金の子守熊です。
この掲示板を立ち上げていただいて、気が付けば1年たってしまいました。
今まで、当掲示板にアクセスしていただいた皆さん、本当にありがとうございます。そして投稿していただいた方々、本当に感謝しています。
私自身、飽きっぽい性格なのですが、よく続いたなあと思っています。
学問道場の中では、地味な存在というか、公務員掲示板がなぜ「副島系」にあるの？とういうのも思わないわけではありません。
しかし、ヘーゲルではありませんが「存在するものは合理的である」ので、
続けられる限りは続けていきたいと考えています。
どうぞ皆さんのご支援をお願いします。
最後になりましたが、副島先生、事務所組の皆さんを初めとしてこの掲示板の維持に尽力していただいている方々に、改めて御礼申しあげます。これからもがんばります。以上 管理人拝
２月２日朝日新聞夕刊より（転載開始）
総額９１１億円の借入金返済が困難となっている千葉県住宅供給公社は２日、自主再建を断念し金融機関と債務の減免などについて法的に協議するため、特定調停法に基づく特定調停を裁判所に申し立てる方針を固めた。同県は同日に金融機関側と話し合い、３日に開かれる臨時の同県議会都市水道常任委員会協議会で説明する方針。全国の住宅供給公社では、北海道、長崎に続き３例目となる。同公社については、外部の大手監査法人が０２年１０月、「１０８億円の実質債務超過」と指摘。また同県市原市米沢で、住宅団地開発のために１５９億円で購入した山林が手つかずのまま放置されて問題化するなど、ずさんな経営が指摘されていた。
９１１億円のうち、約７２０億円が民間金融機関１１行、１５０億円余りが住宅金融公庫、残りが同県企業庁などからの借り入れとなっている。
同公社が昨年９月末、返済期限を迎えた１９０億円の借り換えについて協議した際、金融機関側は「県が０４年２月までに公社への支援策を示した上で、９１１億円全体の返済方法を示すこと」を条件とした。
同県と金融機関は、低金利で長期間の返済方法や損失補償額などを巡って任意で協議を続けてきた。
金融機関側は「公社と県は一体」と借入金全額の損失補償などを求めたが、財政難の同県は「税金での全額補償は県民の理解が得られない」との意向を示し、言い分が食い違っていた。結局互いに条件が折り合わず、法的に債務整理を進めざるを得なくなった。
同県はこれまで、公社の分譲事業からの撤退と賃貸事業のみの継続を決め、職員削減や給与カットも実施して自力での経営立て直しを目指してきた。しかし県の信用をバックに融資してきた金融機関側は今回、実質的な補償などがなければ借り換えに応じない態度を変えなかった。
金融機関側のある関係者は「県との言い分に差があり、交渉がまとまらなければ特定調停に持ち込むしかない」と話した。
特定調停は民間会社などにも適用される。
約１３００億円の借金を抱えた北海道住宅供給公社は昨年６月、特定調停を申し立て、札幌地裁は昨年１２月、最終的な調停案を決定した。長崎県住宅供給公社は１３５億円の債務免除などを求める特定調停を１月に申し立て、交渉中だ。
千葉県と金融機関の主張には開きがあり、交渉は難航が予想される。特定調停には強制力がないため、債権放棄などの調停案に金融機関側が応じるかも不透明だ。
調停が不調の場合には、民事再生や破産の申し立てなども考えられる。
◇
〈特定調停〉 支払い不能に陥る可能性のある個人または法人の経済的破綻（はたん）を回避し、再建を促す民事調停の一つ。００年２月に施行された特定調停法に基づく。裁判所の調停委員立ち会いのもと、債権者と債務者の合意によって返済計画や債務の減免を決める。民事再生法などとは異なり、調停に参加するのは大口の債権者に限られることがほとんどで、一般債権者への影響を避けるために取られることが多い。
（転載終了）住宅供給公社、土地開発公社…さすがに各地方公共団体も「不動産業部門」の始末の先延ばしができない時期に来ています。
金の子守熊です。投稿ありがとうございます。こうやって「茶色のレス」を書けるのはうれしいです。
住宅供給公社や土地開発公社の問題はご指摘のとおりです。
ただ、私が気になるのが2点あります。第一はこの公社が抱えていた「土地」がどういうものか、ということ。単に「売れ残り」では片付けられない根の深い問題があるように思えます。私は土木、建築関係セクションの経験がないのですが、いろいろと噂を聞く事もあり、一筋縄ではいかないなあと思っいます。
第二に、支援を拒否した「金融機関」のこと。以前であれば、支援していたはずです。それができない状況になっているようです。
そういえば、「産廃コネクション」や「利権クラッシュ」の著者は、この県の職員では。まだ読んでいないので、近々読もうと思っています。読まれた方がおられれば、感想など寄せていただければありがたい。
以上
金の子守熊拝
道州制関連情報です。１月２３日付産経新聞、１月２２日のＹＯＭＩＵＲＩ ＯＮ−ＬＩＮＥに掲載されていました。
（貼り付けはじめ）
2004年01月23日(金)
都道府県合併手続き簡素化 議会議決で可能に 総務省が法改正案
市町村特例、１８年３月まで延長
総務省は２２日、（１）都道府県が自主的に合併できる手続きを地方自治法に規定する（２）現行では来年３月末で期限切れとなる市町村合併の特例法適用期間を条件付きで１年間延長する−などの方針を固めた。市町村合併では法人格を持つ「区」の設置も認める。地方自治体の広域化による行政の効率化を一段と推進するためで、関連する改正案を今国会に提出する。都道府県の合併（廃置分合）は現在、特別法を制定して行う方法しかない。その場合も憲法（九五条）の規定から住民投票で過半数の賛成が必要となり、手続きが煩雑で難しいのが実態。このため総務省では今後都道府県が自発的に合併しようとする場合に備え、新たに地方自治法に手続きを盛り込むことにした。関係する都道府県議会の議決、国会の議決などを要件とする方向。
現在の四十七都道府県体制は、明治二十一（一八八八）年に愛媛県から香川県が分離（昭和十八年に「東京府」が「東京都」）して以来、約百二十年続いている。
そうした中で近年、青森、岩手、秋田の北東北三県合併構想が浮上。また市町村合併の動きを踏まえ、地方制度調査会も昨年秋の答申で基礎自治体（市町村）の規模・能力の拡大に伴い「都道府県の区域の拡大が必要」としていた。合併手続きの簡素化は今後の道州制論議に影響を及ぼすことも予想される。
一方、市町村合併推進では特例債発行などの優遇措置が受けられる合併実現までの期限を平成十八年三月まで延長する。「延長すれば合併の動きが失速しかねない」との否定的な見方もあったが、合併を志向しながらまだ道筋がはっきりと見えない地域も少なくないため特例法を改正することにした。
ただ現行の期限である来年三月末までに知事への申請を済ませることを条件とする。この時点だと関係市町村の手続きは完了しており後戻りできないためだ。
また合併する旧市町村単位で一定期間、地域自治組織として「区」を設置できるようにする。主として合併協議の中で旧市町村が従来の名前にこだわり協議の支障になっているケースがあるためで、「区」によって名前を残すことが可能となる。
「区」では法令に違反しない範囲内で市町村の事務のうちその区域にかかわる地域共同的な事務を行うことができ、合併時の規約などで定める予定。課税権・地方債の発行権限はなく、「区長」は市（町村）長が任命する方向。◇
≪地方自治体改正案などの骨子≫
一、都道府県の合併手続きを地方自治法に規定する
一、市町村合併では平成１７年３月３１日までに都道府県知事への申請を済ませ平成１８年３月３１日までに合併する地域も、現行特例法の優遇措置を適用する
一、旧市町村単位で一定期間「区」の設置を認める
一、市町村は知事の権限に属する事務処理の特例を設けるための条例制定を都道府県に要請できる
一、平成１７年４月以降の市町村合併推進法（仮称）に、知事が勧告も含め市町村合併を推進する規定を盛り込む
（貼り付けおわり）
引用元
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20040123/NAIS-0123-03-02-49.html金の子守熊です。投稿ありがとうございます。
現在の都道府県制が、かたちはどうあれ大きくは道州制に移行していくことは確実かと思います。
私の周りの県職員に、「道州制になると思うか」と問うと、「そうですね」という答えが大半です。が、同時に自身が公務員である間にそういう事態になるか、と問うとほとんどの人は困惑か、テレ笑いか、無表情になります。実感がないのですね。みなさん日々の仕事にもどられます。
現在、市町村合併が進められています。県は国の意向に忠実に、その尖兵となって市町村が合併しやすいように「支援」しています。決して強制してはならないことになっています。事務的にやっています。
次は我々の番でしょう。それでも日々の仕事を黙々とやるだけです。多分。
以上
金の子守熊 拝
金の子守熊(no2145)です。
公務員倫理について。5，6年前に、官官接待やカラ出張問題がクローズアップされ、国家公務員倫理法が制定され、各自治体もそれにならって倫理条例の整備が進んでいる。
私の職場でも、倫理条例や規則が制定されており、定期的に職場研修などで趣旨の徹底を図っている。今回問題行動についてクイズ形式での研修を行ったので、参考までに紹介します。
内容的には、国や自治体はそう大差ないが、「儀礼の範囲」において取扱いが違っているものもある。解釈自体が世間の風潮に合わせて動いています。公務員に友人がいたり、仕事上付き合わざるを得ない方にも参考になれば、と思います。○次の事例のうち、問題行動はどれですか。
１ 前の職場の利害関係者（注：契約や補助の対象となるなど職務上関係のあ る者を指します。以下同じ）から人事異動2年後に夕食をご馳走になった。
２ 利害関係者からお中元をもらった
３ 利害関係者から宣伝用のカレンダーをもらった。
４ 利害関係者から結婚祝をもらった。
５ 利害関係者である電気器具店から特別に安くパソコンを購入した
６ 利害関係者から住宅の購入資金（銀行の一般的な貸し付け利率と同程度の 利率）を借用した。
７ 利害関係者である銀行から通常の利率でマンションの購入ローンを組ん だ。
８ 利害関係者を補助金の監査で訪問した際に、電卓を借用した。
９ 利害関係者所有のマンションに無償で住んだ。
10 利害関係者に借金の保証人になってもらった。
11 利害関係者の工事現場を訪ねるのに、交通不便な山間部であったので、 利害関係者の４WDに同乗した。
12 利害関係者を訪問した後に、他の公共交通機関があったにもかかわらず 自宅までタクシーで送ってもらった。
13 利害関係者から未公開株式を譲り受けた。
14 利害関係者となった県OB（入札関係者ではない）と偶然出会い、昼食を ご馳走になった。
15 検査の相手方から検査中に弁当の提供を受けた
16 入札参加業者に再就職した県OB（利害関係者に該当）と2人で割り勘で夕 食を食べた。
17 入札参加業者に再就職した県OB（利害関係者に該当）とそれ以外の者が 多数集まる大学の同窓会に会費を払って参加した。
18 利害関係者に該当する学生時代の友人（職員になってからも親しい間 柄）から結婚祝をもらった。
19 利害関係者に該当しない事業者から、巨人ー阪神戦の観戦チケットを無 償でもらった。
20 飲食代をその場に居合わせなかった第三者である事業者に付回して、そ の代金を払わせた。金の子守熊です。以上のうち、現時点で「問題なし」とされたのは、次のとおりです。
３、７、８、11、17、18
この中にはグレーゾーンがあり、意見も分かれているものもあります。皆さんのご意見、感想などもお寄せください。○国家公務員倫理審査会HP
http://www.jinji.go.jp/rinri/index.htm
○Q&A 倫理法・倫理規程
http://www.jinji.go.jp/rinri/qa/main.htm#00
○倫理規程事例集
http://www.jinji.go.jp/rinri/jireisyu/0.mokuji.htm以上 金の子守熊 拝
食糧庁・食糧事務所を潰して消費・安全局、地方農政事務所を作ったけれどやっているのは血税の無駄・垂れ流しである組織維持のためだけの仕事を掘り起こしている。
消費者のために食品表示を厳しく取り締まるなどと言いながら、全国の食品関連業者のほんの一部である広域業者だけが農林水産省の担当だとの理由をつけ、すぐに都道府県に責任を押しつける。
そのくせ都道府県民の生活を人質に取られている都道府県が検査・調査に着手しようとすると同行させてくれと懇願し、やっとのことで同行が実ると都道府県から要請があったと吹聴するが
、実際にはろくに職員を派遣しない。
何のために食品表示だけで２０００人もの専任担当者を置いているのか？その職員設置のために、農林水産省は、莫大な税金を充てています。
こうした事実を皆さんどう思いますか？
明けましておめでとうございます。
金の子守熊です。
「猿」と言えば、「みざる、いわざる、きかざる」であって、これもまた先人の知恵ではありますが、これが過ぎますと「腹ふくるるわざ」となります。
どうぞ投稿もご遠慮なく。
また、お上の政策も「朝三暮四」（これも猿に関するものですね）がパターンですのでご用心を。
そして、「上に政策あれば下に対策あり」でしたたかにやっていきましょう。但し「志」を胸に秘めて。「匹夫もその志を奪うべからず」です。
本年もどうぞよろしくお願いします。
以上、
管理人（金の子守熊）拝
金の子守熊です。国が発行する国債には、建設国債と赤字国債の2種類があります。
最近では後者の方が多くて両者を区別する意味が乏しくなっています。もっといえば、今は借替債は新規発行枠30兆円（この意味は副島読者にはおなじみですね）には含まれていません。欧米では含まれています。つまり今でも新規枠は、よく言えば厳密な意味で、悪く言えばなんとなくごまかして国民に知らされています。
地方でも、国と同様、赤字国債に対応するものがあって、それが今回紹介する「臨時財政対策債」です。バブル崩壊対策のために地方も財政出動を増やしましたが、そのために財政赤字（通常収支の悪化）が出てしまいました。それを補うために当初（平成10年度）は、地方交付税の増額（国が不足分を借り入れ）していました。しかし、平成13年度に至り、国も支えきれなくなったので、「臨時財政対策債」の発行を認め、一部財投でも引き受けることになったのです。つまり平成13年度までは地方は「赤字国債」に相当する借金はなかったのです（それでも累積が200兆円ありますが）。もっとも、地方交付税や、地方債（建設国債に相当）を国が引き受けたりするような「セーフティネット｣が用意されていたから発行しなくてすんでいたのです。これも破れてきている、ということなのです。臨時財政発行債も、地方が国の政策に協力してきた結果、発行せざるを得なかったということは、国は十分承知しております。ですから、この元利償還金は全額、地方交付税のなかの「基準財政需要額」（地方には最低どれくらいのお金が必要か）に算入されることになっております。今回の政府（財務省）方針は、元利償還金の面倒はみるが、地方債の引き受け自体は国はしませんよ、というものです。その結果地方（都道府県、政令市）は、地方債は、地方銀行に引き受けてもらう（これを「縁故債」といいます）か、市中（個人や企業）に直接売るしかないということで、現実そういう取組みをしているところもあります。国債の個人引き受けと同じ構造になっています。
副島先生の「預金封鎖」、「預金封鎖実践対策編」に総務省、地方債や地方銀行に関する記述が増えてきています。これはいよいよ「地方レベル」での闘いが始まりつつある、ということで、地方財政の今後にも大きな影響を与えるものです。外資になった地銀が地方債を引き受けてくれるのだろうか？今までのようにはいかないのだろう。（貼付開始）2003年(平成15年12月14日 毎日新聞
赤字地方債 財投引き受け縮小へ 都道府県と政令都市分 民間の資金調達促す
政府は13日、地方自治体の財源不足を賄うために発行してきた赤字地方債｢臨時財政対策債｣のうち、都道府県と政令指定都市の発行分について、財政投融資金による引き受けを大幅縮小する方針を固めた。国債を増発して地方債を買うのは、財投の趣旨に合わないと判断した。小規模な自治体は民間からの資金調達が難しいため、引き続き財投で引き受ける。
臨時債は税収の落ち込みで生じた自治体の財源不足を穴埋めする赤字地方債で、元利返済に必要な額は地方交付税交付金として国がすべて負担している。03年度は5兆５０００億円を発行、04年度も地方財政の悪化を反映し、同規模以上の発行額となる可能性がある。
財務相は▽財投縮減に合わせ地方債引き受けも減らし、自治体が民間から資金調達するよう促すべきだ▽長期的な社会資本整備に当てる財投資金を自治体の赤字補填に回すのは適当でないーーと指摘。民間からの資金調達力がある都道府県や政令市の臨時債(03年度７７００億円）、大規模な市（人口20万人以上の特例市：引用者）分（約１８００億円）について引き受けない方針を示した。
一方、総務省は「本来、地方交付税で穴埋めすべき分を臨時債で賄っており、国には一定の責任がある（臨時債発行時の経緯、約束のこと：引用者）」と都道府県、政令志文の縮小のみにすべきだと主張しており、決着は来年度財投計画編成の最終段階までもつれこみそうだ。(塚田健太）（貼付終り）
以上、金の子守熊 拝
金の子守熊です。来年度当初予算関連記事をNIKKEI NETから貼り付けます。（貼付開始）
(12/20)復活折衝始まる、警官4500人増員など焦点2004年度予算の財務省原案内示を受け、各省庁と財務省との復活折衝が20日、始まった。復活折衝の対象になる調整財源の規模は500億円で、各省庁は原案で認められなかった重要政策について、予算の上積みを求める。警察庁が治安維持対策として要求している地方警察官4500人の増員などが焦点になる。
財務省と各省庁は21日、予算内容をめぐって局長間の折衝に入る。22日には谷垣禎一財務相と各閣僚が最終的な折衝に臨み、内容を確定させる運び。政府案は24日の閣議で決める。
復活折衝では、文部科学省が来年4月の法科大学院開校にあたり、国立と私立の授業料格差を縮める助成金を要求している。財務省原案は10億円で、要求額の5分の１だった。ゼロ査定に終わった南極観測船「しらせ」の後継船建造費も盛り込むよう働きかけている。
(貼付終り）金の子守熊です。予算折衝を経験したことのある公務員の方なら常識でしょうが、復活折衝というのは「儀式」に過ぎません。例外はもちろんありますが。財源が限られている中で、1日くらい折衝したくらいで、落ちた予算が「復活する」などということは、普通はありません。8月末に概算要求を財務省に提出するときには、財源の手当を含めて要求するのが普通ですから、それが財務省の主計局段階で査定（調査して決定するという業界用語）されて、落とされる事はほとんどありません。要求内容すなわち政策の内容が重要と判断される場合に、主計局で決定したという形をとらずに、重要度に応じて局長、次官とか大臣とかに判断をゆだねる「形」をとるだけです。例外はありますが。
特に新聞記事になるような事項については、関係国会議員を含め、すでに事前に調整がついています。昔からそうでした。それでも５、６年位までは、地方からも知事や市町村長たちが大勢上京してきて、地元選出国会議員たちと連絡をとりながら、たとえば、「わが県への道路予算はどれくらい予算をつけてもらえるだろうか」などと、復活折衝の成り行きを見守っていたものでした。「倫理法」が施行されるまでは各省庁に地方名物の「差し入れ」合戦が華やかでした。今でも地方の長たちは上京していますが、以前に比べればずっと簡素になっています。「形式」というのは分っているし、差し入れも受け取ってもらえませんから。情報収集と一応「ご挨拶」のために上京することは依然意味がありますが。
今後はこういった風景もなくなるかもしれません。「金の切れ目は縁の切れ目」ともいいますが、地方の税財源移譲もいよいよ「手切れ金」の段階に達してきつつあります。地方の立場からいえば1円でも多く国から奪いたいのが本音だと思います。
そういった地方の「本音」を知った上であえていやみを言っているのが、石原東京都知事です。彼の主張も「正論」には違いないが。国に秋波を送っているようにもみえます。この「ええかっこしい」め。同じくNIKKEI NETから。(貼付開始）
(12/19)三位一体巡り知事会議で舌戦、足並みに乱れも「全国知事会の提言は国依存体質を露呈している」。東京都の石原慎太郎知事は19日の全国知事会議で、国と地方の三位一体改革での全国知事会や梶原拓会長の対応を批判した。これに対し、梶原会長は「提言などは事前に各知事の意見を聞いてまとめている」などと反論した。
石原知事は、梶原会長が所得譲与税を評価するコメントを出したことを「一体誰の許可を得てこういうことをしたのか」と批判。梶原会長は、コメントは知事会など地方六団体で表現を調整してまとめたと応じた。
地方交付税の不交付団体の立場から石原知事は「知事会は（交付税による財源保障という）目先の利益だけを守ろうとしている」とも指摘。梶原会長は「東京は別という意識は全くない」などと述べ、三位一体改革を進めるためにも地方が割れているという印象を持たれまいと努めて冷静な口ぶりで応対した。
(貼付終り）以上、金の子守熊 拝
金の子守熊です。
前回の投稿、[254] ガス抜き - 投稿者：金の子守熊(no2145) 投稿日：2003/12/07(Sun) 17:10:08
、で紹介しました、知事会と小泉首相との懇談会に同席した新聞記者の感想記です。この記者も「ガス抜き」ということは承知している、と思います。でなければ、大したことはない。(引用開始)12月8日 西日本新聞 「直言、曲言」
情けない知事会議での陳情首相官邸で一日にあった政府主催の全国都道府県知事会議での一部知事の発言は情けなかった。
税財政から国と地方の関係を見直そうという「三位一体の改革」が政治課題となる中、個別事業を小泉潤一郎首相に陳情。本気で地方分権を実現する気概があるのか疑問すら感じさせた。
政府主催の知事会議は、おおむね年に１回｡首相と知事が直接、意見を交わすのが狙いで、今回は小泉主要が掲げる、補助金削減、国から地方への税源移譲、地方交付税見直しの三位一体改革が論議の中心になった・
知事たちが槍玉にあげたのは、各省が打ち出した補助金削減案。厚生労働省の生活保護費補助率切り下げなどについて｢地方の自由度を高めることにつながらない｣(岩手県の増田寛也知事）との批判が相次いだ。
「補助金は原則廃止」(新潟県の平山征夫知事）とより大胆な改革を求める声も出た。税源移譲や交付税改革に関して「地方によって税源の偏在は歴然」(福島県の佐藤栄佐久知事）との懸念も聞かれた。二時間足らずの論議だったが、三位一体改革の課題は浮き彫りになった。
こうした意見に対して、小泉首相が｢地方の努力が報われる改革にしなければならない」と語り、会議後に各省の補助金削減案を見直すよう指示したのも、知事側の熱気を感じたからであろう｡
そんな中で、高速道路や新幹線、空港の整備を求める声も出た。今回だけは出ないだろうと淡い期待を寄せていたが、甘かった。個別の高速道名を挙げた知事も降り、司会の麻生太郎総務相から「(全体的な)地域再生論に絞って｣と注意される一幕もあった｡
｢分権の前提として基盤整備は必要」かもしれないが、この知事会議は過去のような予算要望の場ではない｡しかも小泉構造改革の柱として高速道整備のあり方が問われている時期。公共事業の意味や課題を論議するならいざ知らず、お定まりの陳情では寂しい｡
場や時をわきまえない陳情が飛び出した瞬間、首相はニヤリと笑った｡「地方は相変わらずだな」という視線が感じられた。分権に消極的な国の言い分が「地方は力量不足」。いつまでもこんな言い逃れを許す余地を与えてはいけない。(大西）(引用おわり）
金の子守熊です。
「地方は力量不足」と言われつづけて何年経つだろう。地方自治法が施行されてから５０年以上経つが、その当時から言われつづけてきた。私が県庁に入ったのが２０年前、その頃は「地方の時代」と言われ、当時の平松大分県知事、細川熊本県知事、岩国出雲市長などが「スター」としてもてはやされ、「遷都論」の盛り上がりもあった。しかしそのときでも、「地方は力量不足」で、自治省や建設省、厚生省、文部省などの中央官庁から多くの役人が「天下ってきて」主要ポストを占めていた。今では大分改善されているが。そのときの理由も本音では「地方には人材がいないから」「仕方なく来ている」といったものだった。
今になって、地方分権が加速されてきている。国の財政状況の悪化が、もう地方を支えられなくなってきているからだ。「力量不足」が解消されたわけではなかろう。力量よりも「制度」の方が問題であったのだ。しかし、「制度」には「利権(利益と権限）」がつきものだから、国もおいしくなくならないと地方に権限を移譲しないのである。当たり前じゃないかと言われればそうなのだが。
かつて、（今でも？）、「地方自治」はわが国にとって固有のものか（固有説）、制度的なものか（伝来説）という議論があった。当時の通説は、「地方自治」そのものは昔からある固有ものだが、制度的には外国（戦前はフランス、戦後はアメリカ）の制度を移植したから伝来したものだ、というものであったと記憶している。大学３年のちょうど今ごろ、ひよっとしたら、公務員試験に出るかもしれぬと一生懸命田中二郎の教科書をなめるように読んでいた。その頃がなつかしい。年かな？
以上
金の子守熊拝（追伸）公務員志望の皆さんへ
この不況下では、公務員を目指す人たちが、この「学問道場」を見ておられる方の中にも多くおられるようで、それはやむをえないことなのかも知れない。それならそれで割り切って勉強に専念してください。下手な「選手宣誓」や「決意表明」は無用だ。そんなものは合格してから考えよ。学問道場へのアクセスや投稿も控えるくらいでちょうどいい。公務員試験も大学受験と同じで、傾向と対策をつかんで、ひたすら数をこなす、ということをこの半年くらいどれくらい集中してやれるかにかかっている。ただそれだけのことだ。現在の傾向と対策は予備校や受験雑誌にあふれるほど載っているのでそれを参考にすればよい。その程度の情報を集め、選択し、集中できなければ合格はおぼつかない。
私が受験した頃は、第２次石油ショックとバブルの中間期で、旧帝大や早慶の人たちは別として就職状況は厳しかった。それで地方公務員も競争率が高かった。そのときでもそうだが、本当に準備している者は百人に一人くらいだった。私のときは試験会場が１部屋４０人だったが、１次試験に合格したのは２〜３部屋に一人だ。もっとも受験番号の若い組は１部屋に２人くらいいたが。国家１種でも、裁判所上級でもそうだった。今でもそんなものだろう。だから競争率など恐れるに足りない。もっとザッハリヒに撤せよ。コネが気になっているようでは、それだけで負けている。前にも書いたことがあるが、コネは役所に入ってから意味が出てくる。入る時には「油断の原因」しかならない。
そうして、めでたく合格したら、その後でいいから、どうせ卒論以外は卒業まで学校にでてくることもないだろうから、ご自分の「専門分野」の復習をしていただきたい。何も法学に限らない。文学でもなんでもいい。ご自分の専門知識をできるだけ多く身に付けておけ。「学校時代に学んだ知識は社会に出てから役に立たない」というのは、行政マンの仕事に関する限り「うそ」だ。単に役に立つだけの知識を身に付けていない、というだけのこと。勉強不足ということだ。
係長（民間では課長だ）という末端ではあるが、人を使う立場になって特に感じることがある。公務員学校だけで合格してきた人は、ルーチンワークはそこそこやるが、それ以上の自分で問題解決をしなければいけない場面や何か企画的な仕事をやらせようとすると、途端に「フリーズ」してしまう。その点自分の「専門分野」を本格的に、ということは「体系的」に身に付けている者は、最初はもたもたしていても、なれればものになってくる。こういう言い方は語弊があるかもしれないが、ルーチンワークなら高卒で役所に入ってきた人の方が経験時間が長いだけよほど手馴れている。大卒でルーチンしか出来ない者ほど変にプライドがあって怒ればいじける。使えない。辞めたいとごねる。司法試験を受けるなどと言い出す。どうぞ辞めてくれ。代わりはいくらでもいる。そんな人で司法試験や公認会計士に受かった人をみたことがない。公務員の仕事は民間ほどではないかもしれないが、それでも「仕事」である限り一定の厳しさがある。さぼっているやつの陰では文句をいわず黙々と仕事をしている人たちがいて、そういう人たちが支えている。しかし早晩限界が来るだろう。
それに、公務員の仕事はルーチン的なものは減少してきており、総定数も減ってきている。この傾向は今後も続くだろうから、ルーチンしかできない人は「無用」であって、そういう人が増えたら困るのである。この「学問道場」にアクセスするほどの方々ならそういうことはない、と期待している。どうぞ時節柄体調に気をつけながら頑張ってください。(拝）
金の子守熊です。少し間があきましてすみません。
補助金削減と税源移譲の問題が、官邸と霞ヶ関でさかんに議論されています。
来年度予算にかかる財務省内示（政府案）が決定される今月25日前後には、とりあえずの結論が出ることになっております。
すでに、調整案はできあがっており、現在は、きびしい案を出して、関係方面の反応を見る、『ガス抜き』の段階にあります。
今までの補助金削減は、そのまま地方への税源移譲＝地方交付税（基準財政需要額）への算入という形をとっていました。従って今回のポイントは地方交付税抑制をどこまでやるか、ということになります。しかし結局は地方債発行枠（借金をどこまで認めるか）とセットでバランスをとりますから、それをにらんで最終調整が図られるでしょう。
財政課の連中に聞くと、地方に税源が移譲されると、おおむね2割くらい収入が減るのでその範囲で節減をかけるか、地方債に振り替えられないものは、財政調整基金等のへそくりを取り崩す事になるだろう、とのこと。
行政現場での調整が厳しくなっていきます。地方の側も充分わかっています。次に紹介する知事会も「ガス抜き」と知りながら、少しでも調整の範囲を広げようと駆け引きしているのです。もちろん財政当局はそれを見越して予算を編成していきます、というか事実上編成が終わっています。それが実務というものです。
以上のことを念頭におかれて、次の新聞記事を参照いただければ幸いです。
（貼り付け開始）12月2日 朝日新聞
「つじつま合わせなら全国的反対運動」 補助金1兆円削減 知事会、各省対応を批判
小泉首相、主要閣僚と全国知事会との懇談会が１日、首相官邸で開かれ、国と地方の税財政の『三位一体』改革首相が指示した『補助金１兆円削減』への各省への対応について、知事会側から批判が相次いだ。
梶原拓会長(岐阜県知事）は首相の『１兆円削減』指示を評価しながらも、厚生労働省が示した生活保護費などの国庫負担割合引き下げや文部科学省の義務教育国庫負担金の退職手当の一般財源化について『安直な補助率カットや目先の数字のつじつま合わせになれば、全国的な反対運動を立ち上げざるを得ない』と批判した。
片山善博・鳥取県知事は「このままでは借金の付回しになるだけ。量ではなく質の問題が重要だ」と指摘。他の知事からも「補助率引き下げだけでは地方に負担を転嫁することになる」などの批判が相次いだ。
小泉首相は「地方の自由度が大きくなる改革をするよう各大臣に指示した」と強調。谷垣財務相は「国の制度改革と地方の執行面の改革を車の両輪として進めなければ。次年度以降の改革も含めて議論せざるを得ない」と述べた。以 上
金の子守熊 拝追伸：社会保障関係（年金、福祉等）の投稿を期待しています。またそれ以外でも制度説明でも、公務員以外の方々にとっては新鮮な面もあると思います。
いわゆるぼやき、愚痴の類もご遠慮なくどうぞ。国家公務員の方もかなりおられるようなので、どうぞ投稿なさってください。
>
> 補助金も地方自治体が溜め込むのではなく、結局は地方の民間にお金を移す事である。今後は配分調整が難しくなる。実務上は無駄な継続分を見直して止めさせるよりも、必要があっても新規分を認めないというやり方が比較的調整が容易だ。早い者勝ちである。用地交渉などは余り粘っていると原資がないので打ち切り若しくは延期ということになりかねない。「ごね得」という言葉が死語になりつつある。先の見える人々はすでに気づいているが・・。
→補助金削減は、「無駄な」公共事業を止めるのに、丁度よい機会である。
実務をやっていて、毎日思うことだが、「無駄な」「実効性の無い」公共事業が多すぎる。
公（おおやけ）のため、本当に必要な事業だけをおこなうべきである。金の子守熊です。
公務員エースさん、投稿ありがとうございます。お久しぶりです。ここ2ヶ月ばかり投稿者が私だけでしたので、少しさびしい思いをしていました。お仕事のほうも年度末に向けて忙しくなるばかりでしょうが、今後ともよろしく投稿お願いします。
岐丸さん、にせNWEさん、そろそろどうでしょうか。
金の子守熊です。
地方補助金の初年度1兆円廃止の関連記事です。(貼付開始）
補助金削減目標額、政府が厚労省など４省に提示政府は２２日、地方財政の「三位一体改革」について、小泉首相が示した補助金の１兆円削減方針を具体化するため、関係省庁による次官級協議を首相官邸で行った。二橋正弘官房副長官は補助金の額が多い厚生労働、国土交通、農水、文部科学の４省に対し、総額５５００億円の削減目標額を示した。
２００４年度予算編成をめぐっては、複数の省庁にまたがる公共事業関係補助金の約２５００億円、教職員を対象とした退職・児童手当の２３００億円をそれぞれ削減するなどの方針が固まっている。政府は今回の削減目標を実行することで、１兆円削減を目指す。削減目標額については、次官協議に先立ち、２２日、二橋副長官と財務、総務両省の次官らが協議して決定した。４省の目標額は、厚労省が２５００億円、国交省が２３００億円、農水省が５００億円、文科省は２００億円（教職員関係の２３００億円を除く）。
二橋副長官は２８日までに、目標を踏まえた具体的な削減額を財務、総務両省に回答するよう各次官に指示した。４省以外の省庁に対しても、地方自治体の事務として定着している経常的事務事業への補助金などの廃止を求める。
(2003/11/23/03:02 読売新聞 )
(貼付終り）金の子守熊です。今日の朝のテレビで田原総一郎が「霞ヶ関は大騒ぎになっている」と言っていたが、そうでもないと思う。削減する予算項目は事前に検討、調整済みのものが多いはずだ。一番争点になるのが税源移譲をどれだけ認めるかということ。具体的には、地方交付税にどれだけ算入してもらえるかということである。本当に税源移譲がないのなら、地方は予算を組むめどが立たなくなるのでそれこそ大騒ぎになるが。交付税に組み込まなければ地方債を増発することを認めることになるだろう。国から補助金をもらうよりは一定の抑制効果は働くと思う。いくら国が認めても借金できる限度があるから（経常収支比率）。
補助金も地方自治体が溜め込むのではなく、結局は地方の民間にお金を移す事である。今後は配分調整が難しくなる。実務上は無駄な継続分を見直して止めさせるよりも、必要があっても新規分を認めないというやり方が比較的調整が容易だ。早い者勝ちである。用地交渉などは余り粘っていると原資がないので打ち切り若しくは延期ということになりかねない。「ごね得」という言葉が死語になりつつある。先の見える人々はすでに気づいているが・・。以上 金の子守熊 拝
金の子守熊です。
政府の緊急雇用対策の効果がなかった、という批判記事です。そもそもこういう対策は景気が回復するまでのつなぎ、というべきもので、単独では効果を発揮せず、本格的な景気対策を補完するものです。これだけを「役に立たない」と批判してもしようがない。しかしそれにしてもお粗末な対応だ。わざとかな。厚生労働省はやめるきっかけを探しているのかな？
（貼り付け開始）
平成15年（2003年）11月13日 朝日新聞緊急地域対策 終了後雇用２．５％ 厚労省「継続化」根拠揺らぐ
政府の緊急地域雇用創出特別交付金で02年度に雇われた人のうち､半年の期間終了後に同じ事業所で正式雇用された人は2．5％にとどまることが厚生労働省の調査で分った.同交付金は01年秋の緊急雇用対策で打ち出されたが､短期間の臨時雇用では一時しのぎにしかならないと､国会で追求されていた。厚労省は半年後の就業状況の抽出調査を元に政策効果をPRしていたが､調査対象が無作為抽出されていなかったことも判明､批判を招きそうだ。
同交付金事業は､一定期間の生活保障をすることが最大の目的ではあるが､安定雇用につなげることも重要な課題だ.
厚労省が事業を実施した全自治体から報告をまとめ､まとめたデータによると､02年度中約1339億円の交付金を投じて全国で雇われた約18万5千人のうち、同じ事業所で継続雇用されたのは4723人だけ。01年度は交付金が約89億円で、2万3038人を雇い、継続雇用は362人だった。今年度も約1400億円の予算が計上され､事業が続いている。
この交付金をめぐっては､国会で野党議員が「つなぎの臨時雇用だとしても常用雇用への道筋をつけないと役に立たない」などと再三追及。厚労省の職業安定局長が「交付金終了後に雇用につながるよう自治体にお願いしている」と答弁、自治体に同種子の通達も出していた。
こうした批判もあり、厚労省は、01年度事業で雇われた人が期間終了の半年後に何らかの仕事についているか追跡調査。「02年9月現在で就職している人が57%にのぼっており、再就職にいたる『つなぎ』として一定の機能を果たしている」と、同省ホームページの｢政策評価｣のコーナーで反論を展開していた。
57%の内訳では、「新しい仕事に就いた」（42%）と継続雇用で大半を占めたが、今回の全体調査で､継続雇用は実際には1．6%だったことが分り、57%の信憑性が大きく揺らいだ格好だ。
同省では、調査対象者の抽出を各自治体に任せていたとし、朝日新聞が複数の県に取材したところ、「継続雇用してくれた事務所のほうが頼みやすかった」「公務員の増員は難しいので、自治体の直接雇用は継続雇用につながらない。調査対象から除外した」など、良い結果が出るよう意図的に抽出していたことを認めた。（貼り付け終わり）
金の子守熊です。「継続雇用につながるよう自治体にお願いしている」と言われてもねえ。どうしたらいいの。非現実的なことを平気で言う。「調査対象者の抽出を各自治体に任せていた」とはよくも言ったな。「指導・示唆」が入っていたくせに。
この交付金制度は、雇用保険の給付期間が切れてしまった人を一時的に避難させる目的もあったはずだ。地方の事業所で一時的にせよ雇用された人は一息ついたはずだが、景気がこうでは事業所が抱えきれない。期間が切れれば継続しないのは仕方がない。またそういう事業所もない地域は、自治体で受け入れるしかないがこれも続かない。やはり景気が回復しないとだめなのである。現状ではこれ以上の所得移転政策を行うためには、「増税」するか「借金」するしかない。増税は現実難しい。借金（公債）も限度がある。やはり「税としてのインフレ」しかないのか。以上 金の子守熊拝
金の子守熊です。市町村合併の見込みについては、以前当掲示板に、ワーカーズの直氏が毎日新聞の観測を貼り付けていただいている。（[205] 市町村合併で、自治体数は１８００程度になる 投稿者：ワーカーズの直 投稿日：2003/08/17(Sun) 09:46:37）。日本経済新聞も同様の調査を行っておりその記事を貼り付ける。(貼付開始）
平成15年(2003年)10月30日 日本経済新聞3000市町村、合併で2000に 2005年3月見通し、本社調査
全国10県で半減 政府「規模1万人」あげ推進三千百八十一ある市町村が合併特例法の期限の二〇〇五年三月末までに二千弱に再編される見通しだ。日本経済新聞社が全国の合併協議の状況を調査した。西日本を中心に十九県で市町村が半数以下になる一方、東日本は遅れ気味。政府は二十九日、合併を更に推進するため、市町村最低人口の目安を一万人とする方針を固めた。だが合併に伴う地方債の発行が膨らむなど、地方行財政を効率化する効果は今のところ限定的だ。
政府は地方行革の切り札として「平成の大合併」を推進してきた。地方交付税など国からの財政資金が細る一方、福祉などの支出は増す。似た施設がどの市町村にもある無駄をなくし行政サービスを効率化する狙いだ。
再編後の市町村数は千九百六十三になる見込み。北陸、四国、九州地方で現在の六割以下に、東海、中国地方では半数に減る。一方、北海道や東北では合併の条件を詰める法定協議会に参加する市町村の割合は低い。戦後の｢昭和の大合併」で"東高西低"だったのと逆になっている。東京都内は合併協議中の自治体はゼロ。大都市圏は地方交付税への依存度が低いことが背景にある。
十月一日時点の法定協は全国で四百二十一。一方で合併後の市の名称などで調整がつかず解散･休止した協議会もこの半年で三十四と利害調整の難しさが浮かび上がる。協議が難航する自治体が増えれば総務省の当面の目標である二千自治体に届かない可能性もある。
政府は二〇〇五年度以降も合併推進を継続する構え。地方制度調査会(首相の諮問機関、諸井虔会長)は来月十三日にまとめる最終答申で、小規模市町村を主な対象に各都道府県が合併の基本構想を策定するとともに、市町村の最低人口の目安を一万人とした上で合併を促す方針だ。
答申を受け総務省は、次期通常国会に提出を準備している新法で、都道府県が合併構想を元に市町村に合併勧告をしたり合意形成に向けあっせんする制度も検討する。
ただ、合併自治体への財政支援は基本的に継続しない方針。優遇措置のある現行特例法の期限内に合併の枠組みを固めるよう働きかける。(貼付終わり）
金の子守熊です。上記記事に続いて、市町村合併の状況について問題点を指摘している。(貼付開始）
合併効果には疑問も 財政優遇、人員削減先送り
市町村合併は地方行政の効率化という本来目的に必ずしも合致しない内部矛盾をはらんでいる。政府は地方への交付税肥大化など無駄遣い批判をかわすために合併推進を前面に打ち出してきたが、再編を渋る市町村を合併に誘う手段として交付税や地方債を潤沢に投入。一方で地方議員や職員削減を先送りする例が多く、リストラ効果は見られないのが実情だ。
政府が財政優遇策を拡充したのは1999年度。合併後十年は合併前の普通交付税額を、記念公園や公民館、新庁舎建設といった合併に伴う新規公共事業の財源として合併特例債の発行を認めるなど様々な｢アメ｣を用意した。
特例債返済の七割は国からの交付税を充てる仕組みで、すでに四百四十九億円を発行。今年度中に二千億円、来年度五千億円と膨らむ見通しだ。
地方は合併を身を切る改革の契機ととらえていない。地方議員は新設合併の場合、二年以内は合併前の全員の留任が可能だし、職員数削減や旧庁舎閉鎖といったリストラもほとんど手付かずだ。
逆に小規模町村の住民にしわ寄せも出始めた。隣接市との合併で住民税や水道料が上がった例もある.行政効率化の目標が骨抜きになり、数合わせに終わる恐れもある。
(貼付終り）
金の子守熊です。若干コメントする。１「地方行政の効率化」は確かに市町村合併の目的ではあるが、その一方で市町村合併をしても住民サービスの維持･向上や地域としてのまとまりの確保、「住民の顔が見えるぬくもりのある行政」を実現することが求められており、そのためにあくまでも地域住民の「自主的」な取組みを行うことが求められている（市町村の合併の推進についての指針 自治振第95号 平成11年八月六日）。この建前はあくまでも守られることになっており、合併特例債などの優遇措置や議員の任期などの経過措置はすべてこの考えをベースに施されている。ここをまず押さえていきたい。
２「地方は合併を身を切る改革の契機ととらえていない」という指摘はまさにそのとおりで、結果的に改革になると考えているのが本音だろう。また「上からの改革」だからこれに逆らってもこの先ろくな事はない。例えば地方交付税でも、基準財政需要額（いくらお金がかかるかという基準）の積算根拠は、単価や補正係数を少しづついじることで「見直されている」。合併しようがしまいが締め付け傾向にあるのは、市町村はわかっている。合併特例債も起債制限比率の枠外となっているが、経常収支全体でのしばりがあるから、他の地方債が発行できなくなるだけだからこれも同じ。ただ、他の地方債を使おうと思っても国が認めないから、合併特例債が使えるようにする（＝合併に動く）ことを選択する傾向はあるだろう。
３「水道料が上がった例もある」のも事実だろう。しかし大部分の市町村では程度の差はあるが早晩水道料金を上げざるをえなくなるだろう。なぜなら地下水や河川の表流水の水質悪化が著しいし、また来年度から水質基準が厳しくなって「農薬混入の規制」が厳しくなる。となると今まで以上に汲み上げた水を浄化するためのコストがかかるから水道料金値上げにつながる。個人の井戸水は使用できなくなる。それなら合併してスケールメリットを享受したほうが良いという判断も出てこよう。職員数もすぐには減らないが、合併して10年後は減らさなくてはならなくなるから、今のうちから少しづつ抑制していくだろう。「激変緩和」は役人の得意とする所である。
４ 市町村合併に関する記事を見ていると、推進にせよ反対にせよ、地元市町村を甘く見ているような印象を受ける。彼等は馬鹿ではない。彼等はしたたかだ。中国では「上に政策あれば下に対策あり」という言葉があるそうだが、これはわが国の地方自治体にも当てはまる。今後の成り行きをご覧あれ。
以上 金の子守熊 拝
金の子守熊です。市町村合併は、規模が大きくなる反面、従来の「町村役場」が出張所扱いになる。そのため、離島などの新市中心部から遠い所面倒を見てもらえるのかという不安がある。また今まで「役場」がささえてきた地域の祭りなどの「むらおこし」の担い手の問題や地域の一体性が失われてしまうのではないかという懸念が生じている。
これらに対応するため、新市内での「地域自治組織」の設置について検討されている。また道州制についても具体的な「かたち」の検討が始まっている。(貼り付け開始）
2003年（平成15年）10月20日 官庁速報
◎特別公共団体タイプの設置限定＝地域自治組織、「公選」見送りも提案 総務省
総務省は、「第27次地方制度調査会」（首相の諮問機関）専門小委員会に、新たに市町村内への設置を認める｢地方自治組織｣や「道州制｣などに対する考えを整理した資料を提出した。地方自治組織は、4月の中間報告の内容を変更。法人格を持つ特別地方公共団体タイプを設けることのできるケースや期間を限定する仕組みを検討するほか、議決機関のメンバーの公選を見送ることを提案した。道州制については、現在の都道府県を廃止して設ける広域自治体などを定義した上で、権限や区域など具体論を第28次地方制度調査会で本格的に審議する方針を表明した。
中間報告は、地域自治組織に関し、政令市内の区のような行政区タイプと、町おこしなど地域の共同的な事務の決定権などを持つ特別地方公共団体タイプの2種類の設置を提言。当面、合併した市町村にだけ旧市町村単位で認める方針だった。
しかし、その後、特別地方公共団体タイプについて、以前から慎重だった自民党だけでなく、合併の中心となる市などからも｢新しい自治体の一体性を阻害する｣といった懸念の声が出た。このため、今回の総務省案では、｢当面、（合併前の）旧市町村単位のまとまりを維持することが必要と判断される場合」に限り、期限つきで設けられる仕組みを検討するよう提言。議決機関（評議会）の構成員選出方法も、公選法によらない選挙や公募などとするよう提案した。
設置を認めるケースは、離島や山間地にある市町村のほか、｢文化的･歴史的にまとまりのある地域など、アイデンティティーの強い所｣（松本英昭専門小委員長）が合併する場合などを想定。設置期限は合併協議で決める。
その一方で行政区タイプは、合併した市町村に限らず、一般制度としての導入を提言。設置区域も自治体の判断で定めるとしている。
こうした同省案に対し、行政区タイプの一般制度化には異論は出なかった。ただ、一部委員から特別地方公共団体も合併に関係なく設置できるよう求める意見も出たため、結論は留保した。
一方、道州制に関しては、現在は国が所管する｢基幹的交通基盤｣の整備など全国規模の事業の権限も大部分を道州に移譲するよう提言。個別事業名は挙げていないが、例えば幹線道路網の整備も道州のブロック内で完結する路線の場合、権限を委譲するなどを想定している。
このほか、（１）国の役割は外交･防衛など「国家の存立に関わる事務」や生活保護規準や自治体の組織･運営の基本など全国で統一して決めた方が望ましい基準の作成に限定（２）地方支分部局の権限も、入国管理や関税などを除き道州に移管（３）道州の「長」や「議員」は公選ーーなどと定義。道州制導入に対する慎重意見も「留意事項」に付記しているが、中間報告よりも踏み込んだ提言内容になった。設置方法は、全国一斉に移行する場合と要件を満たすところから順次移行する場合の両論を併記した。
同省は、こうした論点を含め、道州の権限や区域、設置手続き、国・道州・基礎的自治体の関係などについて、さらに第２８次地制調で議論を深める方針だ。（了）（貼り付け終わり）
金の子守熊です。中間報告の内容を一読した限りにおいては、基本的な論点を押さえている。今後はこれをベースに議論になる。民間レベルの議論でもこの報告書の論点を押さえておく必要があろう。
ここでも最大の問題は、税財政問題である。現時点での三位一体改革は、現行地方制度を前提に議論されている。都道府県の存在を前提にした税財源移譲である。これをどう調整し道州までもっていくか。
ここで副島隆彦氏の「預金封鎖」のシナリオが現実性を帯びてくる。政府（中央・地方）の側からみれば、インフレーションもまた「税金」である。この視点は通常の財政学のテキストには書いていないが、「公共選択」のＪ・ブキャナンの教科書には一章を割いて解説してある（「ブキャナン財政学入門・第１９章 租税としてのインフレーション」深沢実監訳 昭和４８年６月 文真堂）
ここではその内容は紹介しないが、この「インフレーションを税金」と考える発想は伝統的な発想で、例えば江戸時代の貨幣改鋳もその例である。当時は金の含有量を減らしたが、現在では「財産税」を取って実質価値を下げるのである。そこまでしなくてもインフレを読み込んでおけばよい。
本当に地方に税財源を移譲するためには、インフレを起こして財投や日銀、地方銀行に「澱（おり）」のように貯まっている借金を相当程度「償却」してしまわないとすまないのである。そうしないと国（財務省）は基幹税である所得税を渡せないし、地方の側も建前は別として受け取れないのである（持参金ならぬ「借金」がついてくる）。このままでは、中途半端な財源移譲になってしまう。
「リフレーション」にとどまるのか、ハイパーインフレまで行き着くのかは今後の推移をみてみる必要があるが、副島氏の「預金封鎖」は財政当局の本音をついたシナリオであり、預金封鎖、そして「財産税」はインフレを防ぐ（または最小限度に押さえる）ための手段でもある。
そこまでしなくてもいずれある程度のインフレに持っていくことは国・地方を問わず財政当局の「暗黙の合意事項」であろうと思う。さて、どうしたものか。以上 金の子守熊拝
○中間報告（第２７次地方制度調査会 専門小委員会）
http://www.soumu.go.jp/singi/No27_senmon32.html
金の子守熊です。
総務省が、衆院選のアピールに意気込んでいる、という記事です。その効果やいかん。そもそも若者は新聞を見ているのかなあ？(貼り付け開始）
2003年（平成15年10月20日）官庁速報（中央官庁だより）◇若者よ、投票へいこう＝総務省
衆院選の啓発イメージキャラクターに、女優の木村佳乃さんと世界水泳金メダリストの北島康介さんを起用し、選挙期間中、｢あらゆる広告媒体を通じて啓発活動に努めてもらう」(厚地弘毅選挙本部管理課長）ことになった。これまでも代理店から啓発ポスターなどに起用する芸能人を推薦してもらっていたが、｢大々的に(国政選挙の)キャラクターとして任命するのは初めて」（田丸行雄選挙管官）。しかも今回は、投票率の低い２０代にアピールするのに最もふさわしい人物として2人の起用を先に決めてから｢代理店に交渉に当たってもらった｣（同）という熱のいれよう。背景には、近年、政治的無関心層の増加が著しい上、この春の統一地方選で投票率が全選挙種で過去最低を記録したことがあるようだ。今回から新たに、新聞の中では若者が一番良く見ると思われる夕刊テレビ欄に１０段広告を打つなど啓発を強化。投票率低下に｢何とか歯止めを掛けたい」（同）と意気込んでいる。（了）
（貼り付け終わり）
金の子守熊です。木村佳乃って、若者にそんなに受けているのだろうか。「おじ様向け」かと思っていた・・・。（拝）
金の子守熊です。
地方交付税に関する、民主党のマニフェストは財務省が批判しています。趣旨は当掲示板で照会してきたもの。平成15年(2003年)10月20日 官庁速報より貼り付け
◇第二の地方交付税＝財務省（１）
今回の総選挙で争点になっている各党のマニフェスト(政権公約)。地方税財政の三位一体改革に関連して民主党は国庫補助負担金を16兆円削減し、12兆円を地方への一括交付金とすることを提案しているが、省内の評判は芳しくない。というのは、マニフェストでは、一括交付金に加え5兆5000億円を地方に税源移譲するとしており、実際に歳出のスリム化につながるのは5000億円だけ。主計局は｢大事な事はきちんと蛇口(地方の歳出)を閉めること。やらないといけない改革には逆行する｣と厳しいコメント。｢一括で配って果たして実現すべき政策をきちんと行う担保はどこにあるのか｣(同局)というのも疑問点の一つで、｢今の地方交付税18兆円に12兆円を足して30兆円も地方にやるというのか。地方の歳出を肥大化させるだけで、これでは第二の交付税だ｣(同)というのが同省の解釈。｢交付税の財源補償機能という最悪の所を極大化させる制度だ。口をあけて待っていればすむという虫のいい話だ｣とばっさり。(了)
(以上貼り付け終わり）金の子守熊です。ここまで露骨に言われるとかえって快感を感じる（苦笑）。地方にお金を渡すとろくなことに使わないという不信感がもろにでている。実際は、税源が偏在（税金をとれる地域が偏っていること）しているので、そのまま地方に税源移譲すると地方の格差が出てしまう。そこで総務省が一括管理して再配分することになるだろう。これでは「内務省の復活」、「財務省の権限縮小」だ。財務省VS総務省の闘いはまだまだ続く。 次は財務省の「逆襲」（？）の記事です。日本経済新聞の記事が財務省の意向をよく反映した書きぶりになっている。
(貼り付け開始）
平成15年(2003年)10月22日 日本経済新聞地方交付税削減 提言へ 財政審｢給与など見直し余地」
財政制度審議会(財務省の諮問機関)は二十一日、財政制度分科会(西室泰三分科会長）を開き、国と地方の税財政計画(三位一体改革)について協議した。国の厳しい財政事情に配慮し、地方自治体の収入不足を埋め合わせている地方交付税の削減を求める方向で一致。高すぎる地方公務員の給与や、地方単独の公共事業などで歳出の無駄を省くよう促す考えだ。
財政審が十一月二十六日にまとめる来年度予算案の編成に向けた提言でこうした方針を示す。
地方交付税は国が自治体の収入不足を穴埋めするものだが、｢無駄な歳出を含めて国が面倒を見る形になり、地方の自立をかえって阻んでいる｣との批判がある。今年度で約十七兆円と、国の予算の二割を占めるまでに膨らみ、国の財政を圧迫する要因になっている。
財政審は例えば、運転手や清掃職員など技能労務職の地方公務員の平均給与額が三十二万九千三百円で同種の国家公務員の平均月給(二十九万七百円)より一割高い実態を重視。こうした実態を反映して総務省が計算している地方交付税額の算定根拠を費目別に一つ見直していくよう求める考えだ。国が補助金を出さず、自治体が単独で実施する公共事業費などの見積もりも改めるよう求める。二千年度は見積り額と決算額に約六兆円の格差が出るなど、ずさんな見積もりの実態が判明しており、財政審は｢実態にあわせて削るべきだ｣と見ている。
(貼り付け終わり）
金の子守熊です。この日本経済新聞の記事は、非常に扇動的な記事だ。｢高すぎる地方公務員給与」｢無駄な歳出を含めて国が面倒をみる」｢国家公務員より一割高い実態・・・・を反映している地方交付税額の算定根拠」｢ずさんな見積もりの実態」など、客観公正な記事が売り物の日本経済新聞にしては露骨な表現になっている。もっとも全くの事実無根というわけでないのでその辺はうまいなあと感心した。以下いくつかコメントする。
１ まず、この財政審（分科会長が、片山鳥取知事がかみついたあの西室泰三氏とは面白いが）が提言の対象が「地方財政計画」であることを記事では明言していない。他紙では見出しになっているのに。これがうまいというか記事を書くための前提になっている。そうしないと上記のような記事は書けない。
２ なぜなら、地方財政計画は、地方交付税や地方債の財源保障のほかに、毎年度のあるべき地方行政水準や行財政制度の改正に伴う「経費の増減等を標準的な姿」で歳出に積算している。従って国庫補助･負担事業等に係る超過負担額や国家公務員を超える職員給与費等は参入されていない。これは自治体が独自に財源を確保してやっていることなので、国からとやかく言われる筋合いはないものである。日経記事は「地方交付税がそういう実態を反映させている」としているが、実際は逆で本当に反映させればもっと増えるはずだ。ただ地方交付税を削減すれば従来それでまかなっていたものを独自財源を充てなければならなくなるので、結果的に抑制されることになるだろうが。
３ また「ずさんな見積もり」ではなく、地方財政計画が当初予算ベースで策定されているためで、例えば国の補正予算などによる国庫補助金や地方債発行の増加(地方もそれにつきあうことになる）や、税収の増減などは参入されていないので、結果的に乖離が生じているものである。これはある意味当然の事である。しかしその乖離が余りに大きいと地方交付税の増額にもつながるので財務省としては抑制させるに超したことはないだろう。それなら当初から削減というよりも算定の対象からはずせば良い、ということになるのだろう。
４ 地方交付税の算定基準などは、法令で決まっているので、自動的に決まる仕組みになっている。財務省としては義務的に支出させられる。そこが同省にとっていやなので、仕組みそのものをいじりたいのである。他紙を読むとその意図がわかるように「正確に」報道されている。ちなみのその代表例として読売新聞の記事を貼り付ける。毎日新聞が質・量とも充実しているが、読売と日経の記事の量がほぼ同じなので比較のために選んだ。両紙の記事が「似て非なる」ことを理解していただければありがたい。
(貼り付け開始）
平成15年（2003年）10月22日 読売新聞財政審 交付税削減で一致 地財計画見直しで
財務省は21日、来年度予算編成に向け、地方財政計画の見直しに関する検討項目を財政制度審議会（財務省の諮問機関）に提示した。
それによると、�｜亙�が独自の判断で行う単独事業��国からの補助金で地方が行う事業のうち、地方に選択の余地がある奨励的補助金の地方負担�Ｃ影隼�業や補助事業の地方負担分を賄うために発行している地方債の元利償還費、 などを地方交付税の対象事業から外し、国による地方財源の補償範囲を狭めることを示した。不足する財源は、地方公務員の給与引き下げなどの歳出カットや地方独自の課税強化などで地方が賄うことを提言した。
地方財政の三位一体改革で国から地方に税源を移譲した場合、自治体間の税収に格差が生じる問題については、税収をプールするなどして自治体間でやり取りして調整する新方式と、現行の地方交付税の配分によって調整する方式の二案を示した。
これを受け、財政審は地財計画の総額抑制によって地方の歳入不足を国が穴埋めする地方交付税を削減することで一致した。そのための具体策は来月下旬にまとめる来年度予算編成の建議に盛り込む。政府が毎年予算とともに策定する地財計画は自治体全体の一年間の歳出と歳入の見込みを算出し、歳入不足を地方交付税で手当しているが、地方歳出の見込み額が本来必要な金額以上に算定されて地方交付税も増大し、国の財政を圧迫する要因となっている。
(以上貼り付け終わり）
金の子守熊です。私も担当している事業について、記者発表したり、取材を受けたりすることがある。そのとき取材に来る記者の取材の仕方によって新聞社の考えというか態度がおのずと分る。批判的なところは、最初からそのように決めてかかって、聞いて来る。予定原稿がすでにあって、それに微修正を加えるという感じである。そうでないときは、とにかく経緯からこちらの意図まで根掘り葉掘り聞き、関連取材も行った（これを「ウラをとる」という）上で記事を書いているようだ。この場合は割と「客観的」になる。
日経の記事はいずれとも違う。これはあくまでも私の推測だが、記者が親しい、というかいつも記事情報をもらっている財務省の担当官との普段からの話がベースにあって、憶測記事ではなく、リークとも違うが、財務省（その担当官）の主観がさりげなく入っている文章である。総務省もまた何らかの「手」をうつだろう。
以 上
金の子守熊 拝
金の子守熊です。
地方分権に関する「三位一体改革」（補助金削減、税源移譲、地方交付税改革（削減と言ったり言わなかったりする））についての各省間の「暗闘」の一つとして、直轄負担金問題に関する記事を貼り付けます。この記事を「読む」ためにいくつか補足します。１ 「直轄事業」とは、国が地方公共団体の手を介することなく国自らが直接 に行う事業である。国が直轄事業として実施することができる事業の範囲は それぞれの法律に規定されている。例えば道路については、国道の新設また は改築（道路法第12条）など。港湾、河川(ダムを含む）、海岸、農業農 村、空港、漁港、治山、砂防、災害関連緊急、激甚災害対策などに同様の規 定がある。つまり、この種の事業は国の責任(維持管理も含め）におい て行うべき事業という位置づけがなされている。しかし、実際は「地方から の要望」に基づいて計画を立て、事業を実施するという形を必ず取っている （取らされている）。
２ 「直轄事業負担金」とは、国が直轄事業を行う場合に、その経費の一部を 地方が負担する制度である。（地方財政法第17条の２）例えば国道を作れ ばその地方にも「受益」があるので応分の負担をしてもらおうという考えか たによるもの。経費の負担割合は法律で定められているが、おおむね総 事業費の３０％である。今回争点となっている「維持管理費」も同様 である。
３ 地方が「直轄負担金」を出すときの財源としては、その一部を地方債（借 金）で賄うことが認められている。借金できる割合（これを「起債充当率」 という）は事業により異なるが負担額の３０％（道路）〜９５％（河川）で ある。例えば、某県における国道整備費が100億円とすれば、直轄負担金は 33億円、そのうち起債充当が9.9億円、残り23.1億円が、一般財源となる。
４ しかし、この一般財源対応分は、地方交付税算定の基準となる「基準財政 需要額」のなかに盛り込まれるから、大きくは国からキャッシュバックされ ることになる。この仕組みは「本来直轄事業は、国の責任」という考えから 地方に財源保障しているもの。この仕組みについては記事には出てこない が、国からすれば「結局は地方の腹はほとんど痛まないのに」という思 いはあるだろう。総務省は、将来的にいつまで、今の地方交付税などの財源 保障制度が維持できるか分らない状況で少しでも地方の負担（今は形式だけ だがそのうち実質的になる）を減らしておきたいということだと思う。 ちなみに過去、国から地方へ事務事業を移譲したものは、ほとんどが 財源を地方交付税に(つまり総務省に権限が）移譲していることは忘れま い。
５ ついでに少しぼやく。実務に携わっている者として感じることだ が、直轄事業の事業費は安易に膨らんでいるというか、簡単に事業費増（負 担金の増）を言ってくる。積算が地方より甘い印象を受ける。用地買収など の損失補償についても、一応の基準があり、地方はこの基準以下に抑えよう として四苦八苦（交渉の長期化）している。ところが国は簡単に基準以上の 金を出す。札束で頬を殴るようなことを未だにやっている。同じ地域に直轄 事業が入ると県や市町村の用地買収がやりにくい。地権者は、先に直轄事業 の方で話しをつけてしまうからだ。（これが逆になると、地方が安く買い叩 いたといわれるので、先に買う事も出来ない）。「受益に応じて」という大 義名分は分るがコスト削減努力が国にはない。維持管理にしても国関係は地 方では考えられないくらいの人間を貼り付ける。金がかかるはずだと思う。 同じ国道でも県が国から補助金を受け事業主体となる「補助国道」はまさ に地方の要望＝都合でつくっている面があり維持管理費の負担もわかる。直 轄負担金も地方が「望んだ」と言われれば確かにそうで（それなら国の自主 性はないのか、と突っ込みたくなるが）、負担金もやむなしということで、 国の「請求書」どおり負担している自治体が多いと思う。しかし地方も負担 金の額をチェック、交渉させてさせてほしいものだ。
話はさらに飛躍するが、道州制になれば、補助国道は多分全て、直轄国道 も相当部分が「道州」道（？）に移管されることになるだろうが、それにつ いてくる｢人間」は極力願い下げといきたいものだ、財源は欲しいけど。（などと言えば虫が良すぎるのだろうか？）（貼付開始）2003年10月16日 官庁速報（時事通信社） ※太字は投稿者による。
◇維持管理費分担は当然＝｢受益」が理由、廃止に難色ー直轄負担金で財務･国土交通省
地方自治体が負担している道路や河川などの国の直轄事業負担金について、総務省は年間2000億円を超す維持管理費の廃止を求めているが、国の予算全体を統括する財務省や、事業官庁の国土交通省は｢地元に受益がある以上、負担するのは当然｣(財務省主計局)と主張。｢国土地方の役割分担の観点からも、負担は求めるべきだ｣(同)とし、総務省と真っ向から対立している．背景には、国･地方とも財政状況が厳しくなり、余計な支出は減らしたいという事情がある．互いに譲れない一線だけに、維持管理費をめぐる調整は難航必死だ．◇「要望」だけでは無責任
総務省が維持管理費の廃止を求める根拠として、｢管理者負担の原則」を挙げているのに対し、財務省や事業官庁が持ち出すのが｢受益と負担｣の原則。財務省は｢公共事業は、造れば終わるわけではない。維持管理があって初めて効用が発揮される」(主計局）と強調する。道路はトンネルや橋などが立派であればあるほど、安全を担保する維持管理にも費用がかかる。主計局は「造るまでは熱心にお願いするが、維持管理は嫌で後のことは知らないというのでは駄目だ｣と釘をさす。
実際、直轄国道とはいえ、地域の要望を受けて整備、改修が進められる．年末の予算編成時にもなると、国交省道路局は自治体の首長や幹部等の陳情ラッシュだ．地方道だけでなく、救急搬送や災害時などにも強い直轄国道の緊急整備等への要望が絶えない．
ところが、｢自治体の首長は道路ができるまでは『造れ作れ』の大合唱だが、完成してからはお礼に来たためしがない」と閣僚経験者。財務省も『自治体は道路整備が必要な理由として、採算性だけでは論じられない医療･福祉、災害、地域活性化などを挙げる．そうした地域に特有の事情も考慮して対象事業が決まるのに、なぜ『建設費は負担するが、維持管理費は負担しない』というのか分らない』(主計局)と首をかしげる．◇負担嫌なら事業やめよ
また、激しい渋滞解消のために行う直轄国道のバイパスも各地で整備。『渋滞がなくなり、騒音や振動、排ガスなどに悩まされた沿道の環境改善という形で地域にメリットがある』(国交省道路局)というのも負担を求める理由だ。
財務省も「国が一方的に事業を行って維持管理費を払えというなら、地方が抵抗するのも理解できるが、要望をして事業が必要だと同意しているのだから払うのは当たり前』(主計局)と正当性を主張。｢無駄な投資をしない事に意味があるのであり、負担が嫌だというなら事業そのものをやめるべきだ｣(同)と主張する。
国交省が1994年に行った交通推計によると、静岡県の富士川付近を通る直轄の国道1号と52号の交通量のうち、約7割は県内を移動する車。県外と県内を結ぶ交通は約2割、県外から県外に抜けていく通過交通はわずか1割に過ぎない。
一方、国道1号に並行して走る東名高速道を見ると、富士川付近を通る車のうち、県内間の移動は約3割に低下する。全国や地域ブロックの交通ネットワーク形成につながる高速道路は2003年度に創設された｢新直轄方式｣を除くと、管理費を含めて全額国と利用者の負担。国交省は｢静岡のケースを含め、直轄国道を走る車は半分以上は地元の車。地元に維持管理費の負担を求めるのはおかしくない｣(道路局)と話す。◇無駄減らしのシステム
直轄国道といえども、実際の利用は地元の車が大半を占める。｢なぜ直轄で事業をやるのか、疑問があるものも少なくない｣(財務省主計局)。同局は「維持管理費にも地元の負担金があるから抵抗感があり、無駄な事業の抑制にもつながる。各地域で(予算を承認する県議会などの)監視の目が働く。その意味でもいいシステムだ」と維持管理費の撤廃には否定的だ。
地方分権に絡め、公共事業のうち国直轄分を限定し、なるべく住民の身近な県管理にすべきだとする議論がある。
国交省によると、国が直接管理する直轄国道は現在約2万1000キロ。しかし県から管理主体の移管を求められているのは20キロだけ。これに対し、国から補助を受けて県が作り、実際の管理も県が担う補助国道は3万2000キロ。ただ、地方も折からの財政難で改修費や管理費が賄えず、4，700キロは国に引き取って欲しいと要望が出ている。
国交省は「これは地方負担を前提としての数字。維持管理費の分担を止めたら、全部国でやれという要望しか出てこなくなる｣(道路局）と説明する。（貼付終わり）
金の子守熊です。この時期は、今年度事業の実施が集中しているばかりでなく、来年度予算編成に向けて作業が始まっており、本庁、出先を問わず忙しくなってきていると思います。しかし「忙中閑あり」で活発な投稿を期待しています。地方公務員だけでなく国家公務員の方々もご遠慮なくどうぞ。（拝）
金の子守熊です。以前、地方の課税自主権の問題で、福岡県太宰府市の「環境税」騒動を紹介した。○[232] 試行錯誤 - 投稿者：金の子守熊（ｎｏ２１４５） 投稿日：2003/09/18(Thu) 00:41:18
これについて、太宰府市では、関係者の協議会を開いて対策を検討することになったが、その報道記事を貼り付けます。
○15年(2003年）10月15日 西日本新聞
(貼付開始）
事態打開へ論議白熱 ｢安易な新税の転嫁」「不公平税ではない」 太宰府市駐車場税運営協
太宰府市が導入した新税｢歴史と文化の環境税｣(駐車場税)を駐車場業者が徴収拒否している問題で、事態打開のために発足した同税運営協議会(稲積謙次郎会長)の第二回会合が十四日、同市役所であった．｢観光客に新税を転嫁した安易な市の姿勢にこそ原因がある｣｢不公平な税制でない｣などの賛否の議論が噴出し、問題の根深さを浮き彫りにさせた。問題の根深さ浮き彫り
｢太宰府市長や天満宮宮司ら五者会談で合意した新税徴収がった二ヶ月で止まった．一度合意したことを破るのは信義違反．天満宮に猛省を促したい｣
冒頭、市民代表の吉塚義男委員が指摘し、会場は緊張した雰囲気で始まった．吉塚委員は天満宮近くの通学路が狭く、路側帯を通学路にしている危険解消のため、新税による財源が必要だとした．
これに対し、委員の太宰府天満宮･馬場宜彦禰宜は、「通学路が狭く、危険なことは承知しているが、これは新税以前の行政課題．新税を検討税制審議会が出来る前に十分意見を聞いたのか、その姿が見えてこない｣と反論。外園令明委員(同天満宮税理士）も｢新税はわずか三ヶ月の税制審議会の論議で成立した。三、四年をかけて議論した北九州市の環境税とは対照的だ｣と太宰府市の拙速な対応を批判した．
また、観光客から税金徴収する点についても議論が分かれた。外園委員が｢観光客は消費することで市財政に寄与している。その観光客から税金を取ることがおかしさを生み出した原点｣と指摘すると、水谷守男委員(鹿児島国際大学大学院教授)は財政学専攻の立場から｢太宰府市民も課税対象にしており、不公平な税制ではない」と切り返した。
最後に稲積会長は「白黒二元論で問題を考えるべきでない。原点に戻り、持続可能な太宰府の街づくりを議論したい｣と述べ、更に新税の位置づけなどに絞って議論する姿勢を明示した．(貼付終わり）
金の子守熊です。
こういう利害対立は全国どこにでもあるような事例だろう。しかしこういった公式の場での議論（これを「ヒラバの議論」とよんでいる）になるのは今までは余りなかったように思う。今後増えていくだろう。
さて、この短い記事からみる限り、次の構図がみえる。
○利害関係１ 推進派（環境整備に必要） ・・・市民（住民のこと）、影に行政(太宰府市）
２ 反対派(観光客から苦情、減るかもしれない）・・・天満宮（駐車場業者）、影に観光客（よそ者）○合意形成
１ 一端合意した事を覆すのは信義違反・・・推進派
２ 十分な議論をつくしていない・・・反対派
○税の公平さ
１ 観光客から取るのは不公平・・・反対派
２ 住民からも取るので不公平ではない。・・・推進派
さて、どちらに「理」があるか。パブリックチョイスの理論だったらどういう答えが出るだろうか？
ちなみに、「会長」は中立的な立場から「原点に戻り、持続可能な街づくりを議論したい」という別の観点を持ち出して事態の収拾を図ろうとしている。
なお、新税導入にあたっては、条例化が必要でありそのためには、議会の議決を経ているはずだが、そのことは議論する際の論点にはなっていない。
しかし、このことを「無視」や「軽視」しているわけではない。なぜなら「新税の位置づけなどに絞って」論議を今後進めていこうとしているからである。これは「条例」であることに配慮したもの。本来ならこの議論は市議会で行われるべきであり、その結果によっては、条例廃止の議決をしなければならない。そうなるとやっかいだから、協議会で話しをつけようとしているのである。つまり、現時点ではできるだけ新税を廃止しないように話しを持っていこうとしているのである。それを誰も不思議と思わない。思ってもそのようにしないのがルールであろう。さらに言えば次回協議会を開く前になんらかの「根回し」が行われるだろう。私でも多分そうする。そんなことあたりまえじゃないかと思われるかもしれないが、私などはときどき悩むことがる。きっと修行が足りないのだろう。以 上 金の子守熊拝
金の子守熊です。
全国知事会（会長：梶原拓岐阜県知事）が打ち出した国の補助金削減提言についての国の反応に関する記事を貼り付けます。
これについては、以前当掲示板で国の反応を紹介したことがある。(再掲開始）
[234] 地方分権・町村合併関連 - 投稿者：金の子守熊 投稿日：2003/09/23(Tue) 02:05:22金の子守熊です。地方分権・町村合併関連記事から。
平成15年(2003年）9月22日 アサヒ・コム
中央省庁の「分権いじめ」多発？全国知事会が苦情収集へ
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全国知事会は、都道府県が進めている税源移譲を前提に廃止すべき補助金を洗い出す作業について、中央省庁の職員から「いじめや脅しが多発している」として「地方分権苦情情報センター」を２４日に設置する。梶原拓・全国知事会長（岐阜県知事）が２２日、明らかにしたもので、「補助金を削って税源移譲を求めると、省庁の方から、（税源移譲とは別に）『本当に削っていいのか』と、いじめや脅しがある」と述べた。
(09/23 00:40)
(再掲終り）
金の子守熊です。各省庁の来年度概算要求は8月末で終わっているので、原則間に合わない。実現のためには余程の政治力が必要だ。総選挙は11月だし、財務省の予算原案決定（これを「財務省内示」という）は12月下旬だからそのときには、うやむやになっている可能性が高い。知事会が選挙モードに入っている各党にどうアプローチするのだろうか？また、受け皿である地方自治体の予算編成はおおむね11月から作業が始まり、1月には終わる。事務サイドの混乱も予想される。
15年(2003年）10月8日 日本経済新聞（貼付開始）
全国知事会 補助金10兆円削減宣言 ｢税源移譲と一体」国に迫る
全国知事会は七日、国から都道府県への補助金を最大十兆円減らす独自案を梶原拓会長(岐阜県知事）の私案として発表した。政府は国と地方の税財政改革(三位一体改革）で地方全体で四兆円の補助金削減を打ち出しているが、各省庁は権限縮小につながる削減に消極的。温度差は広がっている。三位一体改革 交付税改革踏み込まず
梶原知事が示した案は約二十兆円ある国か地方への国庫補助負担金のうち、都道府県への補助金三百十件、十一兆四千億円について見直す内容．電源立地特別交付金のような特別地域向けなどを除く全体の八十八％、二百七十三件の補助金を原則廃止する事を明記。九兆〜十兆円を削減することとした。
廃止補助金の例として小中学校教職員の人件費など年間約三兆円近い規模の｢義務教育費国庫補助金｣などを掲げた。
補助金削減による自治体の歳入減少は国税から地方税への税源移譲でまかなうよう求めている。新たな税源として、地域によるか便りが小さい所得税や消費税などの基幹税目を移譲すべきだと主張．所得税から三兆円程度、消費税は約五兆円分を移譲。揮発油税などの約一兆円を含め総額八兆から九兆円を移すよう求めた．
知事会は政府方針を上回る大幅な補助金削減を税源移譲と一体で打ち出すことで、｢補助金の削減だけを国につまみ食いされないようにする｣(梶原知事)ことを狙っている。
地方税が使い道に制限がないのと違い、補助金は補助基準や対象などが所管省庁の判断に左右されるため、自由な政策の決定、運営がしにくいと言う不満がある。例えばゼロ歳児保育に関する保育師の補助基準が今年二月末になって急に変更されたため、すでに今年度予算案を作成していた自治体は混乱した。
私案は地方が自由に使える財源を増やすため、｢補助金削減と引き換えに税源移譲を勝ち取る」(知事会事務局)狙いを込めている。
ただ今回の案は、三位一体改革の網一つの柱である地方交付税について｢自治体間の財政力格差を是正する交付税制度は必要｣と明記し、総額抑制に向けた具体策には触れていない。梶原知事は七日の記者会見で｢第二弾として交付税問題を地方から提案しなければならない｣と述べた。(貼付終わり）
金の子守熊です。
地方からの税源移譲要求について、財務省の本音は以前からはっきりしている。すなわち、税源移譲を論じる以上、借金についても言及しないと現実的な答えが出ない．国全体の財政状況が厳しい時に足し算、引き算の税制論は財務省としてはいただけない
(以上、神野直彦・伊藤祐一郎編『どうなる地方税財源 分権最終報告から見た地方税財源充実の視点』１７０ｐ 2002年6月ぎょうせい刊、以前[215] 地方への税源移譲問題の論点 - 投稿者：金の子守熊（ｎｏ２１４５） 投稿日：2003/08/28(Thu) 18:48:33にて紹介）というもの。身もふたもない。私は地方公務員なので、知事会の主張はよくわかるし、実現すればいいなとは思っている。しかし国からみれば余りに虫がよすぎる主張だということも理解している。財務省の本音は、本当に地方分権、税源以上を望むなら、地方交付税を廃止するべきだということだろう。
かつて、地方分権推進委員会報告にかかわった人の話を聞いたことがある。そのとき大蔵省（当時）主計局は自治省(当時）に対し、地方交付税廃止するか大蔵省に所管を移せと迫ったそうだ。大蔵省の言い分はこうだったそうだ。 地方交付税は地方の財源の衡平を図るために国の財源を地方に移転する制度だ（これに対し自治省側の言い分は本来地方に属すべき財源を国が持っている、従って地方にその財源を移行するとういう考えである）。国の財源配分を行うのは国の財政を預かる大蔵省の権限だ。それに４７都道府県に地方交付税を配分する事くらいは、大蔵省の能力をもってすれば造作もないこと。自治省にしていただかなくても良い。地方債の許可も国債を発行している大蔵省がすればよい。自治省がすることは屋上屋を重ねる事であり、行政改革の理念に反する。よって、自治省を解体して業務を地方交付税や地方債の許可は大蔵省、公務員関連、消防防災は総務庁か建設省、まあ選挙関係くらいは自治省に残しても良いが、警察庁や総務庁でもいいだろう。とまあこういうつめられ方をして当時税財源移譲の話は継続課題になったそうだ。その巻き返しを今総務省がやっているのである。
また、税財源移譲といっても、地方に直接移譲するのでなく、地方から見れば同じ「国」である総務省の「地方交付税」に組み入れることが実務上は現実的だ。総務省の権限強化になる。現在補助金の権限をもっている各省庁が反発するのはいわば当然なのである。(貼付開始：前掲記事の続き）
補助金削減、省庁は後ろ向き
小泉政権が掲げる三位一体改革に、省庁の足並みが乱れている．歳出削減を目指す立場から交付税抑制を先行させたい財務省と、自治体の主張を背景に税源移譲を進めたい総務省が対立。補助金を所管する各省は自らの権限縮小につながるとして補助金削減には後ろ向きだ。
今夏の来年度予算の概算要求でも、片山虎之助前総務相の異例の補助金削減要請にもかかわらず、各省はほぼ”ゼロ回答”。例えば、文部科学省は各都道府県に一定の範囲内で教職員数の増減や配置の自由を認める｢総額裁量制｣を打ち出したが、教職員給与の半分を賄っている国の補助金(義務教育費国庫負担金)の決定権は維持する構えを崩していない．国土交通省のように、まちづくり分野で新たな補助金創設を打ち出したケースもある。
一方、都道府県の側も国と地方の財政再建をどう実現するのか、明確な道筋を示していない．仮に、九〜十兆円の補助金を削減しても、その大半を税源移譲を求めているため、歳出抑制の効果は小幅にとどまる。
交付税改革への取組み意欲が乏しいのも課題だ。
事業を効率化する視点を織り込まなければ、補助金や交付税が地方税に置き換わるだけで、国民にとって利点は余りない、ということになりかねない。
行政運営で地方の自由度がませば、地元の実状にあった柔軟な予算執行などプラス効果がある反面、義務教育水準や公共施設の整備状況などで地域間格差がつくことは避けられなくなる。麻生太郎総務相も｢地方が競争する時代とはいえ、自治体の経営能力に差が出ることに理解が得られるのか｣と指摘する。どのよう独自色を発揮するのか、地方も青写真を示す必要がある。(貼付終り）
金の子守熊です。
この記事に限らず、新聞がはっきりと書かないというか、ぼやかしいることがある。それは、税源移譲の問題は国と地方との関係ではなくて、国の省庁間の権限争いという面だ。財務省VS総務省、総務省VS各省庁、財務省VS各省庁（地方分権を名目に予算を削っているのである）。前２者は書いているが、三番目の要素も無視できない、三つ巴の争いをやっているのである。地方はそのダシに過ぎないと言えば言い過ぎになるだろうか。もっとも地方もそれを利用しようとしているが・・・。
そしてきたるべき道州制への移行に向けての布石。地方分権が進めば、国に今までのような人間が要らなくなる。道州制が実現すれば、道州制政府に大量に国の役人も移っていくだろう。実はそのときに一番困るのが都道府県の職員だ。市町村は基礎的自治体だから何があっても生き残る。また道州制内の事業調整であれば県域を超えるので国の出先職員の方が向いているだろう。そうなれば都道府県職員の立場は微妙なものになる。使い道があるのか。実は私も県庁職員である。さて、どうしようか？
以上 金の子守熊 拝
金の子守熊です。
以前法人事業税に関して投稿（[237] 銀行税訴訟の意味 - 投稿者：金の子守熊(no2145） 投稿日：2003/09/25(Thu) 01:21:06）している。
そうしたら、総務省ホームページに外形標準課税の導入について、来年4月から実施される旨の発表されている。銀行税訴訟の決着をみて本格的に動きはじめた。総務省にとってはシナリオどおりだろう。役人はあらかじめこういう仕掛けをしておくものでこれは、国、地方を問わない。もちろんその場限りのものもたくさんあるが。
地方分権や道州制の分野で言えば、大きなシナリオは｢地方分権推進委員会」の報告書である。もちろんここに書いてある事がすべて実現するわけではないが、逆にここに書いてないことが与野党とも議論になることは余りないことは知っておいて損はないと思う。そんなことあたりまえじゃないか、という声も聞こえてきそうだが、意外と皆さん忘れっぽいというか、他の関心事にまぎれてしまうことが多いのではないか。役人と言うのはその間隙を突いてくる。良くも悪くも。
ところで話は飛ぶが、学問道場の表紙に当掲示板の紹介コピーとして「公務員の世界から暴き系」と書かれてある。｢暴き」とは「内部情報暴露」、もっと正確に言えば国家公務員法や地方公務員法に触れる情報のことではない。そんな話を期待しているのならば失望するだろう。ちなみに｢愚痴」や「公務員がサボっている」の類の情報は公務員法違反ではないので念のため。そうではなくて、みんなが見ているのに見ていない、知っているのに知らない、「大きな真実」に少しでも近づくのが「暴く」ということだと思っている。そういうわけだから、皆さんも｢安心（？）」して投稿していただきたい。よろしくお願いします。以 上
金の子守熊 拝○外形標準課税の導入について（総務省HP）
http://www.soumu.go.jp/czaisei/news/030724_1.html
○地方分権改革推進会議(官邸HP)
http://www8.cao.go.jp/bunken/
金の子守熊です。
朝日新聞に鳥取県知事片山善博氏が投稿されたものを貼り付けます。片山知事は、ホテル税で石原都知事とやりあったり、地方分権改革推進会議の西室泰三議長（東芝会長）に反発して、県の契約から東芝をはずそうとしたり、何かとお騒がせしている。
しかし、片山知事は自治省(現総務省）出身で地方自治制度やその実務運用に精通しており、その言動は地方自治関係者の注目を集めている。また、ヘーゲルの研究で博士論文をものしており、学究肌の知事という面もある。○片山善博知事のプロフィール
http://www.pref.tottori.jp/kouhou/chiji/
○博士論文要旨
http://www.soc.hit-ac.jp/thesis/doctor/99/summary/katayama.html15年(2003年)10月3日 朝日新聞から貼り付け
私の視点 鳥取県知事 片山善博
◆合併特例債 交付税の先食いはやめよ
市町村の合併論議が盛んだが､これに関連して国民の皆さんに是非認識していただきたいことがある．行政合理化のための合併という大義名分の下､壮大な無駄遣いになりかねない政策が進められているという事実だ。｢市町村合併特例債」の発行である。
多くの市町村が合併に取り組んでいる背景には､財政運営に対する自信喪失がある。税収は大きく落ち込み､国からの地方交付税交付金も年々削減されている．一方でこれまでの膨大な借金を返済しなければならない．もはや合併でもしてやりくりするしかない､という心境であろう。
実際､合併すると「得」になるのだ。新たに生まれる自治体の規模と態様に応じて大量の地方債の発行が特別に認められ､ごくわずかな自己資金で巨額なハード事業を実施できる．しかも特例債の元利償還金についても､将来､交付税交付金が上乗せされて国に面倒を見てもらえる仕組みになっている．市町村が｢合併しない手はない」と考えていても不思議ではない。
そもそも地方財政が破綻寸前の状況にあるのは、景気対策や単独事業の促進などの名目で膨大なハード事業を実施してきたからだ。その際所要資金の大半は借金で賄い､元利償還は将来の交付税交付金で面倒を見るという施策が用意されていた。政府による｢交付税の先食い｣奨励策である。一見すると地方に有利な制度のおかげで､各自治体は通常であれば到底計画する事の無い事業にまで手を出した。その結果が､気が遠くなるほどの借金の山なのである。
借金の返済は今ピークに達している。当然､交付金は大幅増額されなければならないのに、逆に減らされている。明らかな約束違反だが、ここではあえて愚痴は言うまい。
少なくとも政府は､この十数年の過ちを真摯に反省し､｢交付税の先食い｣をただちに辞めるべきである。にもかかわず､財政的に自立できなくなった自治体を合併に追い込むためのあめ玉として､特例債を又ぞろ持ち出すのは､はなはだしい見当違いでしかない。
合併特例債の発行額が全国で何十兆円になるのか､私にはわからない。だが、再びこの｢一見有利な制度｣が自治体をして膨大なハード事業に走らせ､借金の山を膨らませることは確実である。今でさえ交付金の原資が不足して､「ローンの借り換え」のようなことをしているというのに､将来､これに特例債の償還財源まで上乗せできると､政府は本気で考えているのだろうか．
改めて言うまでもないが､数十兆円にのぼる無駄遣いを見過ごす余裕はこの国にはない．一方でこのような財政規律のゆるみに手を貸しながら､他方で「地方歳出の抑制」を唱えても空しいだけである。
いま自治体が問われているのは､その規模や｢量｣よりもむしろ｢質｣である。住民が望まない施設をどんどん作った果てに､借金の返済に四苦八苦しているのは､自治体の規模が小さいがために生まれた現象でなく､行政の質が悪かったからである。
政府の合併促進政策は､質の改善でなく量の拡大に過ぎない。そしてこれを強引に実現する手段である合併特例債は安易な財政体質を助長することによって、自治体の質を一層低下させるだけだと危惧せざるをえないのである。（以上、貼り付け終わり）
金の子守熊です。投稿の要旨は、市町村合併のインセンティブの一つである、合併特例債の安易な活用に警鐘を鳴らしたもので、その限りにおいては賛同する。その上でいくつかコメントする。
１ 地方交付税は、実質的には減っていない。逆に増えている。
投稿の中で片山知事は、「国からの地方交付税交付金も年々削減されている」と指摘されている。確かに平成15年度地方財政計画によると、地方交付税は18兆693億円で、14年度19兆5449億円に比べると7.5%減っている。しかし、収支の不足を補うために「臨時財政対策債」の発行5兆5416億円を予定しており、これをあわせると23兆9389億円となる。14年度と比較すると1兆1679億円、５．１％の増額である。地方交付税の原資は法律により所得税、法人税、酒税消費税及びたばこ税の一定割合を充てることになっているが、それでも足りない時は、従来だと「交付税特別会計借入金」で賄っていた。ところが、平成13年度にこの借入金制度を廃止し、その代償措置として、足りない分を国と地方が折半し、国は一般会計から別途補填し、残りを地方が自分で借金（臨時財政対策債）して賄うことになったのである。しかし、その元利償還金は後年度の｢基準財政需要額」、すなわち地方交付税の算定基礎に入れていいということになっているので、結局は国からお金が来るのである。つまり大きくは変わらないということである。２ 心配すべきは財政の硬直化である。
問題なのは、後からお金が国からもらえるとはいえ、地方債（借金）が増えてしまうことである。平成15年度の交付税特別会計借入金を加えた実質的な公債(借金）依存度は18.8％となっている。国の平成15年度公債依存度44%よりは低いが、かなり高い数字だ。これを財政状況をチェックする各種指標で見てみる。まず、公債費負担比率(借金返済率のことで、例えば市町村の場合、１５％を超えると危険ライン（黄色信号）、２０％を超えると危険ライン（赤信号）とされて「指導」がはいることになる）が昨年度と比べ7.2%増の18.4%、起債制限比率(借金可能比率：通常２０％を超えると起債が許可されなくなる）が、前年度比2.5%増の11.6%、経常収支比率(財政余裕度：70〜75％が標準でそれを超えるとまずいとされている）が前年度比12.7%増の87.5%になってしまうという。このままでは通常の経費と借金の支払いしかできない状況に陥る危険性が出てきた（これを「財政の硬直化」という）のである。事実上地方独自の事業ができなくなるのである。３ 片山知事の矛先は国に向いている。
合併特例債も安易に地方の借金を増やす道である。合併特例債を取り入れるということは、他の事業ができなくなる可能性が高くなるということである。現時点では合併特例債は起債制限比率に関係なく発行できることになっている。しかし国からキャッシュバックされるのは元利償還金の７０％であり残りの３０％は自前の財源から持ってこなくてはならない。かつてもそうであった。将来的にはこれが効いてくる。公債費負担比率や経常収支比率が悪化するのである。片山知事の指摘も頷ける。しかし、片山知事が本当に言いたいのは地方にそういうことをさせているのは国だ、地方を堕落させているのは国だ。そこまで「市町村合併」を推進したいのか、という主張のように思える。朝日新聞がとりあげるはずだ。
片山知事は、現在の地方の財政危機を招いたのは、国が景気対策で地方債の増発を交付税の先食いで地方に無理やりさせたからだとみている。実はこれは総務省の公式見解でもある。財務省は反発しているが。総務省は地方財政計画を策定して全国の地方自治体が予算を組むときのガイドラインにしている。起債や地方交付税の総枠がこれで決められる(逆から言えば財源保障がある）ので各自治体はこの原則計画にそうかたちで予算を組んでいる。国が景気対策を地方にさせるときもその内容を地方財政計画に反映させているのである。だから地方がいわば国の設計どおりに予算を組んで執行したので設計どおりに財政危機になった、ということになる。まさに「護送船団方式」である。片山知事の指摘はこれである。我々に責任はない、と。本当にそうだろうか？４ 真の地方自治を確立するために
片山知事は「改革派」知事の一人に数えられ、知事たちのなかでも有数の論客として知られている。しかしその主張は総務省（旧自治省）の枠を越えていないように思える。少なくとも現時点においては。現職知事という立場も影響しているのかもしれない。他の改革派知事も似たようなものだ。また「地方分権」や「道州制」に関する議論は国家戦略上の観点から議論することが必要で、財政面だけで議論することは適当でないのかもしれない。
しかし、真の地方自治を確立するためには、端的に「お金がない」という事実から出発することが必要だと思う。現在の地方財政制度はこの単純な事実を実感しないで良いシステムであり、地方（住民、役所両方）にとって心地よいものである。今の地方自治論議は国の役人特に財務省は冷ややかに見ているのが実態だと思う。しかし、災いは突然やって来る。そのとき慌てないように議論を深め、備えておきたい。この掲示板がそういう場になることを期待している。以 上
金の子守熊拝○地方財政に関する総務省HP
http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/index.html
○市町村合併に関する総務省HP
http://www.soumu.go.jp/gapei/gapei.html
金の子守熊です。梶原拓岐阜県知事（全国知事会長）に関する記事。この方の地元や職員の評価はどうなんだろうか？○岐阜県知事 梶原拓のプロフィール
http://www.pref.gifu.jp/s11101/syoukai/taku_l.jpg15年(2003年)10月2日毎日新聞から貼り付け
「補助金10兆円返す」 "闘う”梶原岐阜県知事、私案で「税源移譲迫る」
｢闘う知事会｣を掲げる全国知事会長の梶原拓岐阜県知事は、1日の岐阜県議会本会議で､三位一体改革を推進するため､地方への税源移譲と引き換えに国からの都道府県への補助金｢10兆円前後｣を国に返還する会長私案を打ち上げた。返還額は､03年度の国庫補助金17兆5000億円の約6割にもあたり､税源の地方移譲を国に突きつける構えだ．
梶原知事は｢会長私案として10兆円前後の(補助金の)廃止案を(国に)出したい。それを裏付ける贅言をこちらに回せと主張していく｣と答弁した。
梶原知事の会長就任直前の7月に同県高山市で開かれた全国知事会議は､主催県の梶原知事の提案で｢闘う知事会」を合言葉に､積極的に国に提言していく方針を確認した．その一つとして打ち出したのが､地方分権の推進のため､国庫補助金･地方交付税の減額と､これに伴う税源移譲をセットにした｢三位一体改革｣の実現．同会議では､当時の総務相、片岡虎之助氏が｢知事側から廃止すべき補助金の具体名を挙げて国に迫ってくれ｣と知事会にボールを投げていた。（乗峯滋人）（以上貼り付け終り）
金の子守熊です。税源移譲については、財政難に悩む財務省の抵抗が強い。たかが資料の項目分け、と思うなかれ。こういうところに細かく気づくことも役人の小細工を押さえるのに必要なことだ。こうして役人的な「暗闘」は続くのである。
15年(2003年)10月2日 朝日新聞から貼り付け
三位一体のはずが｢交付税｣別項目 ｢意図的だ」麻生氏かみつく 諮問会議配布資料
「わざわざ『地方交付税改革』という項目が書いてあるから､意図的なものを感じた｣。1日公開された経済在英諮問会議の議事要旨によると､9月26日の会議で､国と地方の税財政の『三位一体』改革の進め方をめぐり､麻生総務相が竹中経済財政担当相にかみついた．
諮問会議で配布した資料で､三位一体改革と地方交付税改革が分けてかかれていたため､総務相を刺激した．6月の「骨太の方針･第３弾」に盛り込まれた三位一体の改革では､補助金削減､地方への税源移譲､地方交付税改革をセットで進める．しかし財務省などは地方交付税の抑制に意欲を見せる一方で､国の財政に厳しさを理由に地方への税源移譲には消極的で､総務省は警戒感を強めている。
竹中担当相は「意図は無い」と述べ、小泉首相も｢塩川大臣､片山大臣でも丁々発止の議論があった」とその場を収めたものの、郵政民営化問題でも､総務相は「値上げや遅配等のサービス悪化などが生じては困る」とくぎをさした。
(以上 貼り付け終わり）
金の子守熊拝
金の子守熊です。総選挙に向け、地域経済の活性化策として提案されているようです。中央政府主導のプログラムで、財政出動ではない、となれば規制緩和策だろうが、「建設業の事業転換支援」「観光産業の振興」「農業の競争力強化」の詳細がよくわからない。中小の建設業で目先のきく者は福祉関連に事業転換しているという話は聞いたことがあるが・・・。具体策をみてみたい。
15年10月5日(日）アサヒコムから貼り付け
「地域再生法」の制定検討へ 経済財政諮問会議
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政府が、３日の経済財政諮問会議（議長・小泉首相）で、地方経済の活性化と雇用拡大を同時に進めるため、「地域再生法」（仮称）の制定の検討に入ることが明らかになった。自治体の業務を民間企業に委託しやすくするための措置や、地方を支えてきた建設業などの事業転換を促す措置を盛る。省庁横断的な「地域再生本部」を内閣官房に設置し、地方再生のための包括的なプログラムの策定に当たることも検討する。３日の諮問会議に奥田碩日本経団連会長ら４人の民間議員が共同提案。これを受け、１１月中に内閣府が具体策をまとめる運び。景気には明るさが出てきているが、地方経済は依然厳しい状態が続いている。地方活性化策を正面から検討することで「地方切り捨て」批判に応える狙いもある。
民間議員の提案は「『雇用なき景気回復』を避けるため、地域経済の再生に本格的に取り組み、雇用創出と中小企業の活性化が重要だ」と指摘。「一時的な効果しか持たない財政出動・公共事業に頼らず、知恵や民間の力を活用した『財政出動なき地域再生』を実現する」とうたっている。
自治体業務を地方の企業に委託することで、雇用拡大につなげるだけでなく、サービス産業の振興も促し、公共事業に依存した地方経済の構造を変える狙いもある。
具体策としては、地方公営企業の民営化▽行政サービスの民間開放▽建設業の事業転換支援▽観光産業の振興▽農業の競争力強化などを挙げた。
竹中経済財政相も地方再生と雇用拡大について「地方自治体の外部委託が決め手だ。必要なら法律改正を含め、やる」との考えを示していた。 (10/03 06:01)
http://www.asahi.com/politics/update/1003/002.html(貼付終り）
金の子守熊です。
市町村合併は、法期限である平成17年(2005年)3月末を目指して、大筋では「順調」進んでいる。しかし、地域によっては思惑の違いから不協和音が聞こえてくる。03年9月22日 朝日新聞から貼り付ける。
県庁所在地の合併 27市で進まず 本社調査「吸収｣に警戒感
国が推進する｢平成の大合併｣で､合併話が浮上している府県庁所在地36市のうち過半数の27市が周辺自治体の足並みの乱れなどで合併構想が停滞していることが､朝日新聞社の調べでわかった．周辺自治体側に大都市に吸収される警戒感が根強いケースが見られ､地域の中核で｢大合併｣が滞っている格好だ
東京都を除く46道府県庁所在地の担当課を9月中旬に電話で取材した．合併構想がないのは札幌や大阪､神戸など10市．残る36市のうち､合併が順調と答えたのは静岡市や京都市など9市．それ以外の27市は､周辺市町村の拒否反応など何らかの理由で､合併話が順調には進んでいなかった．
中核市（人口3０万人以上）を目指す甲府市（人口１９万５千人）は､周辺３市町村と法定協議会を設けた．しかし中道町が8月末､｢住民投票で町民の意向が把握できるまで協議を一時中断する｣と決定。話し合いが事実上ストップしている。
人口66万9千人の熊本市は､合併で70万人超の政令指定都市を目指すが難航．隣接する益城町では8月の住民投票で合併反対票が多数を占めた。熊本市の財政を問題視する川崎義秀町長は、｢合併すると孫子の代まで借金を背負わされる｣と警戒する。（貼り付け終わり）
金の子守熊です。朝日新聞は全国紙の中では、合併に批判的な論調が多い印象を受ける。これに限らず、新聞記者が取材するときは、私も経験があるが、あらかじめストーリーができており、記事を書くのに必要なキーワード（悪く言えば言葉尻）を聞き出すために質問してくる。上記の記事も取材風景が目に浮かんでくる。
それはさておき、県庁所在地周辺の市町村は大抵は人口が増加しており、工場なども多く、空港などの大型施設などもあって、財政的に裕福なところが多い。そういうところでは、合併をいやがる。合併すれば、財政面や施策の優先順位が旧市中心になってしまうおそれがある。旧町村長は失職してしまうため、合併後には口が出せない建前になる。区長にでもなれば別だが。また議員数が違う。合併すれば経過措置で旧町会議員は2年間は籍が確保されるが、2年後には選挙がある。そのとき選挙区割りにもよるが一般的には人口の多い旧市に地盤を持つ候補者に有利だ。そうなると自分達の影響力が行使できない。従って難色を示す、ということになる。一方財政的に苦しく過疎が進んでいるところは合併やむなしというところが多いだろう。
特に人口が5万人に近づいている町は独自に市に昇格できる可能性があるのでわざわざ合併して市になるメリットはない。もう少し人口が増えるのを待とう、ということになる。これから、また悲喜劇が起きるだろう。以 上
金の子守熊 拝
金の子守熊です。世界の水紛争地域リストを掲載します。出典は嘉田由紀子編『水をめぐる人と自然』2003年5月有斐閣269p１ 水配分で紛争中の地域
（１）ファラカ堰(ガンジス川）：インド、バングラディシュ
（２）ガンダキ川：インド、ネパール
（３）チグリス川：トルコ、イラク
（４）ヨルダン川：イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、パレスティナ
（５）ドウロ川：スペイン、ポルトガル
（６）アスワンハイダム(ナイル川、青ナイル川）：エジプト､スーダン､エチオピア２ 流域の一部を除き紛争が解決していない地域
（１）ランソウ江ダム開発（メコン川水系）：中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナム
（２）ユーフラテス川：トルコ､シリア､イラク３ 協定を結び解決に成功した地域
（１）インダス川：パキスタン､インド
（２）コロラド川：米国、メキシコ
（３）イタイプダム：ブラジル､パラグアイ､アルゼンチン４ 環境問題で紛争になっている地域
（１）アラル海、シルダリア川、アムダリア川：ウズベキスタン、カザフスタンなど中央アジア諸国
（２）ドニエプル川：ウクライナ､ベラルーシ､ロシア､黒海沿岸国
（３）ライン川：オランダ､ドイツ､スイス､フランス５ 政治的問題で紛争のある地域
（１）平和ダム（漢江水系）：韓国､北朝鮮
（２）水豊ダム（鴨緑江水系）：北朝鮮､中国
（３）アムール川：ロシア､中国６ 紛争の可能性があり、問題解決の必要な地域
（１）ユアン川：ベトナム､中国
（２）サルウィン川：ミャンマー､タイ､中国
（３）カスピ海、クラ川：アゼルバイジャン､アルメニア､グルジア
（４）オレンジ川：南アフリカ､ナミビア
（５）チャド湖：チャド､ニジュール､カメルーンなど
（６）ニジュール川：ナイジェリア､ニジュール､ベニン､マリなど
（７）セネガル川：セネガル､モーリタリア、マリ､ギニア参考
○世界の水問題 http://www.idi.or.jp/vision/wwv-02.htm
○ヨルダン川関係（JICA） http://www.jica.go.jp/jicapark/kokusai/0109/01.html
○ウォーター 世界水戦争 マルク・ド・ヴィリエ 書評
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20020616ii08.htm
○水と社会 http://www.waternetwork.org/society/
金の子守熊です。銀行税訴訟で東京都と都銀で和解が合意されました。日本経済新聞 平成15年(2003年）9月18日
(貼付開始）
銀行税訴訟、和解合意 都が2300億円強来月中にも返還 ４大銀は３００-５００億円、業績のプラス要因
東京都の外形標準課税(銀行税）条例訴訟の和解をめぐり、都と銀行団の基本合意が十七日に成立、都は条例改正を経て十月中にも銀行側に総額二千三百億円強の税を返還する。一行の返還額は最大で五百億円に達する模様．黒字確保が至上命題となる各行の業績に大きなプラス要因となる．
石原慎太郎都知事は同日午後､「双方言い分があるだろうがソフトランディングできたのではないか．妥当な決着だった｣と和解合意案を評価。｢自治省(現総務省）はこれが引き金になって念願の外形標準課税が発足し喜んでいる｣と述べ、銀行税導入が全国一律の外形課税の呼び水になった意義を強調した．
今回の和解は銀行税の現行税率を三%から0.9％に下げ､過去三年分に銀行が納めた税金との差額に加算金をあわせて返還する内容．和解合意では､返還期日は税率引き下げのための改正条例が施行された直後で､十月中になる見込だ.
メリルリンチ日本証券によると､過去三年間に銀行が納めた銀行税はみずほフィナンシャルグループが七百五十億円で最多。返還額は四大銀行の場合で各行三百億ー五百億円とみられる。銀行団を構成する十五行は返還相当額を二〇〇四年三月期決算で特別利益として計上する方向。業績予想の押し上げ要因となる。(貼付終り）
金の子守熊です。少し補足する。
１ 返還額の大きさとか銀行の業績予想などは、短期的な話でありそれなりのものでしかない。「辣腕行政マン掲示板」としては、外形標準課税が認知されたことを注目したい。以前にも書いたが、地方税（法人県民税）に外形標準課税を導入する事は総務省（旧自治省）、税収不足に悩む全国の自治体の悲願である。各都道府県の実務では導入の準備ができている。これから順次議会に提案されていくことだろう。東京都が先鞭をつけたわけで、石原都知事は総務省の意向に忠実に動いたことになる。外形標準課税は、企業の収益に関係なく一定割合で課税される。この点が地方税に向いているとされ、平成13年6月の地方分権委員会最終報告でも提言されている。しかし、住民(企業）の側からすれば「増税」に変わりはない。各地域で活発に議論されることが望まれる。２ さらに先読みする。今回は法人が対象だが、今後個人を対象にした「人頭税」の導入が議論されるだろう。これも税理論的には地方税として望ましいという考えがある。実際、イギリスのサッチャー首相はこれを地方税に導入したが、政権崩壊してしまった。「税」は政治（まつりごと）そのものである。従って恐ろしいものである。わが国でも消費税を導入しようとした大平正芳は急死し、導入した竹下内閣は崩壊した。イギリスの例に戻ると、1381年、最初に人頭税を導入したカンタベリー大司教(当時財政を預かっていた）は、反乱者ワット・タイラーにより文字通り斬首された。アダム・スミスは人頭税は最悪の租税といっている。しかし彼を師と仰ぐサッチャーすら、手をつけずにはいられなかった。わが国でも早晩そうなるだろう。
以 上 金の子守熊拝
金の子守熊です。住基ネット関連の記事を貼り付けます。
アサヒコム 平成15年（2002年）9月23日
(貼付開始）
長野県が住基ネット侵入実験始める 阿智村など３町村
長野県が住民基本台帳ネットワーク（住基ネット）の安全性を検証するため、同県阿智村のシステムを利用して侵入実験を始めたことが２３日わかった。庁内ネットワーク（ＬＡＮ）を経由して同村の住基ネットサーバーに外部から侵入できるかどうかを調べる実験で、２２日に開始し、数日かかるという。さらに県中南部の２町でも順次実施する方針。県は専門家ら第三者に評価、分析してもらったうえで、詳しい実験内容や結果を公表するとしている。 県によると、阿智村では、庁内ＬＡＮにコンピューターウイルス感染や不正アクセスが起きた場合に、住基ネットサーバーへの侵入や、ＬＡＮ内部での被害の拡大をくい止められるかなどを調べているという。 県が実験を行う阿智村を含む３町村では、町村が管理するシステムの範囲内にとどめ、県や他市町村への侵入はしない。このうち１町では、田中康夫知事らが危険性を指摘しているような、住基ネットがインターネットに物理的に接続した状態になっており、外部からインターネットを経由して庁内ＬＡＮへの侵入を試みる。実験にはそれぞれ２、３日程度はかかり、公表は１０月になるとみられる。 県は情報漏洩（ろうえい）や外部アクセスの急増などを避け通常の状態で実験を行うためとして、２町の自治体名や具体的な日時、実験方法は明らかにしていない。 田中知事は８月、住基ネットの危険性を指摘し、近く複数の自治体で侵入実験を実施する方針を表明した。当時の片山虎之助総務相も、守秘義務と不正アクセス防止法の遵守（じゅんしゅ）を条件に容認する考えを示していた。 (09/23 19:19)
(貼付終り）
金の子守熊です。地方分権・町村合併関連記事から。平成15年(2003年）9月22日 アサヒ・コム
中央省庁の「分権いじめ」多発？全国知事会が苦情収集へ
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全国知事会は、都道府県が進めている税源移譲を前提に廃止すべき補助金を洗い出す作業について、中央省庁の職員から「いじめや脅しが多発している」として「地方分権苦情情報センター」を２４日に設置する。梶原拓・全国知事会長（岐阜県知事）が２２日、明らかにしたもので、「補助金を削って税源移譲を求めると、省庁の方から、（税源移譲とは別に）『本当に削っていいのか』と、いじめや脅しがある」と述べた。
(09/23 00:40)
県庁所在地市町村合併、２７市で停滞 周辺自治体は警戒
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国が推進する「平成の大合併」で、合併話が浮上している府県庁所在地３６市のうち過半数の２７市が周辺自治体の足並みの乱れなどで合併構想が停滞していることが、朝日新聞社の調べでわかった。周辺自治体側に大都市に吸収される警戒感が根強いケースがみられ、地域の中核で「大合併」が滞っている格好だ。国は全国約３２００市町村を３分の１に減らす目標を立てるが、総務省合併推進課は「機運は盛り上がっているが、０５年３月の合併特例法の期限までには難しい」としている。東京都を除く４６道府県庁所在地の担当課を、９月中旬に電話で取材した。合併構想がないのは札幌や大阪、神戸など１０市。残る３６市のうち、合併が順調と答えたのは静岡市や京都市など９市。それ以外の２７市は、周辺市町村の拒否反応など何らかの理由で、合併話が順調には進んでいなかった。
高松市は、周辺１０町に合併検討会への参加を呼びかけたが、応じたのは１町だけ。不満を募らせた増田昌三市長は８月下旬、総務省で開かれた中核市の会合で「合併できないならば（ごみ処理などで協力している）広域行政の解散を考える」と訴えた。
この発言に国分寺町など周辺９町長が反発。高松市役所へ押し掛け、発言撤回を迫る騒ぎになった。福井則史・国分寺町長は「合併を迫る恫喝（どうかつ）では、と思った。大きな市への吸収では、行政サービスが低下しないか不安がある」と話す。
人口６６万９千人の熊本市は、合併で７０万人超の政令指定都市を目指すが難航。隣接する益城町では８月の住民投票で合併反対票が多数を占めた。熊本市の財政を問題視する川崎義秀町長は「合併すると孫子の代まで借金を背負わされる」と警戒する。
広島市と府中町は、双方が合併協議会の設置案を６月議会で可決したが、まだ協議会は未開催だ。広島市側が合併を望んでいるものの、大手自動車メーカー・マツダの本社を抱える府中町は財政が豊かなこともあって乗り気ではないことが影響している。
奈良市と三重県に挟まれた奈良県山添村は、８月の住民投票で「合併しない」が多数を占めた。奈良市を生活圏とする住民と、三重県側とする人が混在し、まとまらなかった。一方、京都市と京北町のように「町民は買い物や就職などで京都市に出ることが多い」（町企画課）と、順調に協議を進める地域もある。
総務省によると、９９年４月に３２２９あった市町村数は今年７月１日現在３１８５に。法定・任意の合併協議会を持っていない市町村は１１５１と、全体の３６％にのぼっている。 (09/22 08:55)
民主党、マニフェストに自由党の３法案採用へ
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民主党は、自由党の基本政策である「日本一新１１法案」のうち、地方自治確立基本法案など３法案を次期総選挙のマニフェストに採り入れる方針を固めた。合併後は、基本的に民主党の政策を継承することになっているが、自由党の政策を一部取り込むことで、自由党に配慮するとともに、小沢党首のファン層をつなぎとめる狙いもある。採用するのは、（１）全国３０００市町村を３００に再編、国の補助金をやめ「一括交付金」として分配する地方自治確立基本法案（２）各種規制を原則撤廃する市場経済確立基本法案（３）地球の温暖化防止などについて厳しい規則を定める地球環境保全基本法案。
一方、１１法案のうち安全保障基本法案など８法案の採用は見送る方向という。 (08/23 06:08)
金の子守熊です。地方公務員給与引き下げ関係です。(貼り付け開始）
地方公務員給与引き下げ、総務省が要請通知(読売新聞)
総務省は１６日、２００３年度の地方公務員の月額給与を各地域の民間水準に合わせて引き下げるよう要請する通知を都道府県知事と政令市長に出した。政府が同日、国家公務員の月額給与を平均４０５４円（１・０７％）引き下げるよう求める人事院勧告の完全実施を決めたことを受けた。
通知では、＜１＞期末・勤勉手当を年０・２５か月分引き下げる＜２＞異動後も前任地で受けていた調整手当がもらえる「異動保障」の支給期間を現行の３年間から２年間に短縮する＜３＞退職時に特別昇給させて退職手当を積み増す慣行を見直す――ことも求めている。
(貼り付け終わり）
地方公務員の給与は、各自治体が条例で定めることになっている。(地方公務員法第24条第6項）つまり各自治体の自主的判断（議会の議決）で決めていいわけだが、建前どおりにはいかない。総務省通知は「国の職員等の間に権衡（バランス）を失しないように適当な考慮を払っているもの」（同法24条第5項）で、大抵の自治体は、総務省通知を「尊重」することだろう。地方自治の本旨からすればどうか思うが、財政的に護送船団方式（地方交付税による財源保障）を取っている以上無視はできない。「慣行」については当初はそうするだけの意味があったのだろうが、現在では民間の常識との乖離が大きくなれば是正するのも当然だ。我々公務員の待遇は
「生計費並びに国及びその他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」(同法第24条第3項）決まるのだから。それにしても、地方分権論議では待遇の問題は余り論じられないが・・・。以 上
金の子守熊 拝
金の子守熊です。地方自治体の課税自主権の発揮、実際はなかなか思惑通りにはいかないようだ。三菱総研のホームページから。http://sociosys.mri.co.jp/column/2003/0912.html
(貼り付け開始）
2003.09.12--------------------------------------------------------------------------------
課税には筋と納得が必要
〜東京都「銀行税」、太宰府市「環境税」を巡る騒動〜
社会環境システム部 升本 和彦
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最近、地方自治体の『税』を巡る論議が盛んである。中でも個人的に目を引いたのは、東京都の銀行税（外形標準課税）と福岡県太宰府市の環境税（歴史と文化の環境税）である。別稿でも触れたが、ここでもこれらについてコメントしたい。
まず、全国的に物議をかもした銀行税である。課税取り消し等を求めた訴訟で都が１、２審とも敗訴したことを受け、先頃、都側からの和解申し入れが報道された。現在、この和解申し入れに対し銀行側で意見集約を行っているという。銀行側も「１、２審とも勝っているのだから最後まで」という強硬派、「和解による還付金は魅力。短期決着が得策」という和解派、先行きは依然として不透明だ。
もう一つの「歴史と文化の環境税」は少々説明が必要だろう。これは太宰府天満宮周辺の渋滞緩和や観光施設整備を謳い、市が有料駐車場への駐車に対し課税するものである。課税額は普通車100円、大型車500円などで、法定外普通税として駐車場業者を通じ徴収され、一般財源に繰り入れられる。平たく言えば「駐車場税」なのだが、「古都の環境を守る」という狙いから「歴史と文化の環境税」と銘打ったという。
この税、2002年３月の条例案可決後、代理徴収する駐車場業者の反対で延期されていたが、最大手の駐車場業者でもある太宰府天満宮が受け入れたことで今年5月、見切り発車的に実施された。しかし７月、太宰府天満宮が再度拒否に転じ、膠着状態に陥いる中、条例の凍結／完全実施という相反する請願が市議会に提出され、９月２日開会の議会で論議されることとなった。言うまでもなく、「銀行税」と「歴史と文化の環境税」は税としての性格が全く異なる。「銀行税」が法で定められた法人事業税であり、その課税対象を赤字銀行にまで拡張したものであるのに対し、「歴史と文化の環境税」はそもそも法に定められていない、いわゆる法定外普通税である（ちなみに同じ東京都の「ホテル税」は法定外目的税である）。とは言え、両者は共に「普通税」として地方の財源確保を目指したものであること、そして膠着状態に陥っていることなどの共通点を持っている。
膠着状態に陥った原因もよく似ている。一つは、公平性等、税としての「筋」である。銀行税はまさに銀行だけを狙い撃ちにした不公平感の高いものであるし、歴史と文化の環境税も、直接便益を受ける市民のための税を外部の観光客−投票権も持たず決定に関与できない−に転嫁するという「筋の悪さ」が指摘されている。余談になるが、「駐車場税がディズニーランドを持つ浦安市で実施されたらおぞましい」という意見がある。大雑把な計算ではあるが、ディズニーランドの駐車場容量は約17,000台、これに500円を課税すると税収は年間31億円余、これは浦安市の市税収入の311億円（H13）の１割にも相当する。
話がそれたが、膠着状態に陥ったもう一つの原因、それは関係者の納得の不在である。太宰府市当局から代理徴税する駐車場事業者に対し説明等が十分であったとは見えないし、石原知事自らが「ホームスチール」と表現したような強引な導入手続きをとった東京都の銀行税に至っては、、、「はた言うべきにあらず」、か。
税という手段は社会システムの根幹である。それだけに、アイディアをそのまま実行するのではなく、専門家等による『筋』の検討と、関係主体への十分な説明と議論を通じ、合意・納得感を形成する必要がある。『銀行税』『歴史と文化の環境税』、双方ともこの秋の仕切り直しを機に、皆が納得するような落としどころを見出して欲しいもの
(貼付終わり）金の子守熊です。福岡県太宰府市のケースについての記事。
時事通信官庁速報 03年9月10日(貼付開始）
新税、徴税拒否の異常事態(福岡県太宰府市）今年五月から福岡県太宰府市が導入した法定外普通税｢歴史と文化の環境税｣(駐車場税)をめぐり、混乱が続いている．太府天満宮(以下天満宮)など徴収義務者である全駐車業者が徴税を拒否したためで、新税は導入1年目から異常事態に直面している。
同士の駐車場税は、税額は駐車1階につき、普通車なら100円などとしている．税収は年間約5400万円を見込み、渋滞作解消策などの観光整備や史跡保存の費用に充てる．
同勢の構想が出た当初から、駐車場業者は｢観光で持っている町が観光客から金を取るのか｣と反発．しかし市は、市内駐車場の約9割の駐車台数を保有する天満宮などが同意したため、5月から新税を導入した．
これに対し、税に反対する業者は、天満宮周辺の観光地図を駐車料金と同額の400円で販売したり、駐車台数が5台以下の業者には徴収義務が無いことから駐車場を分割したりして、課税を回避する行動に出た．市側はこれらの駐車場にも｢経営形態は従前と同じ｣として、徴税を行うよう求めると、今度は反対業者が駐車場を完全に無料化してしまった．
そもそも市は、駐車場業者に｢納税を拒否する人には強制しなくてもいい｣と通達していたため、納税拒否は後を立たず、天満宮などは観光客から｢払うほうが損するのか｣との批判を受け、混乱の収拾策を市に求めていた．これに対し市側は｢我慢してください｣の一点張り．
更には、駐車場税の賛同業者も、反対業者の｢駐車場無料化｣を｢意気に感じた｣(天満宮幹部)として、8月から徴税義務者の指定を返上．｢駐車場税は市役所に持っていってください｣との張り紙を掲げた．
佐藤芳郎市長は｢新税導入の条件として、運用を1年ごとに見直すことで天満宮と合意している．返上は一方的だ｣とあくまで徴税義務の履行を求める構えだ．議会の仲介で、行政と業者、市民を交えた協議会を設立することで合意しており、今後道協議会で打開に向けた話し合いが行われる。(貼付終り）
金の子守熊です。福岡県太宰府市は、人口6万6千人余り（東京で言えば、国立市、武蔵村山市、清瀬市と同じくらい）だが、年間観光客が650万人（市人口の約100倍）を超える。主要産業は観光で太宰府天満宮を始めとする社寺が観光資源。短大や高校も多く福岡市近郊のためベッドタウン化も進んでいる。観光客の多くは車を利用するので、交通渋滞が多く発生していることは想像できる。自治体の各種インフラは人口に応じて整備され、予算もそれなりにしかつかないので、渋滞解消策や各種設備整備のための財源が欲しかったのだろう。折からの地方分権ムードに乗り、課税自主権発揮ということで制度を作ったのだろう。業者や観光客から反発をくらってしまったが、一般住民からすれば、渋滞解消のための施策にもっと予算をかけてほしいところだし、そうなった原因は観光客にあるのだから、彼等から応分の負担を取るのが当然だという考え(応益性の原則）もあると思う。施設整備により利益を受けるのは観光客だという見方も成り立つ。住民が車を使って｢観光」するわけではない。筋が悪いと一刀両断してよいものか。「納得させる関係者」も多岐にわたり、利害も対立しているのだ。行政と業者、市民を交えた協議会をつくって議論するそうだが、最初からそうすれば良かったじゃないかという声もあがってきそうで、市の担当者は大変だなあと同情してしまった。しかし自己責任でやったことだし、趣旨は理解できるので、何とか事態を打開してほしいものである。「地方分権」はこういう試行錯誤の積み重ねにより、実現するのだろう。以 上
金の子守熊 拝○歴史と文化の環境税について(太宰府市ホームページ）
http://www.city.dazaifu.fukuoka.jp/zeimu_s/kanzei.asp
参考文献
(1)経済の基礎常識
｢経済のニュｰスがよくわかる本･日本経済編｣ 細野真宏著
小学館 03-03-10 1,500円＋税｢経済のニュｰスがよくわかる本･世界経済編｣ 細野真宏著
小学館 03-03-10 1,400円＋税(2)財政の基礎
｢図解･国家予算のしくみ･いっきにわかる予算書の読み方と問題点｣ 片山泰輔編著
東洋経済新報社 99-04-01 2,000円＋税｢日本の国家予算･あなたの隣の大問題｣ 吉田和男監修
講談社 96-05-22 1,600円(3)日本の財政
｢図説･日本の財政･平成14年度版｣ 加藤治彦編
東洋経済新報社 02-08-22 2,000円＋税｢日本が自滅する日｣ 石井紘基著
副題｢｢官制経済体制｣が国民のお金を食い尽くす！｣
PHP研究所 02-01-23 1,700円＋税｢財政赤字の正しい考え方｣ 井堀利宏著
副題｢政府の借金はなぜ問題なのか｣
東洋経済新報社 00-08-03 1,800円＋税｢破綻国家の内幕｣ 東京新聞取材班
副題｢公共事業､票とカネ､天下り利権の構造｣
角川書店 1,600円＋税｢日本経済恐ろしい未来｣ 水谷研治著副題｢借金経済の行く末は国家破綻｣
東洋経済新報社 03-01-01 1,500円＋税｢緊急出版2003年日本経済非常事態宣言｣ 斎藤精一郎著
日本経済新聞社 02-12-20 1,200円＋税(4)道州制
｢日本道州制国家論｣ 芝烝編著
世界思想社 90-02-20 1,680円｢｢茹で蛙｣国家日本の末路｣ 大前研一､田原総一朗共著
副題｢日本が元気になる最後の一手｣
ビジネス社 03-06-01 1,500円＋税(5)地域主権
｢日本再編計画｣ 斎藤精一郎責任監修 ｢無税国家｣研究プロジェクト
副題｢無税国家への道｣
PHP研究所 96-11-03 3,500円｢脱中央集権国家論｣ 江口克彦著
副題｢地域主権をいかに創造するか｣
PHP研究所 02-10-02 1,400円＋税｢大改革｣ 童門冬二著
副題｢長州藩起つ｣
日本経済新聞社 99-12-10 1,500円＋税
ワーカーズの直です。
後一人推薦人を獲得できれば、総裁選挙に立候補できた無派閥の渡辺よしみの「幻のマニフェスト」から関連部分を貼り付けます。（貼り付け開始）
＜地方改革＞
《三位一体 ＋ 地方債》
１． 国からの税源移譲により地方の自主財源比率を40％から70％へ引き上げる。〈2006年〉
２． 地方が自立できるよう課税自主権を大幅に拡大する。〈2006年〉
３． 国として全国一律に確保しなければならない最低限の行政サービス分野としての警察、消防、義務教育等(ナショナルミニマム)に限定し、国から地方自治体に対し一般補助金として全額交付する。〈2006年〉
４． 地方交付税制度は廃止し、地方税の一部をプール(地方共同プール)して相互に水平的財政調整を行う制度を導入する。地方税の一部に見合う税源は、新しい税源または国から地方への移譲を検討する。〈2006年〉
５． 地方間の水平的財政調整のための1つの施策として法人税に対し現行の本社所有地で一括徴収する制度を廃止し、企業の工場、支店等活動地域の配置・分布に見合う税金配分を行うシステム(ユニタリー制)の導入を検討する。〈2006年〉
６． 国庫支出金については、特定定率補助金は廃止し、全て一般補助金とする。このことにより国による一律かつお仕着せの社会資本整備から、地方最適化追求の社会資本整備へ転換し、地方が整備する社会資本を自由に選択できる制度とする。〈2006年〉
７． 地方債の市場公募及び地域単位の共同発行を促進する。そのため、地方債を市場が適切に評価出来るよう公会計制度の整備を行う。
８． 新発地方債の元利償還に資する地方交付税の交付は廃止する。既発地方債の元利償還の地方交付税措置分については、国がそれに見合う地方債を引き取る。〈2004年〉
《道州制》
都道府県を廃止し、道州制を次のステップにより実現する。
１． 道州制の基本法となる「道州設置法」を制定する。〈2005年〉
２． 各都道府県のいくつかを集めて、行政上の権限は持たない「広域行政連合議会」を発足させ、道州の立法権、徴税権、行政権、司法権等のあり方や広域行政の運営方法について協議し合意を得る。〈2008年〉
３． 道州への徴税権付与及び予算措置を行う。〈2010年〉
４． 現行の都道府県を廃止し、道州を設置する。〈2013年〉
５． 道州を1つの地域とする産業基盤としての地域産業集積(地域産業クラスター)を整備していく。
具体的には、イノベーション(技術革新)を通じてナノテク、IT、ライフサイエンス(生命科学)、新エネルギー・環境、ブランドビジネス、金融等を重点産業とする情報、知識活動の拠点としての地域産業集積を各道州に形成していく。
また、日本におけるイノベーションの活性化を図るため、国内においては対内直接投資を積極的に推進し、日本企業の海外事業展開においては、知的財産権の保護を図る。
《その他》
１． 国が地方を縛っている官官規制を原則撤廃し、住民と地方自治体による自由な地方運営を可能にする。〈2005年〉
２． 地方自治体に公会計を導入することにより、住民に対する情報の公開及び透明化を図ると共に行政・政策評価についても住民が容易に判断できるようにする。〈2006年〉
３． コミュニティー活動を活性化するため、ボランティア活動、NGO活動を積極的に支援する。その成果報酬としての地域通貨の導入を支援する。また、ボランティア、NGO活動に高齢者を積極的に雇用することにより、高齢化雇用対策を図るとともに社会保障費削減にも役立てる。〈2006年〉
（貼り付け終了）
金の子守熊です。21世紀臨調の緊急提言、今度はマニフェスト関係です。9月5日 朝日新聞
｢マニフェスト冊子、有権者に配布を｣ 公選法改正を緊急提言 21世紀臨調
学者や経済人等で作る｢新しい日本を造る国民会議｣(21世紀臨調)は4日、次期総選挙で各政党などがマニフェスト(政権公約)を示す冊子を有権者に配布できるよう、公職選挙法改正を求める緊急提言を発表した．現行では、冊子やリーフレットなどの大量配布は、有償・無償を問わず規制の対象になる可能性が高いため．
国政選挙(補欠選挙・再選挙は除く)を対象に、�＼�党などの本部が作ったマニフェストなどをまとめた冊子�△修陵彁櫃魑�載したリーフレットかビラ・・・の2種類に限って、選挙運動で数量制限を設けずに配布できるよう、今秋の臨時国会での法改正を求めている．
片山総務省も、7月、｢選挙運動を抜本的に見直すべきだ．マニフェストの位置づけを含めて検討していく｣と述べ、公選法改正に前向きな考えを示している．21世紀臨調の共同代表の西尾勝・国際基督教大教授は、｢必要最小限の改正に絞った．次期総選挙がマニフェストに基づく国民の政権選択の場となることを望む｣と話した．
金の子守熊です。県知事たちの新しい動きがでてきました。（貼り付け開始）
朝日新聞9月4日
『国と闘う知事会へ』 改革派知事ら役割重視へ 初の会長選、候補者模索
三位一体で脱「陳情団」税源移譲狙う
これまで「話し合い」で選ばれてきた全国知事会長の初めての選挙が、5日に候補者が締め切られる．今のところ立候補表明は無いが、水面下では推薦人集めや情勢偵察の電話が飛び交っている．これまでは名誉職とも見られていた知事会長．しかし、三位一体改革など地方が激動期を迎え、一転、その役割がクローズアップされてきている．
会長は代々、話し合いで選んできた．それが一転、｢選挙｣に変わったのは、7月17日、岐阜県高山市で開かれた全国知事会議でのことだ．
この日、高知県の橋本大二郎氏、千葉県の堂本暁子氏、宮城県の浅野史郎氏ら数人の知事が、昼食でテーブルを囲んだ．土屋義彦・前埼玉県知事の辞職で空席になっている会長選びが、話題に上った．
｢選挙でなければ、国と闘う知事会になれない｣
意見は一致し午後からの知事会議の席上、橋本氏が選挙での選出を提案．知事会初の選挙が決まった．
会長選に知事たちが関心を示すのは、知事会が今後、国に対する有力な｢武器｣になる、という見方が多いからだ．
岐阜県の梶原拓知事は｢三位一体改革など重要課題があることから、知事会長職が、大変責任の重いポストに質的に変化しつつある｣と話す．
知事会は7月の会議で、これまでの陳情や要望ばかりの｢お願い知事会議｣から｢闘う知事会議｣に脱皮するスローガンを打ち出した．増田寛也・岩手県知事は｢国に戦争を仕掛けるのだから、公明正大な選挙で選ばれた会長が方向性をはっきり示すことが必要．三位一体改革で税源移譲を勝ち取る戦いが、新生知事会の試金石となる｣と話す．
関係者によると、会長選にはこれまでに梶原知事(当選4回)のほか、福岡県の麻生渡知事(3回)や島根県の隅田信義知事(5回)らを推す声があがっているという．(貼り付け終わり）
議論活発化「道州制」
掲載日2003年09月03日 ＜共＞
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〈議論活発化「道州制」〉
「道州制」をめぐる議論が活発化してきた。九月の自民党総裁選や次期衆院選での公約の目玉にしようとする動きなどに加え、首相の諮問機関・地方制度調査会（諸井虔会長）でも十一月の最終答申に向けて突っ込んだ議論が始まる。政府は都道府県が合併しやすいよう地方自治法を改正する方針を固めるなど、行政体制の枠組みが大転換する可能性も見えてきた。
「三位一体改革の考えの中でも、道州制は北海道が一番適している」。小泉純一郎首相は八月二十六日、北海道の高橋はるみ知事に道州制特区を検討するよう要請した後、記者団にこう説明した。小泉首相の所属する自民党森派がまとめたマニフェスト（政権公約）案にも「三年以内に実現する」テーマとして、道州制実施のための基本法制定が挙がっている。
同党内では総裁選に向け、反小泉の立場を取る江藤・亀井派までもが道州制導入を盛り込んだ独自の政策提言を発表。野党の民主党も道州制移行を掲げている。
現場レベルでは青森、岩手、秋田の北東北三県の研究会が二〇一〇年に三県で「東北特別県」を導入し、その後東北六県での道州制を目指すとの報告をまとめるなどの動きが出てきた。
道州制論議の歴史は古く一九五〇年代、当時の第四次地制調が「地方制」と呼び「府県を廃止し、全国を七―九ブロックに分けて『地方』を設置。首長は官選で、議員は公選」と答申した。しかし「屋上屋を架す」などの反対もあり、実現しなかった。
道州制の定義は定まっていないが、現在の第二十七次地制調は四月にまとめた中間報告で「全国を数ブロックに分け、国の出先機関の性格を持たない、公選の首長と議会を持つ地方自治体を設ける制度」と位置付け、幅広い議論を呼び掛けた。
中間報告は、国の機能を住民に身近な地域政府に移譲するメリットを説明。経済界には「公共投資などで地方が独自に考えた事業ができる」との期待もある。一方で、地制調はこれまでの国、地方にわたる行政体制の根幹にかかわる問題で、国民的合意が必要だとも指摘している。
片山虎之助総務相は「市町村の再編の次は都道府県の改革であり、その中で道州制は一つの大きな課題。時間がかかるが、今から大いに議論し国民的な関心を高めるのはいいことだ」と議論の高まりを歓迎している。
2003.09.02
■男女同室、山形市でも 小５宿泊学習
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県教委「通常ありえない」静岡県沼津市の市立小が五年生対象の校外宿泊学習で男女の児童を同室に宿泊させていた問題で、山形市の小学校一校でも野外テントや宿泊施設で男女同室で宿泊させていたことが一日、分かった。山形県教委では、「心身ともに大人になっている五年生の宿泊学習で、常識的に考えて通常ありえない」としている。
男女同室で宿泊させていたのは、山形市内の市立小一校で、七月に実施した「宿泊学習」。同小によると、五年生の児童が市内の「少年自然の家」に二泊三日で宿泊し、キャンプファイアーなどを体験した。
男女混合で班を作り、一泊目は野外テントで五−六人、二泊目は「自然の家」の部屋で十一−十二人でいずれも男女同室で宿泊。着替えの時は男子児童が外に出たという。
同校では男女混合宿泊を企画した昨年、保護者から苦情が寄せられ、「男女の性差を考慮して」（同校）別々にした。
だが、今年は、四月のＰＴＡ総会で保護者側から「男女同じに宿泊できるのは五年生が最後ではないか」という声があり、苦情がなかったため混合宿泊を決めたという。
市教委では「子供を信じたいところもあるが、全く心配がないわけでなく望ましいとはいえない。事実確認のうえで対応を検討したい」と話している。