨年１１月、ダイエー信用組合と東京富士信用組合が倒産し、状況がさらに深刻化した。
自ら廃業したり、休業、転業する企業も増えている。その数も、２０００年の３４件から昨年は４８２件に増えた（帝国データバンク生産団地組合対象の調査）。
「５人未満の従業員で、世界的技術を持った中小企業が多い。不況が長期化し、従業員は老いていくのに、人材確保と経営が難しくなっていることから、自己破産、整理するケースが増えている」（真田幸光淑徳大学教授）。
◇大手企業は中国に
大手企業との確固としていた協業・下請け関係にもひびが入った。大手企業が中国シフトを鮮明にしていることで、あらわになっている現象だ。人件費負担の大きい日本の中小企業としては、安価な中国製品が押し寄せ「価格破壊」現象が現れても、これといった手を尽くせていない。
日本の中小企業は現在、四面楚歌の状態だ。これは、好況の時、前もって産業構造を改造できなかったことによる対価だという指摘だ。
「１９８９年から１９９２年のバブル当時、人材が不足した時、石炭などいわゆる『衰退産業』への補助金を減らし、倒産させ、新産業に投資すべきだった。当時は、倒産させても衝撃がほとんどなかったが、現在は大量の失業が生じるため容易ではない問題だ」（小林良彰慶応大学教授）。
結局、解決策は、企業が率先して変わることによって見いださなければならない。また、不良債権を清算し、金融システムを数段階レベルアップさせなければならないのだ。
2002.07.12 12:08
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=spc&cont=spc0&aid=20020712120823900
(転載はじめ)
【日本経済特集】５．製造業に揺らぎなし
世界的なカメラメーカー「キャノン」の工場には、ベルトコンベアがない。ベルトコンベアの前に立ち、任された作業だけを行ってきた方式が、１９９８年に大きく変わった。いわゆるセル（Ｃｅｌｌ）方式になったのだ。５人１組となって様々な工程を担当し、責任を持って製品を作る。
作業空間は５４万平方メートル減り、工場を５〜６つ新設するという効果も生まれた。部品や製品の在庫も減った。工場運転費用を３分の１に減らすなど、昨年までの４年間で１２００億円の費用を節減した。
「製造業超大国」日本のプライドは今も変わらない。
「企業の倒産が増えたが、いくつかの銀行と証券会社、小売り、建設業がそうであって、製造業は健在だ」。日本の対米輸出は輸入の２倍近くで、世界１位の貿易黒字と外貨準備高も、すべて製造業のおかげだ。特許権の数や研究開発投資は、不動のトップを占める。
「ホンダのエンジン技術、ソニーのマイクロ技術、キャノンの光電子技術、京セラのニューセラミック技術は、他国の追従を許さない、中核技術だ」（牧野昇三菱総合研究所特別顧問）。こうした企業を含む３０の優良企業が、日本の年間輸出総額５１兆円のうち半分を占める。
大型製造企業のみに競争力があるわけではない。小さいが強い日本企業が数多くある。
だが、過去の製造業神話に頼っていてはいけないという警戒論もある。
「８０年代から少しずつ現れた産業競争力の問題点が、９０年代に入って一気に現れた。自動車を除く他産業の問題点が露出した」(竹中平蔵経済財政担当相）。
４月初め、三星（サムソン）電子の時価総額がソニーを抜いた時、静かな波紋が生じた。「三星ショック」と呼ばれ、三星電子の成長は脅威だと叫ばれた。それでも、いまだ韓国が先を行くか、首位を争えるのは、企業でいえば三星電子、ポスコ、現代（ヒョンデ）重工業くらいで、産業でいえば、ＤＲＡＭ、造船、鉄鋼くらいだ。
日本は今、新たな産業に力を入れている。いわゆる「Ｔ産業」を政府が主導し、産学共同で開発を行っている。ゲノム（全遺伝情報）は、米国に遅れをとった点を認める。だが、生命工学（ＢＴ）、ナノテク（ＮＴ）、燃料電池、環境（廃棄物処理）、交通統制システム分野は、すでに芽生えている。
「良くなればすべては隠れ去り、下り坂ではなかった問題も出てくる」という言葉があるように、今日も日本は、製造業を通じ経済回生に期待をかけている。
特別取材チーム < jeri@joongang.co.kr >
2002.07.11 15:29
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=spc&cont=spc0&aid=20020711152922900
(転載はじめ)
【日本経済特集】４．日本経済の重荷「３流金融」
大蔵省財務官時代「ミスター円」と呼ばれた榊原英資慶応大学教授は、昨年秋、ソウルで姜正元（カン・ジョンウォン）ソウル銀行頭取に会い、ソウル銀行の改革・経営状況を聞いて「うらやましい」と語った。
銀行にメスを入れるため４０代の頭取を外部から招き入れるのは、日本では考えられないほど難しく、ソウル銀行のような「変化の速度」は期待できないからだった。
先月１日、資産規模（１４５兆円）で世界最大のみずほ銀行がスタートした。第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の３行が合併したが、初日は電算システムが故障を起こした。公共料金自動振替未処理２５０万件、クレジットカード(代金の二重決済３万件、送金エラー５０００件、無通帳入金遅延３０００件...。
２年８カ月間も統合を準備しながら、３行出身者の主導権争いのため電算システムを統合できず、単に中継コンピューターを連結したため、過剰な負荷がかかったのである。この時、不良債権問題が深刻な状況にあっても開かれなかった国会聴聞会までが開かれた。
落後した日本金融の現状を示す事例はこれ以外にも多い。
「日本金融は３流、いや４流だ」
「日本の金融は韓国のように国際通貨基金（ＩＭＦ）管理体制を一度経験しないと変わらない」。
一流を自任する日本企業も金融産業においては舌を打つ。融資を受けに来た顧客に渋い表情で対応するという意味の「貸し渉り」が依然続いていると、特に中小企業が不満を表している。
日本の銀行も自ら構造調整、合併を進めている。しかし規模を大きくすることに気を取られ、人や文化に大きな変化はない。合併を通じて巨大銀行が誕生しても、その中で仕事をする人は過去５０年間続けてきた方法をそのまま踏襲する。
ソフトが変わらないのだ。このため「巨大銀行は対外用」という言葉まで出ている。電算化を強調しながらも、多くの業務が人手で行われている。
韓国では口座を新規開設すると、すぐにキャッシュカードを受け取る。しかし日本では受け取るまでに１週間もかかる。「本人確認」という過去の大蔵省の規制が残っており、銀行が雇用を維持するために子会社・孫会社として抱えるカード会社の経営効率が落ちるためだ。日本の銀行文化にうんざりした有能な人材は外資系銀行に移っている。
「一流銀行」への変身を妨げている最大の障害は不良債権だ。これを解決できない理由は、政界・官僚・業界がお互い絡まっているからだ。日本の金融はこのように経済の障害となっている。
2002.07.10 13:36
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=spc&cont=spc0&aid=20020710133651900
(転載はじめ)
【日本経済特集】３．「親分」がいない
昨年４月、小泉首相が当選した当時、彼は「変化を望む日本の熱望を最もよく読んだ政治家」という評価を受けていた。
選挙期間中、小泉ブームも大変なものがあり、小泉Ｔシャツ、アクセサリーなどが飛ぶように売れたりもした。小泉首相は「ぼくは『変人』です」を選挙スローガンに掲げ、「変化」を望む有権者に食い込んだ。
しかし１年経った今、小泉改革に対する評価は厳しい。「自身の写真集を出したのと、息子を芸能界にデビューさせたこと以外にやったことがない」。（六本木から品川に向かうタクシー運転手）
「小泉首相の行政改革は１９９６年末、橋本内閣時代にすでに出たものだ。新しいものがない上、推進力もない」。(石井紘基衆議院議員）
一言でいうと、小泉首相は「日本改革」のカギとなる政治、行政、財政改革を推進できる「強力なリーダー」ではないということだ。取材チームが出会った多くの日本人は「日本には現在『親分』がいない」と話した。
しかし日本の政治、行政、財政改革が遅々として進まない理由は、小泉首相のせいだけではない。
「小泉首相の言うことを聞かない長官が多い。そのような長官らは人事権を行使し首にすればいいのに、小泉首相は『歴代首相のうち最も多くの説得を行っていながら、人事権は最も行使しない首相』との話を聞いている」。(太田誠一衆議院議員）
「変化」の風に乗って首相となったものの、派閥、組織、資金で固まっている日本の政治構造下で小泉首相に力はない。
より大きな問題は官僚集団の抵抗だ。昨年１月６日、日本は明治維新と戦後マッカーサー司令部による改革以来、最大規模の政府組織再編を断行した。
２２の省庁を１２省庁に減らし、内閣部を新設、首相の権限を強化し、約１０００社もの公企業（特殊法人、公益法人）に対し、大々的にメスを入れはじめた。公務員数も１０年間２５％削減することにした。
歴代政権がともに「小さい政府」を公約に掲げたにもかかわらず、政府組織が大きくなる一方だった我々の立場から見ると大した行政改革だ。しかし中味を見ると、日本の行政改革はやはり形だけにとどまっている。
省庁間統合過程で互いの「縄ばり」と既得権益を放棄しなかったため、郵政省、自治省、総務庁、公正取引委員会などが一緒になった総務省の英文表記は「Ｍｉｎｉｓｔｒｙ ｏｆ Ｐｕｂｌｉｃ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ，Ｈｏｍｅ Ａｆｆａｉｒｓ，Ｐｏｓｔｓ ａｎｄ Ｔｅｌｅｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ」になった。表面的に数字を減らすため１つになっただけで、従来の機能、人員は同じだということだ。
内閣制下で派閥、組織、資金でしっかり固まった政治構造、最も強力な権限を持ち民間の上に君臨しながら資源を配分してきた官僚集団、そのような体制の中で放漫な公企業経営のため拡大するばかりの財政赤字−。
この３つが歯車のように１度がっちりとかみ合ってしまうとどれほどそこから抜け出しにくいのか、日本の現状は物語っている。
「強力なリーダーさえ出てくれれば、我々はついていく」とする多くの日本人らの話は、単に聞き流してはならない。
2002.07.08 21:44
(転載終わり)
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=spc&cont=spc0&aid=20020708214443900
[464] 父親は江主席と学友 チャオ次期米労働長官 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 22:23:05世界日報（2000年1月17日）より関連記事を転載します。
内容から察するにどうやら、私が読んだ中国紙と、元ネタが同じのようですね。
（転載開始）
父親は江主席と学友 チャオ次期米労働長官
中国政府幹部と深いパイプ中台対話促進の”逸材”に 香港紙「星島日報」（十五日付）によると、ブッシュ米次期大統領が労働長官に指名した台湾生まれのエラン・チャオ（趙小蘭）元運輸副長官（47）について、父親・趙錫成氏が江沢民・中国国家主席と上海交通大学時代の級友で、エラン・チャオ氏自身も李嵐清副首相と親交が篤く、江主席や朱鎔基首相が訪米した際、夫婦で接見した経験を持つ中国事情通であることが明らかになった。 チャオ氏はこれまで「中台対話に貢献したい」と冗談交じりで発言したことがあるが、実際は、ここ数年で三度の訪中経験があり、趙錫成氏は北京訪問時に江主席と接見したこともあり、中国上層部とのパイプが深い。 チャオ次期労働長官は一九八四年、李嵐清天津市副市長（当時）が訪米した際、ホワイトハウス参観をスムーズに行えるように手配して李氏に強烈な印象を焼き付け、後にチャオ氏が訪中した際、親交を深めたという。 チャオ次期労働長官の家族は台湾駐米代表らとも親交が篤く、今後の中台関係を米国政府の立場から促進させる人脈や力量を持つ逸材であることに注目が集まっている。（香港・深川耕治）
（転載終了）
[463] 共和党保守層へ中国資金 米中立系誌疑惑を指摘 労働長官らグループ 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 21:58:20先ほど、よしぞうさんという方が産経の記事を貼り付けてくださっていたのですが、いつの間にか削除されてしまっていましたので（どうされたのでしょうか？）、私が保存しておいた記事を、とりあえず、再度貼り付けておきます。
[2001年05月08日 東京朝刊]
（転載開始）
共和党保守層へ中国資金 米中立系誌疑惑を指摘 労働長官らグループ
【ワシントン７日＝前田徹】米中軍用機接触事件、台湾への武器売却で強い対応を示した米国の対中政策がクロー ズアップされる中、本来、対中強硬派とされてきた共和党保守グループが実は資金援助などを通じて中国政府の強い 影響下にあるというショッキングな指摘がなされている。ブッシュ政権の労働長官となった中国系米人女性がこの「チャイナ・コネクション」のかなめにあり、米保守層にまで浸透する中国の影響力に改めて驚きの声がでている。
共和党保守層の親中国派について指摘したのは中立系雑誌「ニュー・リパブリック」に掲載されたジョン・ジュディス氏の「汚辱のヘリテージ」という長文の調査報道だ。同氏は綿密なデータを提示しながら、イレーン・チャオ（趙小蘭）労働長官▽その夫でケンタッキー選出の上院議員、ミッチ・マコーネル氏▽チャオ労働長官を送り出した有力保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」−の三者が三つどもえで共和党の政策を中国寄りへと導いていると述べている。
特に物議を醸したのはレーガン時代にあれほど対中強硬論を唱え、台湾との同盟を主張してきた「ヘリテージ財団」が「一九九六年に香港事務所を開いた時点から中国ビジネス重視へと変化している」と指摘している点だ。ジュディス氏によれば、冷戦後、同財団はアジアに資金源を求めるようになり、それが香港事務所を通じた中国資金の流入だったという。
チャオ長官の父親は中国の江沢民主席と上海交通大学の同窓であり、チャオ父娘は戦後、台湾へ逃れ、さらに米国に帰化した。しかし、その後の中国貿易を通じて父娘とも江主席や朱鎔基首相と接触を重ねており、二人がヘリテージ財団への資金パイプ役を果たしたとみられている。
一方、マコーネル上院議員についても、選挙資金をチャオ長官に紹介された中国系企業から受けている疑惑が指摘されている。
こうした共和党保守派における「チャイナ・コネクション」の存在について「ヘリテージ財団」、チャオ長官とも強く否定し、さらに米偵察機事件で米中関係が緊張している最中に疑惑が暴露されたため、米議会や主要マスコミは現政権への悪影響を心配して沈黙しているのが現状だ。
しかし、雑誌「ナショナル・レビュー」は最近、「中国屋たちに気を付けろ」という記事を掲載、その中で「東洋型の汚職が米国の政界中枢にまで及んだ」と警告しているほか、マコーネル議員出身のケンタッキー州の地元紙が疑惑を詳細に報じるなど徐々に波紋を広げている。
（転載終了）
[462] The decline of principled conservative hostility to China 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 19:42:38よしぞうさん、はじめまして。
私もこの記事を以前読みましたが、忘れておりました・・。
元々は、産経新聞の報道だったんですね。
>「ニュー・リパブリック」に掲載されたジョン・ジュディス氏の「汚辱のヘリテージ」という長文の調査報道
というのは、恐らく、この記事のことではないでしょうか。
以下、The New Republicから記事を一気に転載いたします。
（転載開始）
The decline of principled conservative hostility to China.
Sullied Heritage
By John B. Judis
Issue Date: 04.23.01
Post Date: 04.12.01
[Ed. note: This article has been corrected.]
China forces down a U.S. plane, loots its precious cargo, detains its crew, and demands an American apology--it was the moment the conservative movement should have been waiting for. For a decade now the American right has fumbled about in search of moral clarity in the post-Soviet world. And there it was-a totalitarian, expansionist China humiliating America and trying to prevent it from protecting the vulnerable democracy of Taiwan. Beijing's response to the EP-3's emergency landing on Hainan Island should have been a conservative parable and a reminder that the conservative crusade against communism-perhaps the movement's finest achievement-is still relevant after all.
But the American right did not make the EP-3 the symbol of a new crusade. Though some conservative institutions waved their fists, others called for restraint or said little at all. And that's because powerful forces within the conservative movement no longer see China as a moral enemy; they see it as an economic opportunity. China, unlike the Soviet Union, has opened itself to American corporate investment, and the lure of the Chinese market has eroded the right's appetite for moral combat.
In the story of Secretary of Labor Elaine Chao; her husband, Republican Senator Mitch McConnell; and the Heritage Foundation, the most powerful think tank in Washington, you can see the outlines of how it occurred. Their shift toward accommodation with Beijing has happened quietly, with care to make sure connections between money and ideology are virtually impossible to trace. In the most startling act of evasion, Elaine Chao appears to have failed to disclose her service on the board of a company with close ties to the Chinese government, something she was legally required to do upon taking office as labor secretary. Like the crash landing of the EP-3, the story of Chao, McConnell, and Heritage serves as a parable-not of the arrogance of totalitarian China but of the moral corruption of the movement that should be its most formidable foe.
I. Chao and Heritage
In 1973 two young right-wing congressional staffers, Ed Feulner and Paul Weyrich, founded the Heritage Foundation in an effort to revive a conservative movement that had flagged during Richard Nixon's presidency. While the foundation's initial focus was domestic, it supported the conservative movement's historic foreign policy agenda, which included adamant opposition to Communist China and support for Taiwan. Sharply critical of Ronald Reagan's "tilt" toward the People's Republic and away from Taiwan, a Heritage position paper in 1982 asked: "[S]hould a free nation under any but the most compelling circumstances establish a policy of seeking close relations with a regime whose policies are anathema to free men?... [E]ven in the cynical world of realpolitik, does not the abandonment of an old friend and ally ... constitute the crossing of a fundamental moral line which would be morally reprehensible for the greatest free nation in the world?"
That same year, Heritage hired Richard V. Allen, who had recently resigned as Reagan's national security adviser. Allen established Heritage's Asian Studies Center, whose advisory council he chaired and for which he and Feulner, Heritage's president, raised money through their contacts in South Korea, Taiwan, and Japan. According to official Heritage historian Lee Edwards, Allen and Feulner raised more than $13 million in Asia over the next decade and a half, placing the funds in a separate endowment for the center. Money and ideology coincided nicely: The Taiwanese and South Korean businessmen whom Allen and Feulner hit up for donations supported Heritage in large part because they shared its fervent anti-communism. They rightly saw Heritage as a bulwark against the Henry Kissingers and Alexander Haigs of the Republican Party who-well before Bill Clinton ever uttered the term-saw China as a "strategic partner."
But in the early '90s money and ideology began to diverge. To overcome its isolation after the Tiananmen Square massacre of June 1989, China opened its doors, first to Taiwanese and other Asian businesses and shortly thereafter to American ones as well. Soon many Heritage corporate donors had a stake in the Chinese market-and no longer wanted the foundation to antagonize the Chinese government. One of Heritage's main funders, for instance, had been the Starr Foundation, established by the American International Group, an insurance giant, and run by AIG's chairman, Maurice "Hank" Greenberg. Since the 1980s, the foundation-founded by C.V. Starr, whose ties to Chiang Kai-shek's Kuomintang (KMT) go back to the 1930s-had contributed $100,000 or more per year to Heritage. But in the 1990s Greenberg, aided by Kissinger, saw a chance for his firm to become the first major Western insurance company to enter the Chinese market. As business opportunities opened up, he grew increasingly uncomfortable with Heritage's hard-line stance toward Beijing. Heritage also found itself under pressure within Taiwan and Hong Kong, where once-hawkish officials and businessmen began to support most-favored-nation (MFN) status for China as a means of protecting their own investments there. Heritage tried to square the circle by coming out in favor of MFN while remaining highly critical of China's foreign and military policy. It began to embrace the vision of a capitalist "greater China"-a free-market People's Republic with benign hegemony over its neighbors-promoted by Hong Kong's and Taiwan's business leaders as well as by anxious American investors.
ut by the mid-'90s the strain of contradiction was beginning to show. Perhaps the key moment came in the spring of 1996. As a vote on renewing MFN neared, news sources revealed that China had sold nuclear technology to Pakistan. And, that March, Beijing's leaders, angered by Taiwanese President Lee Teng-hui's visit to the United States, massed troops along the Taiwan Strait and fired missiles within 30 miles of Taiwan's shoreline. In response, Pat Buchanan, running in the Republican primary, called for Republicans to oppose MFN. Even Heritage's unofficial presidential choice, Bob Dole, hinted he might oppose it, as did a growing number of congressional conservatives. Given its ideological legacy, Heritage might have been expected to join the chorus denouncing Beijing and to have advocated, at a minimum, attaching conditions to the renewal of MFN. But Heritage, under financial pressure that year from trying to compete with Republican presidential candidates for contributions, did exactly the opposite.
On March 26, three days after Taiwanese voters defied Chinese missiles and reelected Lee, Feulner blasted MFN's foes in a Washington Times editorial. "The only beneficiaries [of ending MFN] would be trade officials at the Ministry of International Trade and Industry (MITI) in Tokyo and at the European Union headquarters in Brussels," he wrote. Feulner invited former National Security Adviser Brent Scowcroft, who had formed a company to advise American businesses in China, to hold briefings for wavering conservatives at the foundation. And he recruited former Commerce Secretary Barbara Franklin as a visiting fellow. Franklin-who, like Scowcroft, advises American companies operating in China and serves on the advisory board of the pro-Beijing U.S.-China Policy Foundation-could not have been more in tune with Heritage's corporate contributors. In a pro-MFN speech at the foundation in June 1996, Franklin declared that "China today is not a police state like Stalin's Russia; nor is there the indiscriminate violence and intolerance of the Cultural Revolution.... Besides the greater economic freedoms in China today, there is greater mobility, the beginnings of better job opportunities, greater tolerance for and interest in education, and greater freedom of discussion." She blamed the Clinton administration for provoking the "flap" over Taiwan.
And Heritage hired another distinguished fellow that summer as well: Elaine Chao, a former official in the Transportation Department, Peace Corps director, and president of the United Way. According to Heritage Vice President Herb Berkowitz, Chao's initial charge was to contribute to the foundation's positions on philanthropy and civil society. But in soliciting funds for candidates and running the United Way, Chao had acquired a reputation as a terrific fund-raiser. She had important and unusual fund-raising connections, not only in the United States but in Asia as well, which Heritage would soon seek to exploit.
Those fund-raising connections began with Chao's family and her family's business. The business was shipping. Chao's parents were born in Shanghai, where her father, James Chao, attended Chiao Tung University with Jiang Zemin before going to work for C.Y. Tung's Maritime Trust, a Shanghai shipping company that moved to Taiwan after the Communists seized power in 1949. James Chao's mother was a member of the Hsu (pronounced "shoe") family that would later operate a shipping empire from Hong Kong. James Chao and his future wife departed the mainland in 1949, along with the Hsu family, and Elaine Chao was born in Taiwan in 1953.
In 1958 James Chao emigrated to the United States, and three years later his family followed. Already a shipping executive, in 1964 Chao founded his own company, the Foremost Maritime Corporation, which would become the North American agent for the Hsu shipping fleet and would also operate and charter bulk carriers of its own. Initially, Foremost did much of its shipping business to and from Taiwan. But in 1988, when Taiwan native Lee Teng-hui was elected chairman of the KMT, mainland transplants like Chao lost business to indigenous ethnic Taiwanese. They "lost out in Taiwan," one veteran Taiwanese reporter explains, "because there was this anti-Mandarin, anti-Chinese-mainland feeling." Chao, the reporter said, moved the center of his Asian operations to Hong Kong, where he would eventually start a subsidiary. At the same time, he renewed his ties to the mainland and to Jiang. He contracted to build two ships with China's state-owned shipyard in Shanghai, where Jiang was then party secretary. And he began visiting Jiang regularly-even meeting with him and the head of China Shipbuilding in August 1989, three months after the Tiananmen Square massacre, when most American businessmen were steering clear of China's leadership.
Not surprisingly, given her background and her family's business interests, Elaine Chao was seen within Heritage as a proponent of "greater China." While sensitive to Taiwan's and Hong Kong's fate, she accepted the prospect of "one China" under the hegemony of the People's Republic. In 1997 she joined the accommodationist National Committee on United States-China Relations, to which Franklin also belonged. Stephen Yates, who worked under Chao at the Asian Studies Center, said Chao "believed in having an engagement policy with China.... She always was making sure that we were taking seriously a policy of engagement, that we were not closing off options on influencing China."
n 1996, the same year Heritage named Chao a fellow, it established an office in Hong Kong. The office didn't organize conferences or put out papers; many journalists in Hong Kong didn't even know it existed. Says one veteran Hong Kong editor, "They are invisible here. I don't know what they are doing." One Heritage staffer who, like others, requested anonymity out of fear of being fired, described it as a "fa軋de" for fund-raising. Berkowitz says that Ken Sheffer, who staffed the office, didn't raise funds himself, but he acknowledges that Sheffer served as an "advance man" for Feulner during the latter's trips to the region, which involved fund-raising.
Chao's appointment and the opening of the Hong Kong office would make Heritage's Asian Studies Center a controversial and tumultuous place. In the summer of 1997 a former Hong Kong banker told me about Chao. He said she came from a wealthy shipping family close to the pro-Beijing Hong Kong business elite and that her family contributed money to McConnell. His source, he told me, was Richard Allen. I called Allen, and he wouldn't talk about Chao, but, near the end of that year, Allen left Heritage. A mutual acquaintance of Feulner and Allen says the two men had a "huge and secret fight." Berkowitz, after consulting with Feulner, denies that. "We just think he decided enough was enough," Berkowitz says of Allen's departure. But another person who knows Allen says, "I gather it wasn't pretty. He alluded to it once or twice with me. My impression is that Dick [Allen] is hard-line on China and became quite concerned what they were up to." Allen continues to refuse to be interviewed on the record, but a source familiar with his situation says the conflict between him and Feulner concerned not specific political positions but whether the foundation's Asian operations were crossing the line between business and policy.
Even before Allen's departure, Chao had transferred her attention from civil society to Asia. In July 1997 she led a delegation of Heritage's major donors and trustees to the Hong Kong reunification ceremony. Then, on April 1, 1998, Chao was officially appointed to replace Allen. Chao brought no particular expertise in foreign policy to the job, and over the next 20 months she would not publish any papers or memoranda on Asia. Quips one Heritage fellow, "She wasn't hands-on, except for fund-raising."
Chao's appointment coincided with the elevation of an Allen prot馮・ Richard Fisher, to be director of the Asian Studies Center. Fisher, who had first come to Heritage in 1983, was an expert on the Chinese military and over the years had repeatedly warned that China was trying to intimidate Taiwan militarily and replace the United States as the reigning power in Asia. Several months after Fisher was promoted, however, he was summarily dismissed. According to people who worked with Fisher on China policy, his dismissal came approximately two weeks after he first briefed Chao. Fisher was given a severance package on the condition that he not disclose the circumstances of his dismissal.
A dozen foundation critics familiar with Heritage and Fisher, as well as both a current and a former Heritage official, told me that while personality factors may have figured in Fisher's dismissal, he would not have been fired had he not been so aggressive in propounding his hawkish views on the Chinese military. A Heritage official and fellow did insist Fisher was fired solely because of a personality conflict and that Chao had nothing to do with it. But one of them subsequently contradicted that line in a conversation with another of my sources, telling the source (who has no vested interest in the matter) that Fisher was dismissed because of his outspoken views on China and that Chao had a hand in his firing.
nd, indeed, Heritage's policy offerings on China have grown decidedly softer over the past few years. Some of its staff still share the traditional conservative hard line toward the People's Republic, but they don't espouse it as aggressively as Fisher did. And, while the foundation still invites China hawks to appear at its forums and still publishes reports critical of the Chinese military, these relatively low-profile statements are undercut or overshadowed by its more publicized activities. The foundation has continued to stage major lectures by Beijing sympathizers like Franklin. At one such event last year, Franklin said, "It must be noted that the United States has a plethora of issues and concerns regarding China. We must deal with these issues wisely but we must not allow them to hold back progress on trade and commerce." In Hong Kong, Heritage has cast its lot with chief executive C.H. Tung-handpicked by a committee appointed by Beijing-rather than with democratic opposition leader Martin Lee. When Feulner has visited Hong Kong, a local journalist reports, he has sought out Tung but not Lee. When Tung visited Washington in 1997 and 1999, Heritage feted him. At the September 1997 invitation-only banquet, it excluded the Hong Kong press.
During the debate last spring over granting China permanent normal trading relations (the new name for MFN), Heritage's China tensions bubbled over again. In March, Yates published a paper suggesting that conservatives hold up passage of PNTR until Congress considered other measures-including "a more comprehensive approach to promoting freedom in China" and passage of Senator Jesse Helms's Taiwan Security Enhancement Act, which committed the United States to sending arms for Taiwan's self-defense. As first revealed in The Washington Post, Greenberg, the AIG chairman and big Heritage donor, protested vociferously to Feulner; shortly thereafter Yates joined with Larry Wortzel, who replaced Fisher, to produce a new memorandum titled "How Trade With China Benefits Americans." Berkowitz claims there is no difference between the two memoranda. Yates says Greenberg's protest was based on a "misunderstanding." But conspicuously missing from the second document were Yates's hard-line conditions, including support for Helms's bill. The first paper was an unfiltered expression of the older Heritage view of China and Taiwan; the second represented the new, softer line.
That fall, Heritage did a similar turnaround on a proposal by Senator Fred Thompson to penalize China if it sold strategic weapons abroad. Heritage had earlier encouraged Thompson, who had presented the proposal in a speech at the foundation on March 17. But in September, when Thompson's proposal came up as an amendment to the PNTR bill, the foundation, according to a staff member, let Senate conservatives know it no longer cared about the proposal. "There was some expectation that we would back him. But we backed off," said a Heritage staffer familiar with the issue.
About this time, a group of conservative China critics already concerned about Fisher's firing and Greenberg's intervention attended a meeting at which a visiting Chinese national spoke. The visitor, who will have to remain nameless, told of the personal relationship between Chao's father and Jiang Zemin and said that Elaine Chao was being paid $200,000 per year to raise money for the Heritage Foundation. One former Reagan administration official who is a regular at Heritage forums on Asia and was present at the meeting said, "I was shocked when I heard that. I was told we were very proud of our new advisory commission chair. All of us were led to believe she had no direct connection to China."
By this spring, after President Bush nominated Chao to be his secretary of labor, stories about Chao, her father, and Heritage had begun surfacing on WorldNetDaily.com and were being recirculated on other right-wing websites. Feulner blew up, blaming Fisher. Heritage sent him a letter reminding him of his legal obligations under the disclosure agreement. (To my knowledge, Fisher has kept his agreement. I called him for an interview at his home and his office, and he never returned my calls.) When a Washington foreign policy expert raised questions about Chao's nomination at a meeting of lobbyist Grover Norquist's Wednesday Group, an angry Feulner telephoned him immediately afterward.
Feulner and other Heritage officials continue to insist the foundation's basic position on China and Taiwan has not changed. But conservatives who follow China are skeptical. Said one target of Feulner's wrath, "When Ed came after me, he said, 'We've done umpteen papers on China and had so and so many briefings, we're still on the case, and nothing has changed.' It may or may not be true, but the bottom line is that there is little question they are not speaking to the threat that China represents in the way they used to and in the way that would discomfit the Chinese." And Republican staffers on the foreign policy committees on Capitol Hill-a key constituency for Heritage's position papers-worry that Heritage has gone soft on China. Says one of them, "Once it became apparent to me that their donors had pressure over what their analysts were saying, I decided it was not worth my while to read their stuff." In Asia, Heritage is also seen as waffling on its earlier opposition to Communist China and support for Taiwan. Says Mark Simon, director of corporate accounts for the Apple Daily, Hong Kong's second-largest Chinese-language newspaper, "When Heritage comes through, we get the feeling that the conversation about China is not the conversation that the American conservatives used to have. This group has changed. I support the Heritage Foundation. But there is a strong feeling that China money is getting inside this organization."
II. Chao and McConnell
After winning election to the Senate in 1984, Kentucky's Mitch McConnell quickly gravitated to the Republican Party's right wing, particularly on foreign policy. On the Foreign Relations Committee, where he gained a seat, he generally sided with archconservative Jesse Helms, who was then jousting for power with the more moderate Richard Lugar. In 1985 McConnell was one of eight Republicans to sign an incendiary letter from Helms demanding that the Reagan administration stop appointing moderates to key foreign policy positions.
Although he sat on the East Asia subcommittee, McConnell displayed no particular interest in China, never mentioning China on the Senate floor until June 1989. Former University of Louisville political scientist Landis Jones, who knew McConnell and headed the Louisville Committee on Foreign Relations during the 1980s, doesn't recall the senator saying anything about China. But when McConnell did finally take a position on China, it resembled, not surprisingly, that of Helms. He told students at the University of Louisville in June 1989 that "we'll never forget the sight of those young people without arms up against tanks and machine guns." That December, after the press revealed that George Bush had secretly sent Brent Scowcroft and Lawrence Eagleburger to China, McConnell was the only Republican senator to criticize the mission.
But, over the following decade, McConnell's views on China would veer sharply away from those of Helms and other Senate conservatives. And campaign contributions seem to have played a decisive role. As the head of one K Street business group puts it, "When [McConnell] does take some interest in foreign policy issues, that is not out of some ideological devotion; I would look for some other reason."
McConnell's relentless search for campaign contributions began right after his election in 1984, when, despite Reagan's easy victory in Kentucky, he won by a mere 5,269 votes. As a first-term senator, McConnell lacked the fund-raising clout that comes from chairing a committee that oversees major business legislation. His main sources of bundled funds were Kentucky's tobacco companies, whose interests he defended on the Agriculture Committee, and the pro-Israel lobby, which he championed on the Foreign Relations Committee. But in June 1989 Elaine Chao offered him a new, and unlikely, financial source.
Chao had first met McConnell in 1987, when she served on the Federal Maritime Commission. But she later told The Washington Post that they did not become a couple until after she became Peace Corps director in 1991 and needed a social walker. McConnell was one of several senators Chao began to raise money for even while she was serving in the Bush administration. In early June 1989, as Chinese students were being routed from Tiananmen Square, McConnell suddenly received $10,000 in contributions from Elaine Chao's family and others associated with Foremost Maritime. Then, about two months later, Chao accompanied McConnell to a fund-raising event in Los Angeles with the Asian American members of the Pacific Leadership Conference, an organization that included Maria Hsia and John Huang, both of whom would later be convicted of laundering campaign money for Democratic candidates. Chao claims not to remember the meeting, but Huang has said that one of the reasons he gave McConnell money was Chao. "She was a very distinguished Chinese-American leader then," Huang told a House hearing in 1999. These donors gave McConnell another $10,750. Together, he picked up $21,750-not a princely sum, but Kentucky is a small state, and the donations came at a critical time in McConnell's political fortunes. By comparison, in 1989 the tobacco PACs that were McConnell's most enthusiastic supporters gave him $32,500.
McConnell would later attribute the contributions from Elaine Chao and her family to love and family loyalty. But it seems strange that James Chao, who ran a relatively small company, would give this kind of money simply out of friendship to a man who was then merely an acquaintance of his daughter's. Moreover, the Asian Americans from the Pacific Leadership Conference had a very clear agenda at the time. In the wake of Tiananmen Square, they had become vitally concerned with the fate of Hong Kong and its professional and business classes. Their top priorities were to amend U.S. immigration law to allow more Hong Kong residents to emigrate and to insert a special provision that would permit wealthy entrepreneurs to buy visas by investing over $1 million in the United States. They also wanted the United States to take steps to ensure that Deng Xiaoping and the Chinese kept their promise to allow "one country, two systems" when China assumed control of Hong Kong in 1997. Elaine Chao and her family would presumably have echoed these concerns-not only were they linked to the Hsus' shipping interests in Hong Kong, but James Chao had begun shifting his company's focus from Taiwan to Hong Kong as well.
McConnell appears to have responded well to his new fund-raisers' concerns. Even though he had not previously been concerned with immigration and was not on the Judiciary Committee, which was responsible for immigration policy, McConnell inserted himself into the congressional debate, helping win a special provision that raised the number of annual visas for Hong Kong residents from 5,000 to more than 20,000. Hsia, co-chair of the Pacific Leadership Conference and a $1,000 contributor to McConnell in 1989, told National Journal in August 1990 that McConnell had "played a key role in setting up the group's meetings with Administration officials." The next year McConnell introduced the U.S.-Hong Kong Policy Act, which called on China to preserve Hong Kong's market economy once it returned to Beijing's control in 1997 and preserved a separate immigration quota for Hong Kong after 1997.
The overseas Chinese who began contributing to McConnell wanted to protect Hong Kong from the architects of the Tiananmen Square massacre, but they were also drawn by the lure of the Chinese market and sought to come to terms with China's inevitable acquisition of Hong Kong. McConnell adopted these views himself. Unlike Senate conservatives such as Helms, McConnell came to support granting MFN to China without conditions. "By engaging economically with the PRC, the U.S. can support and promote continued economic development in China," McConnell stated in a June 1992 speech. McConnell insisted that he was "not trying to pick a fight with China" with his U.S.-Hong Kong Policy Act-and, as if to prove the point, he inserted a provision in the bill allowing the Chinese to import strategic technology through Hong Kong. China hawks would later complain that a McConnell aide had pulled the wool over their eyes. "A guy in McConnell's office drafted it," one Republican staffer said. "The effect was to open the spigot and allow us to send things to Hong Kong that could not have been exported to China."
s the 1990s progressed and China's economy grew more than 10 percent per year, American and overseas Chinese businessmen became even more enthusiastic about the Chinese market. So did McConnell-and he did so from a position of increasing importance in the Senate. After the November 1994 election, when the GOP retook the Senate, McConnell, who had left Helms's Foreign Relations Committee in 1992, became chairman of the Foreign Operations and Export Financing Subcommittee of the Senate Appropriations Committee. While Helms's committee grew embroiled in sectarian battles with the Clinton administration over appointments and U.N. funding, McConnell's subcommittee became a center for foreign policy-making in the Senate; companies that wanted to do business with China flocked to McConnell. In the two years leading up to his 1996 reelection bid, McConnell received PAC contributions from 19 of the top 20 contributors of the U.S.-China Business Council. (The one exception was the pro-Democratic Walt Disney Company.) McConnell also received timely contributions from James Chao. In December 1994, the same month McConnell assumed control of the Foreign Operations Subcommittee, Chao-now McConnell's father-in-law-raised $34,000 for the senator. More would come over the next year-including $25,000 in checks in 1996 from the Chao family to the Kentucky Republican Party.
Since the late '80s, James Chao's business had been growing increasingly dependent on Beijing-first for the construction of his ships and then for income from the chartering of these ships. In the '90s he would charter his tankers to Chinese state companies like cosco, Sinochart, and Sinotrans. It also appears Chao was being actively courted by the Chinese government. When he met with Jiang in May 1993, also present was Vice Minister of Foreign Affairs Liu Huaqiu. As James Mann recounts in About Face, Liu was the point man on U.S.-China relations. The PRC also seems to have wooed McConnell and Elaine Chao during this period. The Chinese representative to the United Nations attended their wedding in February 1993; in December they, along with James Chao, met with Jiang in Beijing. (McConnell became only the second Republican senator to meet with Jiang since Tiananmen Square and the first in over two years.) In October 1997, when Jiang visited Washington, he held another private meeting with McConnell and Chao. And in September of that year, when C.H. Tung-Beijing's representative in Hong Kong-visited the United States, McConnell and Chao joined him at his first private dinner in Washington.
he combination of finance and flattery seemed to turn McConnell, once a China hawk, into a booster. At the ceremonies marking Beijing's accession of Hong Kong, McConnell reassured conservative columnist Cal Thomas that, in Thomas's words, "in future years, it is probable that the People's Republic of China will look more and more like Hong Kong and not the reverse." In the 1997 Senate debate over MFN, McConnell told China's critics that "Hong Kong is going to lead the way to a new China, and a new China is already developing, which is not to say that any of us are entirely happy about everything going on in the People's Republic of China, but a lot of good things are happening, particularly on the economic side."
Perhaps even more surprising than McConnell's support for MFN was his sympathy for China on the prickly issue of Taiwan. The Kentucky senator was conspicuously missing from the 21 co-sponsors of Helms's Taiwan Security Enhancement Act. In March 2000 McConnell told talk-show host Chris Matthews that the United States should remain "ambiguous" about whether it would come to Taiwan's defense: "I think we're purposefully ambiguous. I think that's the place we ought to be." He also assured Matthews that "the PRC has moderated its rhetoric."
McConnell, who had earlier told students he would "never forget the sight of those young people without arms up against tanks and machine guns," also turned a blind eye to China's brutal repression of the Falun Gong religious sect. In November 1999 McConnell and Chao hosted Chinese Ambassador Li Zhaoxing at the University of Louisville, where Li attacked the U.S. House of Representatives for condemning Beijing's treatment of the Falun Gong. "Any responsible government will not foster evil propensities of cults by being over-lenient," Li declared before McConnell and Chao. According to a reporter present, in his own remarks before and afterward, McConnell made no effort to distance himself from the ambassador's tirade. Instead, according to the reporter, he boasted of the "good working relationship" he enjoyed with Li.
III. Chinagate?
The story of Chao, McConnell, and Heritage has never made the mainstream press, but it has become a staple of conspiracy-minded right-wing websites. Some of these sites see the fund-raising influence of overseas Chinese from Taiwan and Hong Kong as a smokescreen for the real, much more sinister scandal: the buying of Mitch McConnell and the Heritage Foundation by the People's Republic of China.
There is no evidence they're right, but three sets of questions about Chinese influence remain, which I could not adequately answer because James Chao, Elaine Chao, and Mitch McConnell refused repeated written requests for interviews. (Heritage's Herb Berkowitz was, by contrast, a model of affability.) The first set concerns James Chao and his shipping company. Chao is not the first or only American businessman to be wooed by the Chinese government. What would make his case different-and at least raise eyebrows about his contributions-would be if Chinese government interests actually owned a stake in his company or his ships.
It is astoundingly difficult to find out what a shipping company does-my account relies on a collection of documents and on others' personal memory, which can be fallible. It is even harder to find out who owns a shipping company's main assets. Each of Foremost's ships is incorporated as a separate entity in Liberia, which will not release shareholder or ownership records. It is conceivable that Beijing did acquire a stake in them. During the years when Chao's ships were being built in Shanghai, other Hong Kong shipping companies were coming to terms with the PRC by ceding some degree of ownership to the Chinese. The Chinese gained a foothold in C.Y. Tung's company and bought control of the Hsu family's Continental Mariner. Could Chao and Foremost have provided an opening to them? It's possible, and, in the absence of public disclosure, speculation about Chinese influence will continue to fill right-wing websites.
The second set of questions concerns a scholarship fund and mini-think-tank McConnell set up at the University of Louisville in 1991 called the McConnell Center for Political Leadership. The center, which opened in 1993, grants ten scholarships per year (including an expenses-paid, six-week summer trip for students to China) and hosts conferences and speeches by political dignitaries. To a politician, of course, such an institution is a public relations godsend-a source of free, highly favorable publicity. Rationally, the laws governing political contributions should require it to disclose its funding sources. But, although McConnell raised almost all the $2.4 million to found the center and at least $1 million more for it over the last decade, he has insisted that the university not reveal the identities of its funders. And the university has complied, channeling the funds through a private foundation that, under Kentucky law, is not required to reveal its contributions.
This is particularly hypocritical given that McConnell has long championed the full disclosure of contributions as an alternative to campaign reforms, such as the McCain-Feingold bill, that limit fund-raising. A university spokesperson claims that the corporations McConnell has asked for money from want to keep their identities hidden. But this is unlikely; American corporations generally seek as much publicity as possible for educational grants. The more plausible explanation is that it is McConnell who doesn't want the donors' identities revealed. And that raises suspicions about who those donors might be.
The center was established at exactly the time that McConnell, as a result, perhaps, of receiving contributions from the Chao family and the Pacific Leadership Conference, discovered an interest in Hong Kong and China. From the beginning the center has focused inordinately on China-particularly given that it is based in Kentucky, whose companies have negligible business interests there. Although the center's first director, Paul Weber, suggested to McConnell that juniors in the program visit different countries during their summer abroad, McConnell insisted they visit only China. ("He made the decision, 'Let's just send them to China,'" Weber recalls.) And an unusual number of the center's speakers and conferences have concerned U.S.-China relations. For instance, the Chinese ambassador's tirade against the Falun Gong took place under the center's auspices. And most recently it hosted David Lampton, a harsh critic of Helms's Taiwan act.
Did Elaine Chao convince McConnell to focus the center on China, as Weber jokingly speculates? Was McConnell appealing to contributors interested in fostering a soft American line toward Beijing? Without knowing the identity of the center's contributors, it is impossible to dismiss the possibility that McConnell has concealed contributions to the center that sought to influence or reward his position on Hong Kong and China. That's just speculation. But it's speculation that only Mitch McConnell can put to rest. And he hasn't done so.
The third set of questions is the most troubling of all. While at the Heritage Foundation, Elaine Chao served on the board of directors of numerous corporations. Several, including the Millipore Corporation and Protective Life Corporation, have invested in the Chinese market. But none is as committed to China as a California start-up, the Multa Communications Corporation, or Multacom for short. Multacom, a broadband network service provider, offers direct Internet links between China and the United States through MultaNet China, a joint venture with government-owned China Unicom. The PRC-owned company owns 51 percent. Multacom's cable lines are being laid through another joint venture with another Chinese government company, the China Railway Telecommunications Center.
On January 15, a few days after Bush nominated Chao to be secretary of labor, Multacom issued a press release praising Chao for her service to the company. It said she "had served as a member of the board of directors for Multacom since July 1, 2000." Bob Hong, chairman of Multacom's board, said, "The staff at Multacom, both in the U.S.A. and Asia are all very excited and proud of Ms. Chao's nomination." And Hong personally confirmed to me that she was a director. There is only one problem: Multacom does not appear on the financial disclosure report that she submitted to the Office of Government Ethics on January 29, even though the form requires under law that she disclose every position she held with "any corporation, firm, partnership or other business enterprise," whether compensated or not. Did Chao list Multacom under another guise? Or did she exclude it? And if she did, was it because its fortunes were so closely linked to the Chinese government? I called Chao's office to inquire, and, at her aide's request, sent a written question. I never received a response.
IV. The Integrity of the Conservative Movement
Political movements, as opposed to mere interest groups, are supposed to pursue more than just power and privilege for themselves; they are supposed to seek some general improvement of the human condition. The conservative movement of the 1950s, like the liberal movement of the '30s or the New Left of the '60s, did this. But movements are always in danger of being hijacked by parochial interests. In the '80s, for instance, liberalism's historic commitment to social justice degenerated into an excuse for different constituencies to defend their particular government programs.
And today conservatism is in danger of becoming simply a means through which business, which has always been the movement's principal sponsor, protects its financial interests. In domestic policy, conservatives have been hurt by the widespread perception that their policies on labor, the environment, and consumer rights are for sale to various factions of corporate America. But in foreign policy the danger is far greater. During the cold war, anti-communism was the conservative movement's ethical core-and, whether they agreed with it or not, honest observers had to admit that it stemmed not from self-interest but from deep conviction. A fevered (and, in retrospect, completely justified) opposition to Communist China was a crucial part of that larger crusade. It was what distinguished conservatives not only from liberals (who saw Mao Zedong's revolution as misguided but well-intentioned) but also from moderates and realists who wanted to curry China's favor in order to defeat the Soviet Union.
But over the last few years, as Beijing has opened itself to trade and investment, the corporate interests that populate the conservative movement have moved to take over its policy toward China as well. And there's reason to believe they're succeeding. Heritage isn't the only key conservative institution whose links to the Chinese market have caused it to mute its outrage toward Beijing. Pat Robertson, an investor in a Chinese Internet company, has moved the Christian Coalition, the leading voice of evangelicals in the Republican Party, to take a conciliatory attitude toward the PRC. And numerous Republican foreign policy officials have gone to work harvesting for American business in China, while simultaneously counseling against a policy of American confrontation or even containment. The moral fire that animated the conservative movement for close to 50 years shows signs of extinguishing itself.
A week after the Chinese detained the 24 Americans on Hainan Island, I checked Heritage's website and McConnell's website to find how seriously they viewed China's dramatic affront to American principles and pride. On Heritage's site, I was directed to some desultory news briefings, and on McConnell's to a statement about Serbia. Once upon a time, things would have been different.
JOHN B. JUDIS is a senior editor at TNR.
Correction:
The conservative website WorldNetDaily.com has published several stories containing allegations about Elaine Chao, her father, and the Heritage Foundation. Earlier versions of this article--itself the product of three months of reporting--acknowledged the contribution of WorldNetDaily and other conservative websites, but, due to a late editing error, a specific reference to WorldNetDaily's contribution was deleted. We regret the omission.
（転載終了）
http://www.tnr.com/042301/judis042301_print.html
☆KSさんへ
貴重な情報提供、ありがとうございます。
アメ政掲示板からAsia Timesの記事を転載させていただきます。
US hawks unhappy at improving Beijing ties
http://atimes.com/atimes/China/DG13Ad03.html
これは私の勝手な解釈ですが、ラムズフィルド(Rumsfeld)氏、ウォルウィッツ(Wolfowitz)氏らは、悪名高いグローバリストではありますが、ある意味、この対中強硬派に日本は救われている、とも言えるのではないでしょうか？
中国の米国政府中枢への食い込みがどの程度のものか、詳しくは存じませんが、「戦わずして勝つ」を最高の理想とする中国のことですから、このような米国政界へのロビー活動をすさまじく展開していることであろうことは十分に考えられると思います（もっとも他の国も同じことだろうと思いますが）。
今のところは、米国のタカ派に助けられているのかもしれませんが、彼らの勢いが衰え、残ったのは、中国市場に目がくらんだ連中ばかり、中国に懐柔されたネオコンたち、という状況だけで、気が付けば米中が結託し、日本がすっかり包囲されていたというふうになるのが一番恐いです。
そう簡単に、そんなふうになるとは思いませんが、中国の、文字通り手段を選ばない、すさまじい外交手法を思うと、小心者の私はどうしてもそのことが心配になってしまいます。もちろん、杞憂であればいいのですが、どんなものでしょうか？
（ここの掲示板の管理人でもない私が言うのはちょっと恐縮ですが、恐らくお許しいただけるであろうと期待して・・）
この問題に関する情報がありましたら、どなたでも結構ですので、情報提供いただければ大変ありがたいです。
[460] イレーン・チャオ情報2 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 16:56:55過去の朝日新聞の記事から、イレーン（エレーン）・チャオ女史に関するものを転載します。
（転載開始）
労働長官にチャオ氏を指名 次期通商代表にゼーリック氏 米新政権
【ワシントン１１日＝山脇岳志】ブッシュ次期大統領は十一日午後、記者会見し、新政権の米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表に、元国務次官のロバート・ゼーリック氏（四七）を指名する、と正式に発表した。ゼーリック氏は「自由貿易を保つことは、米国の切り札だ。人々を強くし、米国をよりダイナミックにする」と話した。また、白紙に戻った労働長官には、台湾出身の女性で元運輸副長官のエレーン・チャオ氏（四七）が指名された。
労働長官人事は、違法移民を自宅に住まわせ雇用していた疑いで、すでに指名されていたリンダ・シャベス氏が九日に辞退を表明し、その後の人事が注目されていた。
わずか二日後に指名されたチャオ氏は、台湾からの移民で、マコーネル上院議員（共和党）の妻。父親のブッシュ政権当時の運輸副長官で、ボランティア組織「平和部隊」代表などを経て、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の上級研究員を務めている。
（転載終了）
朝日新聞2001年1月12日
（転載開始）
多様な人模様（鷲と竜 第１部 米国のチャイニーズ：１２）
鷲（わし）と竜
移民、留学生、亡命者たち。米社会で様々な思いを抱えて生きるチャイニーズを追った私たちは、最後に「米国政治」にかかわる２人に会った。清朝時代の中国と米国がかかわり始めて１５０年。権力層から草の根層まで、「中国系米国人」はいまこれだけの広がりを持つようになった。そして「米中関係」は、こうした多様な人模様によって、日々膨らみを増している。（敬称略）
○視線の遠い先には「中国大使」 アジア系女性初の閣僚 エレーン・チャオ
ワシントンの連邦議会前。サクラの花びらが風に舞う公園を見下ろす労働省ビル２階の会見室に、長官のエレーン・チャオ（４８）が現れた。ブッシュ政権とともに生まれた、アジア系女性では米国史上初の閣僚だ。
４月９日午後、０２年度の労働省予算案をめぐる記者会見だった。真っ青なツーピースに金のネックレス姿。会見室に入るなり、弾んだ声で「新しい記者の皆さんはどこ？」。
唯一のアジア系だった私に目をとめた。「お会いできてうれしいわ」。身長１６０センチほど。笑顔はまぶしいほどだが、睡眠不足なのか、手は熱っぽく目は充血していた。
連日、中国・海南島に拘束された米偵察機の乗員２４人をめぐる米中交渉の緊迫が伝えられていた。米中軍用機接触事故の感想を求めた。途端に笑顔は消えた。
「政府の最高レベルが対処している。コメントしない」
中国名、趙小蘭。ハーバード大学ビジネススクール卒で、夫はケンタッキー州選出の共和党、マコーネル上院議員。
台湾で生まれ、８歳の時に父母、姉妹らと渡米した。ニューヨーク近郊で育ち、登校したての小学校ではｐとｑの区別もつかなかった。
それが大学卒業後、西海岸の大手銀行などを経て、８３年、政界入りの登竜門ホワイトハウス・フェローに。全米から選抜されたエリートとして、大統領周辺の要人の下で働き始めた。
チャオは政界入りに際し、雇用機会や教育比率など人種政策の「結果」を重視する民主党より、「機会の平等」をめざす共和党を選んだ。
８８年からのブッシュ元政権時に運輸副長官、ボランティア組織「平和部隊」代表を歴任。サンフランシスコ地震の危機管理も手がけ、米政官財の各界の評価を固めた。
上海出身の父、ジェームズ・チャオ（中国名、趙錫成）は、アジア向けの海運業を営む。中国の江沢民国家主席と上海交通大学の同窓だ。中華人民共和国が建国した４９年、台湾へ逃れた。
父も娘も、過去に江主席や朱鎔基首相らと接触を重ね、「深いつながり」があるという見方も一部には流れる。
上院の資産公開書によると、チャオは対中国取引がある企業から役員報酬を得ている。上院歳出委員会の外交小委員長で、対中政策に影響力を持つマコーネル議員にも中国系米国人の献金が贈られている。
「私はアジア系である前に、米国人です」と雑誌インタビューに語るチャオ。だがそれでも、大きな二重の目が向ける視線の遠い先には「中国大使」の目標がある、とささやかれている。
（立野純二、写真はＡＰ）
○政治家として少数派救いたい ＮＹで市議目指す ロックウェル・チン
白髪交じりの七三分けに団子鼻。少し出っ歯なのが幸いし、いつも笑顔に見える弁護士ロックウェル・チン（５３）＝写真（右）。祖父が中国広東省から移民した３世だ。自称「ロッキー」。ニューヨーク市議会で初のアジア系議員をめざしている。
選挙区は、ウォール街やチャイナタウン、リトルイタリーがあるマンハッタンの南端だ。
低所得者向けの公団アパートが並ぶ一帯は、ヒスパニック系が目立つ。チンは自己紹介のチラシを詰め込んだバッグを肩にかけ、アパート最上階の１０階にエレベーターで上がった。１軒ずつ呼び鈴を押していく。
それが終わるとリトルイタリーへ。「移民を不当に安い賃金で雇った」と労働者団体が抗議する食料品店前で、メンバーと一緒にシュプレヒコールを叫んだ。
弁護士としては、労働者や移民の権利擁護、人権問題などが得意分野だ。顧客は低所得者が大半。チン自身、妻と２人で２ＤＫの公団アパート暮らしだ。毛玉がついたジャケットやメッキがはげかかった眼鏡、しわだらけのズボンから、つましい暮らしぶりがしのばれる。
中国語はできない。話せれば、と思うことがある。子どもには学ばせた。「息子は中国担当の外交官。いまは北京の米国大使館に勤めています」と誇らしげだ。
チンには自分が米国の「少数派」だという思いがつねにあった。経済学者の父を持ち、名門エール大で都市計画の学位を取りながら、南カリフォルニア大ロースクールに入り直して弁護士になったのも、政治家をめざしているのも、そのわけは「少数派」という言葉に行き着く。
ニューヨークは「少数派」、その中でも弱い立場の移民であふれている。タクシーの運転手。レストランの皿洗い。チンの選挙区に多い縫製工場では、中国人が違法な低賃金で雇われている。
チンは１２年前、仲間数人と「アジア系弁護士会」をつくり、法律相談に乗ってきた。
ただ、弁護士としての活動に限界を感じた。民主党員として、黒人指導者ジェシー・ジャクソン師の政治活動を手弁当で応援するなど、政治の世界にまったく無縁だったわけでもない。
政治コンサルタント会社によると、チンの選挙区は有権者登録をしている４人に１人がアジア系の名前を持つ。中国系を筆頭に、実際はもっと多いともいわれる。
「少数派が沈黙していると、いないも同然に扱われるのが米国だ」
今秋の民主党の予備選で勝てば、議席にぐんと近づく。（坂尻信義）
（第１部おわり）
◆鷲（米）と竜（中）友好と対立の歴史
１８４０年 アヘン戦争。列強の中国進出始まる
４７ 近代中国から最初の米国留学生、容コウ＾氏（※１）が渡米
９９ 義和団の乱ぼっ発。ヘイ米国務長官が中国の「門戸開放、機会均等」を提唱
１９０８ 米議会が、中国側の未払いだった義和団事件の賠償金残額免除を決議
０９ 米国広東省で１９世紀半ばに米国へ渡った同省出身の鉄道王、陳宜禧（※２）が「新寧鉄道」の建設に着手
１０ 胡適ら第２次留学生７０人が米国へ
１１ 辛亥革命。米援助で北京の精華園に留学事務所（後の精華大学）が設立
２５ 中国への米人宣教師８千人に達する
３１ パール・バック「大地」が出版
３４ 中国紅軍長征開始
３６ 米記者のエドガー・スノーが毛沢東と単独会見（※３）
３９ 第２次世界大戦
４５ 日本降伏。国共和解調停に米乗り出す
４７ 調停が失敗し、国共内戦が本格化
４９ 米「中国白書」を発表、毛沢東は白書を批判。中華人民共和国成立
５０ 朝鮮戦争ぼっ発。米が参戦し、中国は義勇軍を派遣（〜５３まで）
５７ 毛沢東、モスクワで「米帝国主義は張り子のトラ」と演説
５８ 中国、大規模な金門、馬祖砲撃
６４ 中国が初の核実験
６５ 米、北爆開始。中国は非難声明
６６ 文化大革命開始
７２ ニクソン訪中で上海コミュニケを発表
７７ 復活したトウ小平＾が「留学生派遣の枠を拡大する必要がある」と述べる
７９ 米中国交正常化
８３ テニス選手亡命事件で中国が対米文化交流停止
８９ 天安門事件。米中関係が冷却（※４）
９２ トウ少平が南巡講話で「留学生の帰国を希望する」と述べる
９３ 中国の貨物船「銀河号」事件
９５ 台湾・李登輝総統（当時）が訪米。中国が反発
９６ 台湾総統選にからみ、台湾海峡危機
９７ 江沢民国家主席が訪米、「戦略的パートナーシップ」をうたう
９８ クリントン訪中、台湾問題で「３つのノー」を表明（※５）
９９ 米主導のＮＡＴＯ軍がベオグラードの中国大使館を誤爆
２００１ ブッシュ政権発足。海南島沖で米中軍用機が接触事故
＊
（※１） 容コウ氏
（※２） 陳宜禧
（※３） エドガー・スノー、毛沢東
（※４） 天安門事件
（※５） クリントン、江沢民
（転載終了）
朝日新聞2001年4月24日
[459] イレーン・チャオ情報 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 16:29:26イレーン・チャオ（Elaine Chao、趙小蘭）労務長官に関する情報はネット上でもたくさん出ています。
私が参考にした典拠も、ここに貼り付けておきます。
「Elaine Chao」か、「趙小蘭」で、検索エンジンで探せば、すぐヒットします。
せきぐちようさんとか、他にも中国語ができる方がいらっしゃると思いますので、この人についての情報をちょっと集めてみませんか？
情報をお寄せ頂ければ幸いです。http://usembassy.state.gov/posts/ja1/wwwhj082.html
http://www.usis.usemb.se/cabbio/chao.html
http://www.heritage.org/staff/chao.html
http://www.people.com.cn/GB/guoji/22/86/20010112/377083.html
http://www.hsm.com.cn/node2/node116/node117/10hr/hrindex.htm
http://www.zaobao.com/chinese/region/usa/pages/usa_chinese020201.html
[458] Re[457]: 訂正 投稿者：キヨシ 投稿日：2002/07/14(Sun) 02:27:12誤り ： 江沢民、朱よう基の訪中時にもちゃんと会っているし正しくは ： 江沢民、朱よう基の訪米時にもちゃんと会っているし